保有銘柄カルテ

システナ

証券コード 2317
情報・通信業(独立系のIT企業)東証プライム10年減配なし配当性向40%以上が目標
配当利回り(予想)4.24%
株価は2026年9月11日終値。業績は2026年3月期の実績。上の予想利回りは2027年3月期の予想配当18円で計算しています。最終更新 2026年9月16日
株価425円
1株配当(予想)18円
🐔 いま持っている分
保有株数200株
1年でもらえる配当(税引前)3,600円
買った値段での利回り6.82%
🏢

どんな会社か

  • 独立系のIT企業。ソフトの開発・検証から、IT機器の販売、システムの運用まで、企業のITをまとめて引き受けます
  • 1983年に横浜で創業。ヘンミエンジニアリングとして設立し、2010年にカテナを合併して今の社名になりました
  • 車・通信・金融に強い。車載ソフト、次世代通信の開発支援、生損保・銀行の基幹システムを手がけます
  • 売上の4割弱が機器販売。パソコンやサーバーの販売とクラウド導入が37.7%、IT運用の代行が23.2%、通信・AIの開発支援が16.2%です
開発と検証を受ける→機器とクラウドを納める→運用と保守を代行する→次の開発案件になる
2026年3月期・事業ごとの売上高と営業利益(億円)
機器販売・クラウド売上355.64/利益29.57
IT運用の代行売上218.82/利益31.46
通信・AIの開発支援売上152.95/利益33.42
金融などの基幹システム売上104.06/利益24.76
車載ソフト売上75.69/利益32.19
自社サービス売上28.38/利益2.51
秘書のリツ売上の大きさと、利益の大きさは違うよ。いちばん売れているのは機器販売・クラウド(売上の37.7%)だけど、そこの営業利益は29.57億円。売上が75.69億円しかない車載ソフトのほうが、利益は32.19億円で多いんだ。利益がいちばん多いのは通信・AIの開発支援の33.42億円だね。
いまの売上を押し上げているもの

2026年3月期は、Windows 10のサポート終了にともなうパソコンの入れ替え案件が第3四半期まで集中し、機器販売の売上高が伸びました。会社は2027年3月期第1四半期の決算短信で、この特需は一巡したと書いています。

出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報)。売上高は外部の顧客への金額で、その他の事業(8.42億円)は省いています。売上高の10%以上を占める顧客はいません。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類ディフェンシブ。不況の年にも配当を減らさなかったため。ただし受託開発と機器販売が中心で、企業のIT投資に売上が左右される
秘書のリツリーマンの年もコロナの年も、配当は据え置きで減らしてはいないよ。2009年10月期(当時の社名はシステムプロ)は売上15.0%減・経常利益41.6%減、2021年3月期も売上5.7%減・純利益9.1%減。ただ受託開発と機器販売が中心だから、企業のIT投資の増減はそのまま売上に出るね。

出典:2009年10月期・2021年3月期の有価証券報告書。当時の配当はリーマン期が2,400円、2021年3月期が20円で、いずれも分割前の実額です。10年で売上高が前の年を下回ったのは2021年3月期の1回でした。分類は管理シートに合わせています。

📝

強みと懸念点

⭐ 強み
  • 同業より高い利益率。売上は小さくても利益の厚い車載ソフトや、通信・AIの開発支援を育ててきました。そのため利益率は10年で2倍になり、独立系の同業2社を上回ります。
  • 大口顧客に頼らない売上。売上の1割を超える顧客はいません。事業も機器販売、IT運用の代行、車載、通信、金融などに分かれていて、1社や1つの業界の調子が落ちても全体は崩れにくい形です。
  • ITをまとめて引き受ける。開発・検証から機器の納入、運用の代行まで、企業のITをまとめて引き受けます。1つの仕事が次の開発案件につながるので、お客さんとの付き合いが続きます。
  • 10年減配なし。リーマン・ショックの年もコロナの年も、配当は減らしませんでした。利益の40%以上を配る目標で、利益が伸びた分だけ配当も増えてきました。
🔵 懸念点
  • 減益の中の増配計画。今期は減益の予想なのに、配当は大きく増やす計画です。ただ会社の約束は「利益の40%以上を配る」だけで、減らさないとは言っていません。利益が落ち込む年には、配当も一緒に下がるおそれがあります。
  • パソコン特需の一巡。前の期はWindows 10のサポート終了で、企業がいっせいにパソコンを買い替え、機器販売が伸びました。買い替えは一度済めば数年は起きないため、今期の出だしは売上がほぼ横ばいです。
  • 技術者の確保と人件費。この会社が売っているのは、技術者の手です。社員は10年で倍に増え、会社も技術者不足と人件費の上昇を挙げています。人件費が上がるなかで、今の利益率を保てるか。

従業員は10年で2,585人から5,301人になりました。

🔎

いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
◎
売上は伸びているか
10年で463億円→944億円、約2.04倍。減ったのはコロナの2021年(5.7%減)だけ。
◎
営業利益率は高いか
16.3%。10年で8.0%からほぼ2倍になり、同業のクレスコ10.2%・SRA HD 15.5%を上回る。
○
1株利益(EPS)は伸びているか
分割調整後で5.6円→31.65円、約5.65倍。ただし前の年を下回った年が2回あり、今期予想29.74円は6.0%の減益。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年ずっと黒字。2026年は132.8億円で10年でいちばん多い。
◎
配当は増えているか(減っていないか)
分割調整後で10年減配なし。2.25円→14円で約6.2倍(据え置きは2021年の1回)。
○
配当性向に無理はないか
44.2%。目安の30〜50%の中。ただし今期は減益でも増配する計画で、予想は60.5%まで上がる。
◎
自己資本比率は高いか
64.9%。10年ずっと58%以上。2025年に下がったのは自社株買いで純資産が減ったため。
◎
現金は増えているか
10年で75.9億円→298.2億円。2025年の減少は79.6億円の自社株買いによるもの。
2026年9月チェック財務と利益率は厚い。今期の配当性向60.5%と、パソコン特需が抜けたあとの売上を確認する。
🪙

配当はどう増えたか

実績会社予想
1株配当の10年推移と今期予想・分割調整後
05101520円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ分割をならすと、10年で2.25円から14円へ約6.2倍。減配はなくて、据え置きは2021年の1回だけだよ。今期の予想は18円(薄い青の棒)。分割前の実額だと2019年3月期に46円→16円、2022年3月期に20円→13.5円と減ったように見えるけど、分割をならすと増配なんだ。
配当・配当性向の10年表(分割調整後)
3月期1株配当(円)配当性向
20172.2540.1%
20182.87531.7%
2019434.0%
2020535.6%
2021538.9%
2022638.8%
2023842.4%
20241053.6%
20251251.8%
20261444.2%
2027予想1860.5%
連結配当性向40%以上を目標に積極的に実施してまいります。

2026年3月期の有価証券報告書の配当政策です。安定配当の継続をベースに、経営成績に応じて配分することを基本方針にしています。会社は目標とする経営指標の1つめに「安定した高配当」を挙げています。ただし、配当を減らさないという約束(累進配当)はしていません。自社株買いは、2024年5月の決議で2,500万株を79億6,200万円で買い、2025年3月期に同じ株数を消却しました。 株式分割は2018年6月と2021年12月に1株→4株を2回。グラフと表は現在の株数に換算しています。2017〜2026年3月期に記念配当・特別配当はありません。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。

出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)2026年3月期決算短信。

📍

いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
012345%点線は10年平均 2.13%2.1017年1.0518年1.3319年1.3620年0.9021年1.3922年2.7623年3.6824年3.3225年3.3926年4.24今
秘書のリツいまの予想利回り4.24%は、10年平均2.13%のほぼ2倍だよ。2018〜2021年3月末は1%前後しかなかったんだ。そのあと配当が6円から14円に増えて、株価は431円から413円とほぼ横ばい。だから利回りが上がったんだね。
予想PER14.3倍
PBR(本決算基準)3.84倍
過去の期末利回りを数字で見る
3月期期末利回り
20172.10%
20181.05%
20191.33%
20201.36%
20210.90%
20221.39%
20232.76%
20243.68%
20253.32%
20263.39%

出典:各年の有価証券報告書(配当)と、株式分割を調整した各年3月末の終値。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。2018〜2022年3月期は期末の株価が1株利益の25.6〜43.1倍で、利回りが低く出ていた時期です。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月11日終値425円、会社予想配当18円・EPS29.74円、2026年3月末のBPS110.82円から計算しています。

💰

業績と財務

売上高と営業利益率
売上高(億円)02004006008001,000営業利益率(%)051015208.09.511.612.613.214.013.212.614.416.317年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ売上は10年で約2.04倍、営業利益率は8.0%から16.3%へほぼ2倍。2026年はWindows 10の入れ替え需要も重なった年だよ。売上が減ったのはコロナの2021年だけだね。
1株利益(EPS)・分割調整後
010203040円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツEPSは10年で約5.65倍。前の年を下回ったのは2021年と2024年の2回だよ。今期の会社予想29.74円は6.0%減の見込みで、パソコン特需の反動が入ってるね。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
010203040%赤の点線は一般的な目安 8%15.717年22.418年24.619年25.520年20.621年21.622年22.923年20.024年24.025年31.426年
秘書のリツROEは2018年からずっと20%以上。2026年の31.4%は10年でいちばん高いよ。自社株買いで自己資本が減ったことも効いてるね。
ROE31.4%
自己資本比率64.9%
営業CF10年黒字
現金及び現金同等物(期末)
0100200300億円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ現金は10年で75.9億円から298.2億円へ。2025年にいったん214.6億円まで減ったのは、79.6億円の自社株買いをした年だから。自己資本比率が70.5%から62.7%に下がったのも同じ理由だよ。
業績・財務の10年表
3月期売上(億円)営業利益(億円)営業利益率EPS(円)ROE自己資本比率
201746336.98.0%5.6115.7%58.2%
201854351.79.5%9.0822.4%59.5%
201959769.011.6%11.7524.6%59.9%
202064681.612.6%14.0625.5%63.0%
202160980.113.2%12.8420.6%65.9%
202265391.114.0%15.4721.6%68.5%
202374598.413.2%18.8922.9%69.9%
202476997.112.6%18.6720.0%70.5%
2025836120.714.4%23.1724.0%62.7%
2026944153.716.3%31.6531.4%64.9%
営業CFと期末の現金(億円)
3月期営業CF現金同等物
201722.475.9
201843.893.6
201970.3141.8
202048.3152.2
202172.1188.8
202255.4219.6
202376.5247.9
202490.4300.9
202579.8214.6
2026132.8298.2

長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結キャッシュ・フロー計算書)と2026年3月期決算短信。EPSは2018年6月と2021年12月の株式分割を調整し、有価証券報告書の数字を4で割って現在の株数にそろえました。

⚖️

同じ仕事の会社と比べる

同じ独立系のSIerである、クレスコとSRAホールディングスを並べました。

独立系SIer 3社システナクレスコSRA HD
売上高944億円647億円533億円
営業利益率16.3%10.2%15.5%
ROE31.4%16.4%17.4%
自己資本比率64.9%69.9%64.7%
配当性向44.2%49.3%45.1%
予想配当利回り4.24%4.59%4.69%
秘書のリツ3社とも自己資本比率は6割を超えてるね。システナは営業利益率もROEも3社でいちばん高いけど、予想利回りは3社でいちばん低いんだ。

※3社とも2026年3月期の連結実績(日本基準)です。事業の構成は同じではないため、規模・収益性・財務の目安として並べています。予想配当利回りは2026年9月11日終値と各社の今期の予想配当(システナ18円・クレスコ80円・SRA HD 220円)で計算しました。クレスコの80円には上場30周年の記念配当10円が入っています。

出典:各社の2026年3月期決算短信。株価は2026年9月11日終値です。

🔔

直近の決算と注意点

2027年3月期第1四半期は増収・増益でした。

2026年4〜6月・前年同期との比較
売上高237.99億円/+5.5%
営業利益38.34億円/+9.0%
営業利益の進み具合通期予想の24.0%

2026年3月期は売上高が12.9%、営業利益が27.3%増えました。今期の会社予想は売上高980億円(3.8%増)、営業利益159億6,000万円(3.9%増)、純利益106億3,000万円(6.0%減)です。第1四半期は売上高5.5%増、営業利益9.0%増で、営業利益の進み具合は通期予想の24.0%でした。営業キャッシュフローは10年続けてプラスで、2026年3月末の現金等は298億円です。自己資本比率が2025年3月期に70.5%から62.7%へ下がったのは、自社株買いをした年で純資産が56億円減ったためです。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信2026年3月期有価証券報告書。

🗓

決算とIRの記録

2026年7月30日 2027年3月期 第1四半期
売上高237億9,900万円(前年同期比5.5%増)、営業利益38億3,400万円(9.0%増)。営業利益の進み具合は通期予想の24.0%です。機器販売とクラウド導入の事業はWindows 10の特需が一巡し、売上高1.5%増でした。この期から事業の区分を組み替え、オンラインソリューション事業を新しく分けています。通期予想と配当予想18円に変更はありません。
2026年5月13日 2026年3月期 本決算
売上高944億円(12.9%増)、営業利益153億6,700万円(27.3%増)。配当は中間6円・期末8円の年14円で、前期の12円から増配しました。今期は中間9円・期末9円の年18円を予想しています。新しい中期経営計画では、2029年3月期に売上高1,200億円・営業利益201億6,000万円を目標にしています。
2024年5月13日 自社株買いの決議
上限2,500万株・100億円の自社株買いを決め、2,500万株を79億6,200万円で取得しました。発行済株式数は2025年3月期に4億5,088万株から4億2,588万株になっています。
2021年6月 有価証券報告書(前の中期計画を1年延長)
2019年に作った中期5カ年計画(売上高1,010億円・営業利益152億円)の最終年度を、コロナによる減収を理由に2025年3月期へ1年延ばしました。2025年3月期の実績は売上高836億円・営業利益121億円で、目標に届いていません。営業利益は翌年の2026年3月期に153億円となりました。
2026年9月14日 このページについて
2026年3月期・2021年3月期・2009年10月期の有価証券報告書、2026年3月期決算短信と決算説明資料、2027年3月期第1四半期決算短信を読んでカルテを作りました。次の決算発表(第2四半期)は、例年どおりなら10月末です(2025年は10月30日に中間配当を決めています)。中間配当9円の基準日は9月30日です。
⚠ 注意事項
このページは自分の投資記録として情報をまとめたもので、売買の推奨を目的としたものではありません。将来の運用成果を保証するものでもありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

数字は2026年9月11日時点。主な出典はシステナの2026年3月期有価証券報告書(第44期)、2021年3月期有価証券報告書(第39期)、システムプロの2009年10月期有価証券報告書(第27期)、2026年3月期決算短信、2026年3月期決算説明資料、2027年3月期第1四半期決算短信、および各適時開示です。営業利益は各年の決算短信・有価証券報告書の連結損益計算書によります。過去の配当利回りは各年3月末の終値で計算しました。同業比較はクレスコとSRAホールディングスの2026年3月期の連結実績によります。
※2018年6月1日と2021年12月1日に、それぞれ1株を4株にする株式分割をしています。グラフの1株配当・1株利益・株価は今の株数にそろえた金額です。本文の2009年10月期と2021年3月期の配当は分割前の実額です。
※2017〜2026年3月期に記念配当・特別配当はありません(有価証券報告書と決算短信で確認)。
※表示金額は読みやすさのため億円単位に丸めています。
← 銘柄カルテ一覧へ戻る