クレスコ
最終更新 2026年9月16日
年間配当は入金済み額ではなく、保有株数54株と会社予想配当80円から求めた相当額です。記念配当10円を除いた普通配当70円なら3,780円になります。
どんな会社か
- 独立系のSIer。企業の業務システムと、機械・自動車に組み込むソフトの両方をつくります。
- 1988年に設立。ソフトウェア開発とシステム機器の開発・販売を目的に、資本金9,800万円で始まりました。
- 顧客は金融・製造・流通。特定の業種に寄らず、企画・開発から保守まで引き受けます。
- 売上の85.6%がITサービス。残りはクラウド・AI・セキュリティのデジタルソリューションで、売上が前年の約2倍に伸びました。

ITサービスの3分野をくわしく見る
エンタープライズ240.1億円(営業利益33.0億円)、金融174.3億円(同22.1億円)、製造139.3億円(同25.3億円)。製造だけは売上が前年比6.3%減りました。2つのセグメントの営業利益の合計88.5億円は、本社費用などを差し引く前の数字で、連結の営業利益66.1億円とは一致しません。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2026年3月期有価証券報告書2027年3月期第1四半期決算短信(事業等のリスク・セグメント情報)。分類は管理シートに合わせています。
強みと懸念点
- 10年続く増益と増配。導入したシステムの保守・改善の仕事がそのあとも続くので、売上が積み上がりやすい形です。1株利益も普通配当も、10年間毎年増えています。
- 還元方針の引き上げ。2026年3月期から、利益に対して配る割合の目安を40%から50%に上げました。利益が伸びる分に加えて、配る割合でも配当が増える形です。
- 業種に偏らない顧客。お客さんは金融・製造・流通・公共に分かれています。1つの業種がIT投資を絞っても、仕事が一気に減る心配は小さい会社です。
- 厚い財務。工場のいらないソフト開発の会社で、稼いだお金が手元に残ります。自前のお金の割合は、比べた独立系3社でいちばん高い水準です。
- 配当余力の縮小。配る割合の目安を上げたため、配当に回す割合は10年前の倍近くになりました。利益が伸びなければ、増配の余地は小さくなります。
- 同業より薄い利益率。利益率は、同じ独立系のシステナやSRA HDを大きく下回ります。財務は厚くても、稼ぐ効率では見劣りするのが今の姿です。
- 不採算案件と人材。伸ばしているデジタル関連の事業で採算の合わない案件が出て、今期の出だしは利益が減りました。製造業向けでは開発の中止や延期も起きています。技術者の採用・育成の費用が増えるなかで、10年続いた増益を保てるか。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

原則連結経常利益をもとに特別損益を零とした場合に算出される親会社株主に帰属する当期純利益の50%相当を目処に継続的に実現することを目指してまいりました

配当・配当性向の10年表(分割調整後)
| 3月期 | 普通配当(円) | 記念込み(円) | 配当性向(連結) |
|---|---|---|---|
| 2017 | 13.75 | 13.75 | 30.5% |
| 2018 | 15.5 | 18 | 36.0% |
| 2019 | 16.5 | 16.5 | 31.6% |
| 2020 | 18 | 18 | 31.5% |
| 2021 | 19 | 19 | 30.3% |
| 2022 | 22 | 22 | 28.6% |
| 2023 | 23 | 25 | 31.6% |
| 2024 | 26 | 26 | 28.9% |
| 2025 | 42 | 42 | 39.3% |
| 2026 | 64 | 64 | 49.3% |
| 2027予想 | 70 | 80 | 58.1% |
2020年2月1日と2024年7月1日に、それぞれ1株を2株に分ける株式分割がありました。上のグラフと表は現在の株数に合わせた金額です。2020年3月期は分割をはさむため、中間配当と期末配当をそれぞれ調整しました。配当性向は記念込みの1株配当÷1株利益(連結)で計算しています。
出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策。記念配当の内訳は注記で確認)と2027年3月期の配当予想の修正(記念配当)。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 3月末終値(調整後) | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 694.5円 | 1.98% |
| 2018 | 890円 | 2.02% |
| 2019 | 831.25円 | 1.98% |
| 2020 | 712円 | 2.53% |
| 2021 | 806.5円 | 2.36% |
| 2022 | 983円 | 2.24% |
| 2023 | 849円 | 2.94% |
| 2024 | 1,062.5円 | 2.45% |
| 2025 | 1,187円 | 3.54% |
| 2026 | 1,422円 | 4.50% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年3月末の終値(株式分割の調整後)。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月15日終値1,795円、会社予想の配当80円・1株利益137.76円、2026年3月期の1株純資産828.81円で計算しています。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 309 | 27.08 | 8.8% | 45.07 | 15.7% | 66.9% |
| 2018 | 333 | 30.92 | 9.3% | 50.06 | 15.2% | 62.5% |
| 2019 | 352 | 32.07 | 9.1% | 52.23 | 14.6% | 63.6% |
| 2020 | 393 | 35.56 | 9.0% | 57.15 | 15.0% | 60.4% |
| 2021 | 397 | 34.84 | 8.8% | 62.72 | 14.8% | 64.2% |
| 2022 | 445 | 44.58 | 10.0% | 76.96 | 15.6% | 66.8% |
| 2023 | 484 | 49.99 | 10.3% | 79.05 | 14.3% | 72.7% |
| 2024 | 528 | 51.22 | 9.7% | 90.06 | 14.3% | 69.7% |
| 2025 | 588 | 59.84 | 10.2% | 106.89 | 15.1% | 71.1% |
| 2026 | 647 | 66.06 | 10.2% | 129.82 | 16.4% | 69.9% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 11.45 | 55.04 |
| 2018 | 21.75 | 68.93 |
| 2019 | 18.25 | 62.01 |
| 2020 | 36.93 | 93.85 |
| 2021 | 31.55 | 110.16 |
| 2022 | 32.23 | 117.38 |
| 2023 | 16.80 | 109.15 |
| 2024 | 32.14 | 148.65 |
| 2025 | 47.62 | 152.45 |
| 2026 | 53.31 | 152.63 |
長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に丸めています。1株利益は2020年2月と2024年7月の株式分割を調整し、現在の株数に合わせました。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。
同じ仕事の会社と比べる
同じ3月期の独立系SIer 2社を並べました。事業構成は同じではないため、規模・収益性・財務の目安としての比較です。
| 2026年3月期 | クレスコ 4674 | システナ 2317 | SRA HD 3817 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 646.8 | 944.0 | 532.8 |
| 営業利益率 | 10.2% | 16.3% | 15.5% |
| 自己資本比率 | 69.9% | 64.9% | 64.7% |
| ROE | 16.4% | 31.4% | 17.4% |
| 配当性向 | 49.3% | 44.2% | 45.1% |

出典:各社の2026年3月期決算短信と有価証券報告書。システナとSRA HDのカルテはこちらとこちらにあります。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は増収・増益でした。
通期予想は売上715億円(+10.5%)、営業利益80億円(+21.1%)、純利益55.3億円(+4.8%)で据え置きです。ただしデジタルソリューションは、不採算案件の影響で利益が前年同期比19.5%減りました。あわせて会社は、2026年5月に100万株または20億円を上限とする自己株式の取得を発表し、7月31日には上場30年の記念配当10円を中間配当に上乗せすることを決めています。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2027年3月期の配当予想の修正(記念配当)。
決算とIRの記録
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2027年3月期の配当予想の修正(記念配当)2026年3月期有価証券報告書。
業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に丸めています。配当と1株利益は2020年2月1日・2024年7月1日の株式分割を調整し、現在の株数に合わせました。
2018年3月期の配当18円には創立30周年の記念配当2円50銭、2023年3月期の25円には創立35周年の記念配当2円、2027年3月期の予想80円には上場30年の記念配当10円が含まれます(いずれも分割調整後)。記念配当の有無は有価証券報告書の注記と会社の開示で確認しました。