保有銘柄カルテ

東計電算

証券コード 4746
情報・通信業東証スタンダード12月期決算10期連続増配
配当利回り(今期予想)6.59%
株価は2026年9月15日終値。業績は2025年12月期の連結実績です。予想利回りは2026年12月期の会社予想配当476円50銭で計算しています。この予想には、会社が持っている株を売った利益によるぶんが含まれます。
最終更新 2026年9月16日
株価7,230円
1株配当(今期予想)476円50銭
🐔 いま持っている分
保有株数25株
今期にもらえる配当(税引前・予想)11,913円
買った値段での利回り(今期)11.56%

年間配当は入金済み額ではなく、保有株数25株と今期予想配当476円50銭から求めた相当額です。当初予想どおりの173円で計算すると4,325円・利回り4.20%になります。差は、会社が持っていた株を売って配るぶんです。2026年10月1日に1株が4株に分かれるため、25株は100株になりますが、受け取る金額は変わりません。

🏢

どんな会社か

  • 企業の事務処理を請け負う会社。給与計算、会計、販売管理が中心で、個人向けの商品はありません。
  • 1970年に創業。いまは川崎に本社を置き、東証スタンダードに上場しています。
  • 親会社が52.31%を持つ。非上場の株式会社アップワードが筆頭株主で、同社の代表が東計電算の代表を兼ねています。
  • 売上の89.8%が情報処理。営業利益では92.5%を占め、この事業だけで営業利益率が31.0%あります。
事務処理のシステムをつくる→自社のデータセンターで動かす→毎月の運用料をもらう→一度入ると替えにくい
2025年12月期・セグメントごとの売上と営業利益
情報処理・ソフトウェア開発売上187.0億円・89.8%/利益58.0億円
機器販売売上17.8億円・8.5%/利益4.0億円
リース等その他売上3.5億円・1.7%/利益0.7億円
秘書のリツつくって売り切るのではなく、自社のデータセンターで動かし続けて毎月お金をもらう形なんだ。会社は決算短信に、伸びた理由を「システム運用業務が堅調に推移したこと」と書いているよ。この事業だけで営業利益率が31.0%あるんだ。
株主構成に特徴があります

非上場の株式会社アップワードが52.31%を持つ親会社で、同社の代表取締役が東計電算の代表取締役を兼ねています。市場は東証スタンダードで、2025年12月と2026年5月に立会外分売が行われ、株主構成が動いています。2026年10月1日には1株を4株に分ける株式分割があり、発行済株式数は1,870万株から7,480万株になります(目的は投資単位当たりの金額の引き下げ)。

出典:2025年12月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報・大株主の状況)と株式分割及び定款の一部変更に関するお知らせ。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類ディフェンシブ。ただし資産の中身は株式市場につながっている
秘書のリツ給与計算をやめる会社はないから、本業は景気が悪くても止まりにくいんだ。コロナの2020年12月期は営業利益が10.4%減ったけど、10年でただ1回の減益で、配当は55円から62円50銭へ増やしているよ。でも気をつけたいのは資産のほうなんだ。総資産632.4億円のうち486.9億円、77.0%が有価証券及び投資有価証券。本業の顔は堅い受託計算、資産の顔は株式ポートフォリオという二重構造だよ。相場が大きく崩れれば純資産は目減りするし、今回のような売却益による増配もできなくなるね。
2025年12月期末・資産の中身
有価証券及び投資有価証券486.9億円(総資産の77.0%)
うち含み益(税引前)249.1億円(取得原価237.9億円)
現金及び現金同等物28.3億円
総資産632.4億円

出典:2025年12月期有価証券報告書(金融商品関係・有価証券関係の注記、連結貸借対照表)。純資産505.2億円が前期末から101.9億円増えた主な理由を、会社は「その他有価証券評価差額金の増加及び利益剰余金の増加等」と説明しています。総資産は2026年6月末に727.9億円まで増えました。分類は管理シートに合わせています。

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強みと懸念点

⭐ 強み
  • 飛び抜けた利益率。システムを作って売り切るのではなく、自社のデータセンターで動かし続けて毎月の運用料を受け取ります。一度入ると替えにくい仕事なので、同じ独立系の同業2社の2倍近い利益率が出ています。
  • 10期連続の増配。給与計算や会計は、景気が悪くてもやめる会社がありません。コロナの年に減益になっても配当は増やし、10年で5倍近くになりました。
  • 実質無借金。毎月の運用料がきちんと入るので、本業のお金の出入りは10年ずっとプラスで、借金はありません。資産の8割近くが自前のお金です。
  • 手元の含み益。長く持ってきた株に大きな含み益があり、今期の大幅な増配は、その一部を売った利益を配るものです。
🔵 懸念点
  • 今期の配当の裏付け。今期の増配は、本業のもうけが増えたからではなく、持ち株を売った利益を配るためです。予想配当の6割以上がその分で、配当は利益のほぼ全部にあたります。上乗せは一度きりで、来期以降は本業の利益に見合う水準に戻る可能性があります。
  • 還元に数値目標がない。配当の方針は「安定的な配当を業績に応じて」とあるだけで、何%配るといった目安はありません。親会社が株の半分以上を持つ会社でもあり、配当の先行きは読みにくくなります。
  • 資産の8割近くが有価証券。資産の8割近くを株で持っています。本業は堅くても、相場が下がれば財産も自前のお金の割合も目減りし、今回のような売却益での増配もできなくなります。10期続いた増配を、相場が崩れた年にも続けられるか。
🔎

いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
○
売上は伸びているか
10年で126億円→208億円、約1.65倍。2016年の2.6%減のあとは9年連続の増収で、今期予想も5.0%増。
◎
営業利益率は高いか
30.1%。アルファシステムズ12.1%・アイティフォー16.7%の2倍近い。10年で19.3%から上がり続けている。
◎
1株利益(EPS)は伸びているか
10年で99.66円→299.87円、約3.01倍。下回ったのは2020年の1回だけ。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年ずっと黒字。2025年は64.0億円。
◎
配当は増えているか(減っていないか)
10期連続の増配。10年で35円→173円で約4.94倍。営業減益だった2020年も増やしている。
△
配当性向に無理はないか
57.7%。10年で35.1%から上がり続け、今期予想は株の売却益を含めて99.9%。還元方針に数値目標はない。
◎
自己資本比率は高いか
79.6%。10年ずっと79%超えで実質無借金。ただし総資産の77.0%は有価証券。
○
現金は増えているか
10年で11.4億円→28.3億円、約2.49倍。ただし上下が大きく、手元資金の多くは有価証券で持っている。
2026年9月チェック本業の稼ぐ力と財務は強い。今期の配当が一過性であること、来期にどの水準へ戻るかを確認する。
🪙

配当はどう増えたか

もとの水準の配当株の売却益による上積み
1株配当の10年推移と今期予想(分割調整後)
0100200300400500円16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年予
秘書のリツ2016年12月期の35円から2025年12月期の173円へ、10年で4.94倍。減った年は1回もないよ。いちばん右が今期の予想476円50銭。このうち173円は当初の予想どおりの水準で、上に乗っている斜線303円50銭が、株を売った利益で増えたぶんなんだ。純資産に対してどれだけ配ったかを示すDOEも、10年で3.4%から6.9%へ上がってきているよ。
2026年12月期の配当予想(分割前の金額)
もともとの予想(2026年5月7日)173円00銭
修正後(2026年8月3日)476円50銭
1株利益(予想・特別利益込み)477円20銭
1株利益(特別利益を除いた予想)306円16銭
配当性向(予想)99.9%
秘書のリツ今期はもうけのほぼ全額を配ることになるんだ。特別利益を除いた1株利益306円16銭で見ると、配当476円50銭はその1.56倍だよ。同じ日に発表された売上高・営業利益・経常利益の予想は、1円も動いていない。本業のもうけは変わっていないんだ。
最近の株式市場の活況により、当社が保有する投資有価証券の総資産に対する規模が増加してまいりました。当社は、資本効率の向上を図るため、その一部を売却し株主還元の充実を図る方針を決定しました
配当・配当性向の10年表(分割調整後)
12月期1株配当(円)配当性向(連結)
20163535.1%
20174036.3%
20184537.0%
20195539.4%
202062.546.0%
20218048.6%
20229549.6%
202311049.4%
202412549.7%
202517357.7%
2026予想476.599.9%

2024年1月1日に1株を2株に分ける株式分割がありました。上のグラフと表はその調整後の金額です。2026年10月1日の1株→4株の分割は、まだ調整していません(今期の予想配当は会社が示した「分割前換算」の金額)。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しています。

出典:2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)と投資有価証券売却に伴う特別利益・業績予想と配当予想の修正2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信。

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いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
02468%点線は10年平均 3.21%3.3816年2.4517年2.9018年3.1019年2.8820年3.2621年3.6822年3.1823年2.9824年4.2825年6.59今
秘書のリツ10年間、利回りは2.45〜4.28%の間を動いてきて、平均は3.21%だよ。いまの6.59%は今期予想の476円50銭で計算したもの。当初予想どおりの173円で計算すると2.39%で、これは10年でいちばん低い水準にあたるんだ。理由は株価だよ。2025年12月期末の4,040円から9月15日の7,230円へ、この9か月で79.0%上がっている。6.59%と2.39%は、同じ会社の同じ日の利回りなんだ。
予想PER15.2倍
PBR(本決算基準)2.58倍
過去の期末利回りを数字で見る
12月期12月末終値(調整後)期末利回り
20161,034.5円3.38%
20171,635円2.45%
20181,550円2.90%
20191,775円3.10%
20202,172.5円2.88%
20212,457.5円3.26%
20222,580円3.68%
20233,460円3.18%
20244,200円2.98%
20254,040円4.28%

出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年12月末の終値(2024年1月の株式分割の調整後)。各年の配当を12月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月15日終値7,230円、今期予想の配当476円50銭・1株利益477円20銭、2025年12月期の1株純資産2,802円01銭で計算しています。特別利益を除いた1株利益306円16銭で見ると、PERは23.6倍になります。

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業績と財務

売上高と営業利益率
売上高(億円)055110165220営業利益率(%)0816243219.319.319.421.218.322.325.825.928.430.116年17年18年19年20年21年22年23年24年25年
秘書のリツ目を引くのは売上より営業利益率のほうだよ。19.3%から30.1%まで、10年かけて上がり続けているんだ。下がったのは2020年12月期(18.3%)の1回だけ。コロナの年だね。2025年12月期に初めて30%を超えたよ。
1株利益(EPS・分割調整後)
0100200300400500円16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年予
秘書のリツ1株利益は10年で3.01倍。前の年を下回ったのは2020年12月期の1回だけだよ。いちばん右の今期予想477円20銭は大きく見えるけど、このうち171円ほどは持っていた株を売った特別利益なんだ。それを除いた予想は306円16銭だね。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
051015%赤の点線は一般的な目安 8%9.816年9.917年10.118年10.519年9.420年10.821年11.822年12.623年12.124年11.925年
秘書のリツROEは10年とも9.4〜12.6%で、目安の8%を上回っているよ。ただし自己資本が有価証券の値上がりで膨らむと、ROEは下がって見えるんだ。2023年12月期の12.6%をピークに、2025年は11.9%になっているね。
ROE11.9%
自己資本比率79.6%
営業CF10年黒字
現金及び現金同等物(期末)
010203040億円16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年
秘書のリツ現金そのものは28.3億円と、この規模の会社にしては多くないんだ。上下も大きいよ。手元の余裕は現金ではなく、486.9億円の有価証券のほうに置いてあるんだね。
業績・財務の10年表
12月期売上(億円)営業利益(億円)営業利益率EPS(円)ROE自己資本比率
201612624.3219.3%99.669.8%84.8%
201713425.7919.3%110.299.9%82.6%
201814928.9419.4%121.5010.1%82.1%
201915332.4121.2%139.6210.5%81.2%
202015829.0418.3%135.869.4%80.8%
202116837.4322.3%164.7110.8%81.9%
202217645.4125.8%191.3411.8%82.5%
202319650.6025.9%222.5412.6%81.5%
202419655.7628.4%251.6312.1%80.8%
202520862.7130.1%299.8711.9%79.6%
営業CFと期末の現金(億円)
12月期営業CF現金同等物
201618.7211.35
201723.1515.26
201828.4320.07
201918.6315.35
202025.2016.28
202149.1420.34
202244.7332.66
202350.4530.47
202437.3722.10
202564.0228.26

長期数値の出典:2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に丸めています。1株利益は2024年1月の株式分割を調整し、2026年10月の分割は調整していません。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。

⚖️

同じ仕事の会社と比べる

同じ独立系のシステム会社2社を並べました。決算期がそろっていない点にご注意ください。

直近の本決算東計電算
4746
アルファシステムズ
4719
アイティフォー
4743
決算期2025年12月期2026年3月期2026年3月期
売上高(億円)208.4407.2231.0
営業利益率30.1%12.1%16.7%
ROE11.9%8.3%13.4%
自己資本比率79.6%85.2%73.6%
配当性向57.7%50.5%76.7%
予想配当利回り6.59%4.27%4.84%
有利子負債実質ゼロゼロ2.4億円
秘書のリツ自己資本比率は3社とも73〜85%だよ。システム会社は借金をしないのが普通だから、79.6%は特別に高いわけじゃないんだ。飛び抜けているのは営業利益率30.1%のほうで、ほかの2社の2倍近くある。還元の決め方には差があるよ。アイティフォーは2026年2月に累進配当(配当を減らさない)を明文化して、配当性向50%・総還元性向70%以上という数字も出している。東計電算は「安定的な配当の継続を業績に応じて行う」とあるだけで、数値目標はないんだ。

出典:各社の直近の決算短信。予想配当利回りは3社とも2026年9月15日終値(7,230円・3,280円・1,654円)と各社の今期予想配当(476円50銭・140円・80円)で計算しました。アイティフォーのカルテはこちらにあります。

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直近の決算と注意点

2026年12月期の中間期は増収・増益でした。

2026年1〜6月・前年同期との比較
売上高108.0億円/+9.6%
営業利益33.3億円/+12.3%
親会社純利益29.2億円/+17.3%
自己資本比率79.6%(前期末と同じ)

本業は今期も伸びています。同じ2026年8月3日に、会社は3つを同時に発表しました。①保有する投資有価証券の一部を2026年8月〜12月に売却し、43億円の売却益を特別利益に計上する見込み。②通期の純利益予想を55.0億円から86.0億円へ引き上げ(売上・営業利益・経常利益は据え置き)。③期末配当を86円50銭から390円(分割前換算)へ引き上げ。あわせて2026年10月1日を効力発生日とする1株→4株の株式分割も決めています。

出典:2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信投資有価証券売却に伴う特別利益・業績予想と配当予想の修正株式分割及び定款の一部変更に関するお知らせ。

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決算とIRの記録

2026年8月3日 中間決算・株の売却・増配・株式分割
中間は増収9.6%、営業増益12.3%。投資有価証券の一部売却で43億円の特別利益を見込み、通期の純利益予想を55.0億円→86.0億円へ。期末配当は86円50銭→390円(分割前換算)。1株→4株の株式分割を10月1日付で実施。売上・営業利益・経常利益の予想は据え置き。
2026年5月7日 第1四半期決算と当初の通期予想
通期は売上218.8億円、営業利益68.3億円、純利益55.0億円、年間配当173円の予想でスタートした。
2026年5月14〜15日 立会外分売
2025年12月に続く2回目。株主構成が動いている。
2024年1月1日 1株→2株の株式分割
10年の配当とEPSはこの分割の調整後で並べている。
2020年12月期 10年でただ1回の減益
コロナの年に営業利益が10.4%減。それでも配当は55円から62円50銭へ増やした。

出典:2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信投資有価証券売却に伴う特別利益・業績予想と配当予想の修正株式分割及び定款の一部変更に関するお知らせ2025年12月期有価証券報告書。

⚠ 注意事項・数字の扱い
保有する会社の分析記録です。売買を勧めるものではなく、将来の利益・配当を保証しません。

業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に丸めています。配当と1株利益は2024年1月1日の株式分割(1株→2株)を調整し、2026年10月1日の1株→4株の分割は調整していません。

今期の予想配当476円50銭と予想1株利益477円20銭には、保有する投資有価証券を売って得る特別利益(見込み43億円)が含まれます。特別利益を除いた1株利益の予想は306円16銭です。
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