蔵王産業
最終更新 2026年9月24日
取得総額46,008円、表示取得単価は2,556円です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 業務用清掃機器の専門商社。工場やビルの床を洗う機械、乗って動かす大型の清掃機などを売っています。
- 1955年に東京で創業。計測機器の販売から始まり、2026年4月で創立70周年を迎えました。
- 海外で作らせて輸入。欧米や中国のメーカーに自社の仕様で作らせ、仕入の約7割が輸入品です。
- 洗浄機器が売上の4割強。残りは部品・修理・消耗品などの「その他」が3割台半ば、清掃機器が2割です。

品目別の数字をくわしく見る
| 品目 | 売上高 | 前期比 | 主な商品 |
|---|---|---|---|
| 洗浄機器 | 38.4億円 | 4.5%減 | 床洗浄機・高圧洗浄機・スチーム洗浄機・家庭用リンサー |
| その他 | 31.4億円 | 5.9%増 | 部品・修理、消耗品、電解水の生成機、家電など |
| 清掃機器 | 17.8億円 | 21.1%増 | 搭乗式の大型清掃機・真空掃除機・ロボット清掃機 |
この会社は清掃・洗浄機器の販売だけの1事業のため、事業別の利益は開示していません。輸入の支払いは米ドルが62.1%、ユーロが27.8%です。
出典:2026年3月期有価証券報告書。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2011年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(事業等のリスク)。
強みと懸念点
- 現場で見せて売る力。床洗浄機の良さは、カタログの数字より、実際に床がきれいになるのを見たほうが伝わります。お客さんの現場で機械を動かして見せる売り方なので、値段の安さだけで比べられにくく、利益を削らずに売れます。
- 売った後も続く売上。機械を一度入れてもらうと、部品の交換や修理、洗剤などの消耗品が、使い続けるかぎり必要になります。機械を売るほど、あとから続く注文の土台が広がる仕組みです。
- 借金のない厚い財務。作るのは海外のメーカーに任せているので、自前で大きな工場を持つ必要がありません。借金をせずに現金を積み上げてこられたのはそのためで、売上が落ちた年でも配当を払う余力があります。
- 金額で約束した配当。以前は利益に合わせて配当が上下していましたが、2023年に「1株100円」と金額で決める形に変え、創立75周年まで続けると約束しました。利益が多少ぶれても受け取る額が変わらないので、先の配当が読みやすくなっています。
- 利益ぎりぎりの配当。配当を金額で固定したぶん、利益が減ると、その分だけ配当が利益に食い込みます。家庭向けの特需が終わって利益が落ち、いまは稼いだ利益の大半が配当に出ていく状態です。リーマン・ショックの後には配当を減らした会社です。次に利益が落ちた年に100円を守りきれるか。
- 一巡した家庭向けの特需。2022〜23年に売上が一段上がったのは、家電大手のアイリスオーヤマ向けに家庭用リンサーがよく売れたためでした。その需要が落ち着いたうえ、同じ時期に人件費や展示会の費用も増えたため、利益率は特需の前より下がったままです。
- 円安と少ない仕入先。商品のほとんどを海外で作らせて輸入し、代金はドルとユーロで払います。円安になるとそのまま仕入値が上がり、値上げが追いつかなければ利益が削られます。輸入の多くを限られたメーカーに頼り、取引の条件を決めた契約書も結んでいないため、相手の都合で供給が変わる心配もあります。
出典:2026年3月期有価証券報告書2023年3月期有価証券報告書2011年3月期有価証券報告書配当予想の修正(創立70周年記念配当)。
いつも見ている8つの基準
配当はどう動いたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当 | うち特別・記念 | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017 | 55円 | ― | 45.2% |
| 2018 | 61円 | ― | 48.8% |
| 2019 | 61円 | ― | 51.7% |
| 2020 | 61円 | ― | 54.5% |
| 2021 | 53円 | ― | 39.7% |
| 2022 | 78円 | ― | 38.1% |
| 2023 | 109円 | 9円 | 59.2% |
| 2024 | 100円 | ― | 53.8% |
| 2025 | 100円 | ― | 88.1% |
| 2026 | 105円 | 5円 | 79.4% |
| 2027予想 | 100円 | ― | 72.3% |
2021年3月期の減配について、会社は「税務上の繰越欠損金で法人税の支払いが減るため配当性向を10%下げたが、実質的な配当額は従来の50%程度とほぼ同じ」と説明しています。2023年3月期は、純利益が10億円を超える見込みになったため、期末に特別配当9円を上乗せしました。配当性向は1株配当を1株利益で割った値で、2017〜2021年は連結の1株利益で計算しています(有報の単体の配当性向とは少しずれます)。株式分割・併合はありません。
出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書配当方針の変更及び期末配当予想の修正剰余金の配当に関するお知らせ(2023年4月)配当予想の修正(創立70周年記念配当)。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 3月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 1,460円 | 3.77% |
| 2018 | 1,727円 | 3.53% |
| 2019 | 1,321円 | 4.62% |
| 2020 | 1,362円 | 4.48% |
| 2021 | 1,419円 | 3.74% |
| 2022 | 1,930円 | 4.04% |
| 2023 | 2,253円 | 4.84% |
| 2024 | 2,554円 | 3.92% |
| 2025 | 2,395円 | 4.18% |
| 2026 | 2,701円 | 3.89% |
株価:東京証券取引所(各年3月の最終売買日の終値。IR BANK経由)。過去利回りは各期配当(特別・記念配当を含む)を3月末の終値で割った計算値です。
業績と財務の10年





業績と財務の10年表
| 3月期 | 売上高 | 営業利益率 | EPS | 営業CF | 現金等 | 自己資本比率 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 69.4億円 | 15.5% | 121.56円 | 9.3億円 | 49億円 | 84.9% | 7.0% |
| 2018 | 72.0億円 | 16.3% | 125.07円 | 8.2億円 | 54億円 | 85.7% | 7.0% |
| 2019 | 69.5億円 | 15.7% | 117.90円 | 8.4億円 | 58億円 | 86.7% | 6.4% |
| 2020 | 70.8億円 | 14.4% | 111.89円 | 8.7億円 | 61億円 | 86.1% | 5.9% |
| 2021 | 70.8億円 | 14.1% | 133.38円 | 8.0億円 | 67億円 | 86.3% | 6.6% |
| 2022 | 89.5億円 | 14.4% | 204.46円 | 12.9億円 | 75億円 | 85.5% | 9.6% |
| 2023 | 96.5億円 | 14.3% | 184.00円 | 1.8億円 | 72億円 | 87.1% | 8.2% |
| 2024 | 94.2億円 | 12.8% | 185.73円 | 11.9億円 | 67億円 | 86.5% | 7.8% |
| 2025 | 84.5億円 | 10.8% | 113.52円 | 5.1億円 | 68億円 | 87.3% | 4.8% |
| 2026 | 87.6億円 | 11.6% | 132.24円 | 11.3億円 | 69億円 | 85.9% | 5.5% |
2021年7月に子会社のエタニ産業を吸収合併したため、2021年3月期までは連結、2022年3月期からは単体の数字です。2021年3月期の単体の売上は68.2億円(連結は70.8億円)で、2022年の売上の伸びの大半は合併ではなく家庭用リンサーなどの販売増によるものです。洗浄機器の最大の販売先であるアイリスオーヤマへの売上は、2022年3月期22.0億円、2023年3月期23.2億円、2024年3月期18.9億円、2025年3月期11.8億円で、2026年3月期は売上の10%を下回りました。現金同等物には、満期の短い債券など(有価証券46.9億円)を含みます。
出典:2026年3月期有価証券報告書2025年3月期有価証券報告書2024年3月期有価証券報告書2023年3月期有価証券報告書2022年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書2019年3月期有価証券報告書2017年3月期有価証券報告書資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針。
同業と比べる
業務用の清掃機器を作って売る上場会社は少ないため、清掃機器も作るアマノ(主力は就業管理や駐車場のシステム)と、清掃用品のレンタルや清掃サービスのダスキンを並べました。3社とも3月期です。
| 2026年3月期 | 蔵王産業 9986 | アマノ 6436 | ダスキン 4665 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 87.6億円 | 1,765億円 | 1,946億円 |
| 営業利益率 | 11.6% | 12.8% | 4.5% |
| ROE | 5.5% | 14.7% | 5.9% |
| 自己資本比率 | 85.9% | 71.8% | 75.1% |
| 配当性向 | 79.4% | 62.8% | 60.4% |
| 予想利回り | 4.00% | 4.65% | 2.64% |

蔵王産業は単体、アマノとダスキンは連結の数字です。蔵王産業の配当性向には記念配当5円を含みます。予想利回りは2026年9月18日終値2,500円・3,871円・4,732円と、今期予想配当100円・180円・125円で計算しました。
出典:蔵王産業 2026年3月期決算短信アマノ 2026年3月期決算短信ダスキン 2026年3月期決算短信、東京証券取引所(2026年9月18日終値)。
最新決算を確かめる

今期の1株利益の予想138.33円に対し、配当は100円です。次は上半期の決算(11月)で、営業利益が計画の4.5億円に届くかと、売上が前年を上回るかを確かめます。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信。
決算とIRの記録
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信配当予想の修正(創立70周年記念配当)業績予想値と実績値との差異及び期末業績予想の修正資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針自己株式の取得結果剰余金の配当に関するお知らせ配当方針の変更2022年3月期有価証券報告書。
2023年3月期の配当109円には特別配当9円、2026年3月期の105円には創立70周年記念配当5円が入っています。10年の窓の外では、2016年3月期に創立60周年記念配当7円、2015年3月期に東証一部指定の記念配当4円があります。株式分割・併合はありません。2021年3月期までは連結、2022年3月期からは単体の数字です。配当性向は1株配当を1株利益で割った計算値です。
過去の利回りは、各期配当と3月末の終値から計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。