保有銘柄カルテ

蔵王産業

証券コード 9986
卸売業東証スタンダード業務用清掃機器
配当利回り(予想)4.00%
株価は2026年9月18日終値。業績は2026年3月期の実績(単体)です。予想利回りは2027年3月期の配当100円で計算しています。
最終更新 2026年9月24日
株価2,500円
1株配当(予想)100円
🐔 いま持っている分
保有株数18株
1年でもらえる配当(税引前・予想)1,800円
買った値段での利回り3.91%

取得総額46,008円、表示取得単価は2,556円です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。

🏢

どんな会社か

  • 業務用清掃機器の専門商社。工場やビルの床を洗う機械、乗って動かす大型の清掃機などを売っています。
  • 1955年に東京で創業。計測機器の販売から始まり、2026年4月で創立70周年を迎えました。
  • 海外で作らせて輸入。欧米や中国のメーカーに自社の仕様で作らせ、仕入の約7割が輸入品です。
  • 洗浄機器が売上の4割強。残りは部品・修理・消耗品などの「その他」が3割台半ば、清掃機器が2割です。
海外メーカーに自社仕様で作らせる→現場で実演して売る→部品・修理・消耗品でも稼ぐ
2026年3月期・品目別の売上の割合
売上洗浄機器 43.8%その他 35.8%■清掃機器 20.3%
秘書のリツお客さんは工場とビル管理の会社、それに家庭向けだよ。家庭向けは、自社で企画した高圧洗浄機や家庭用リンサー(布を洗う掃除機)を、ホームセンターやネットで売る会社に卸しているんだ。
品目別の数字をくわしく見る
品目売上高前期比主な商品
洗浄機器38.4億円4.5%減床洗浄機・高圧洗浄機・スチーム洗浄機・家庭用リンサー
その他31.4億円5.9%増部品・修理、消耗品、電解水の生成機、家電など
清掃機器17.8億円21.1%増搭乗式の大型清掃機・真空掃除機・ロボット清掃機

この会社は清掃・洗浄機器の販売だけの1事業のため、事業別の利益は開示していません。輸入の支払いは米ドルが62.1%、ユーロが27.8%です。

出典:2026年3月期有価証券報告書。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類景気敏感。工場やビル管理会社が機械を買い替えるかどうかで、売上が動く。
秘書のリツ不況の年は赤字にはならなかったけど、配当は減ったよ。リーマン・ショックのあと、2010年3月期は売上が2年で2割減って、利益は6割減った。配当も普通配当30円から18円に下げたんだ。

出典:2011年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(事業等のリスク)。

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強みと懸念点

⭐ 強み
  • 現場で見せて売る力。床洗浄機の良さは、カタログの数字より、実際に床がきれいになるのを見たほうが伝わります。お客さんの現場で機械を動かして見せる売り方なので、値段の安さだけで比べられにくく、利益を削らずに売れます。
  • 売った後も続く売上。機械を一度入れてもらうと、部品の交換や修理、洗剤などの消耗品が、使い続けるかぎり必要になります。機械を売るほど、あとから続く注文の土台が広がる仕組みです。
  • 借金のない厚い財務。作るのは海外のメーカーに任せているので、自前で大きな工場を持つ必要がありません。借金をせずに現金を積み上げてこられたのはそのためで、売上が落ちた年でも配当を払う余力があります。
  • 金額で約束した配当。以前は利益に合わせて配当が上下していましたが、2023年に「1株100円」と金額で決める形に変え、創立75周年まで続けると約束しました。利益が多少ぶれても受け取る額が変わらないので、先の配当が読みやすくなっています。
🔵 懸念点
  • 利益ぎりぎりの配当。配当を金額で固定したぶん、利益が減ると、その分だけ配当が利益に食い込みます。家庭向けの特需が終わって利益が落ち、いまは稼いだ利益の大半が配当に出ていく状態です。リーマン・ショックの後には配当を減らした会社です。次に利益が落ちた年に100円を守りきれるか。
  • 一巡した家庭向けの特需。2022〜23年に売上が一段上がったのは、家電大手のアイリスオーヤマ向けに家庭用リンサーがよく売れたためでした。その需要が落ち着いたうえ、同じ時期に人件費や展示会の費用も増えたため、利益率は特需の前より下がったままです。
  • 円安と少ない仕入先。商品のほとんどを海外で作らせて輸入し、代金はドルとユーロで払います。円安になるとそのまま仕入値が上がり、値上げが追いつかなければ利益が削られます。輸入の多くを限られたメーカーに頼り、取引の条件を決めた契約書も結んでいないため、相手の都合で供給が変わる心配もあります。

出典:2026年3月期有価証券報告書2023年3月期有価証券報告書2011年3月期有価証券報告書配当予想の修正(創立70周年記念配当)。

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いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
△
売上は伸びているか
87.6億円。10年で1.3倍。ただし家庭向けの特需が一巡し、2023年の96.5億円から2年続けて減った。今期予想は93.1億円。
○
営業利益率は高いか
11.6%。清掃機器メーカーのアマノは12.8%。自社の2017〜2019年の15〜16%台からは下がった。
△
1株利益(EPS)は伸びているか
132.24円。2022年の204.46円が山で、2025年に113.52円まで落ちた。10年前の121.56円とほぼ同じ水準。今期予想は138.33円。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年すべて黒字。いちばん少ない2023年でも1.8億円。
△
配当は増えているか(減っていないか)
普通配当は2021年に61円から53円へ1回減配。その後は78円、100円と上げて、100円で据え置き。
×
配当性向に無理はないか
79.4%(記念配当を除くと75.6%)。今期予想は72.3%。100円と金額で決めたため、利益が伸びないと高止まりする。
◎
自己資本比率は高いか
85.9%。10年ずっと85〜87%台。同業のアマノ71.8%、ダスキン75.1%より高い。
○
現金は増えているか
現金同等物は69億円。10年前の49億円からは増えたが、2022年の75億円からは減った。2023年に7.4億円の自社株買いをしている。
2026年9月チェック財務は厚いが、配当が利益に近すぎる。利益が100円の配当をどれだけ上回れるかを決算ごとに確かめる。
🪙

配当はどう動いたか

1株配当の10年推移と今期予想
0306090120円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
2023年の109円には特別配当9円、2026年の105円には創立70周年の記念配当5円が入っています(オレンジの斜線の部分)。普通配当は2023年から100円のままで、2024年の100円は減配ではありません。赤茶の棒は2021年の減配(61円→53円)です。
秘書のリツ2023年に「利益の4割」から「1株100円」に配当の決め方を変えたよ。それまでは利益に合わせて配当が上下していたんだ。2021年の減配は業績が落ちたからではなく、目安を利益の5割から4割に下げたため。100円は2026年3月に「創立75周年まで続ける」と延長されたね。
配当・配当性向の10年表
3月期1株配当うち特別・記念配当性向
201755円―45.2%
201861円―48.8%
201961円―51.7%
202061円―54.5%
202153円―39.7%
202278円―38.1%
2023109円9円59.2%
2024100円―53.8%
2025100円―88.1%
2026105円5円79.4%
2027予想100円―72.3%

2021年3月期の減配について、会社は「税務上の繰越欠損金で法人税の支払いが減るため配当性向を10%下げたが、実質的な配当額は従来の50%程度とほぼ同じ」と説明しています。2023年3月期は、純利益が10億円を超える見込みになったため、期末に特別配当9円を上乗せしました。配当性向は1株配当を1株利益で割った値で、2017〜2021年は連結の1株利益で計算しています(有報の単体の配当性向とは少しずれます)。株式分割・併合はありません。

出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書配当方針の変更及び期末配当予想の修正剰余金の配当に関するお知らせ(2023年4月)配当予想の修正(創立70周年記念配当)。

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いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
0246%点線は10年平均 4.10%3.7717年3.5318年4.6219年4.4820年3.7421年4.0422年4.8423年3.9224年4.1825年3.8926年4.00今
秘書のリツいまの予想利回り4.00%は、10年平均4.10%とほぼ同じだよ。過去10年の各3月末では3.53〜4.84%。株価は10年で1.7倍になったけど、配当も同じくらい増えたから、利回りはあまり動いていないね。
予想PER18.1倍
PBR(本決算基準)1.04倍
過去の期末利回りを数字で見る
3月期3月末終値期末利回り
20171,460円3.77%
20181,727円3.53%
20191,321円4.62%
20201,362円4.48%
20211,419円3.74%
20221,930円4.04%
20232,253円4.84%
20242,554円3.92%
20252,395円4.18%
20262,701円3.89%

株価:東京証券取引所(各年3月の最終売買日の終値。IR BANK経由)。過去利回りは各期配当(特別・記念配当を含む)を3月末の終値で割った計算値です。

📈

業績と財務の10年

売上高と営業利益率
売上高(億円)020406080100営業利益率(%)0510152015.516.315.714.414.114.414.312.810.811.617年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ2022〜23年に売上が一段上がって、そこから少し戻ったよ。家庭用リンサーなど、家庭向けの洗浄機器が伸びた時期なんだ。営業利益率はもともと15%前後あったけど、人件費や展示会の費用が増えて、いまは11%台だね。
1株利益(EPS)
050100150200250円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ1株利益は2022年の204円が山で、2025年は113円まで下がったよ。家庭向けの特需が一巡して、同じ年に人件費も増えた。2026年は132円に戻ったけど、配当100円との差は小さいね。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
04812%赤の点線は一般的な目安 8%7.017年7.018年6.419年5.920年6.621年9.622年8.223年7.824年4.825年5.526年
秘書のリツROEが目安の8%を超えたのは、特需の2022〜23年だけだよ。お金をたくさん持っているぶん、ROEは上がりにくいんだ。会社は2024年にROE10%以上とPBR1倍以上を目標に掲げたけど、2026年は5.5%だね。
ROE5.5%
自己資本比率85.9%
営業CF10年連続黒字
秘書のリツ営業CFは10年すべて黒字だよ。2026年は11.3億円で、配当の支払い5.4億円をまかなえている。2023年だけ1.8億円と少なかったのは、在庫と売掛金が増えたからだね。
現金及び現金同等物(期末)
020406080億円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ現金同等物は10年で49億円から69億円に増えたよ。2022年の75億円が最高で、2023年の自社株買いと、その後の債券などへの投資で少し減った。それでも1年分の売上の8割近くあるね。
業績と財務の10年表
3月期売上高営業利益率EPS営業CF現金等自己資本比率ROE
201769.4億円15.5%121.56円9.3億円49億円84.9%7.0%
201872.0億円16.3%125.07円8.2億円54億円85.7%7.0%
201969.5億円15.7%117.90円8.4億円58億円86.7%6.4%
202070.8億円14.4%111.89円8.7億円61億円86.1%5.9%
202170.8億円14.1%133.38円8.0億円67億円86.3%6.6%
202289.5億円14.4%204.46円12.9億円75億円85.5%9.6%
202396.5億円14.3%184.00円1.8億円72億円87.1%8.2%
202494.2億円12.8%185.73円11.9億円67億円86.5%7.8%
202584.5億円10.8%113.52円5.1億円68億円87.3%4.8%
202687.6億円11.6%132.24円11.3億円69億円85.9%5.5%

2021年7月に子会社のエタニ産業を吸収合併したため、2021年3月期までは連結、2022年3月期からは単体の数字です。2021年3月期の単体の売上は68.2億円(連結は70.8億円)で、2022年の売上の伸びの大半は合併ではなく家庭用リンサーなどの販売増によるものです。洗浄機器の最大の販売先であるアイリスオーヤマへの売上は、2022年3月期22.0億円、2023年3月期23.2億円、2024年3月期18.9億円、2025年3月期11.8億円で、2026年3月期は売上の10%を下回りました。現金同等物には、満期の短い債券など(有価証券46.9億円)を含みます。

出典:2026年3月期有価証券報告書2025年3月期有価証券報告書2024年3月期有価証券報告書2023年3月期有価証券報告書2022年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書2019年3月期有価証券報告書2017年3月期有価証券報告書資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針。

🤝

同業と比べる

業務用の清掃機器を作って売る上場会社は少ないため、清掃機器も作るアマノ(主力は就業管理や駐車場のシステム)と、清掃用品のレンタルや清掃サービスのダスキンを並べました。3社とも3月期です。

2026年3月期蔵王産業
9986
アマノ
6436
ダスキン
4665
売上高87.6億円1,765億円1,946億円
営業利益率11.6%12.8%4.5%
ROE5.5%14.7%5.9%
自己資本比率85.9%71.8%75.1%
配当性向79.4%62.8%60.4%
予想利回り4.00%4.65%2.64%
秘書のリツ3社とも自己資本比率が7割を超えていて、利益の6割以上を配当に回す会社だよ。蔵王産業は規模がずっと小さいけど、利益率はアマノに近い。ただ、自己資本比率がいちばん高いぶん、ROEは低めだね。

蔵王産業は単体、アマノとダスキンは連結の数字です。蔵王産業の配当性向には記念配当5円を含みます。予想利回りは2026年9月18日終値2,500円・3,871円・4,732円と、今期予想配当100円・180円・125円で計算しました。

出典:蔵王産業 2026年3月期決算短信アマノ 2026年3月期決算短信ダスキン 2026年3月期決算短信、東京証券取引所(2026年9月18日終値)。

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最新決算を確かめる

売上高19.7億円
営業利益1.65億円
純利益1.25億円
2027年3月期・第1四半期(4〜6月)
売上高19.7億円(前年同期比1.9%減)
営業利益1.65億円(同7.8%減)
純利益1.25億円(同3.1%増)
通期予想売上93.1億円・営業利益11.2億円(据え置き)
年間配当(予想)100円(中間50円)
秘書のリツ出だしは減収減益で、営業利益は通期予想の14.8%だよ。会社は今期、売上6.3%増・営業利益9.9%増を見込んでいて、上半期だけで営業利益4.5億円の計画なんだ。4〜6月の1.65億円からだと、7〜9月で3億円近く稼ぐ必要があるね。

今期の1株利益の予想138.33円に対し、配当は100円です。次は上半期の決算(11月)で、営業利益が計画の4.5億円に届くかと、売上が前年を上回るかを確かめます。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信。

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決算とIRの記録

2026年8月10日 2027年3月期第1四半期決算
売上1.9%減、営業利益7.8%減、純利益3.1%増。通期予想と年間配当100円は据え置き。
2026年5月13日 2026年3月期本決算
売上3.6%増、営業利益11.5%増、純利益16.6%増。年間配当105円(うち記念配当5円)。今期は売上93.1億円・営業利益11.2億円・配当100円の予想。
2026年3月9日 創立70周年記念配当
期末に記念配当5円を上乗せし、年105円に。1株100円の安定配当を、創立75周年まで続ける方針を示した。
2024年11月11日 2025年3月期の業績予想の下方修正
家庭用リンサーの需要が一巡し、人件費や大規模展示会の費用も増えたため、通期の営業利益予想を13.0億円から9.6億円に引き下げ。
2024年6月27日 資本コストや株価を意識した経営
PBR1倍以上・ROE10%以上を中長期の目標に。2026年3月期までは年100円以上の安定配当を行うと明記。
2023年6月29日 自己株式の取得
313,600株(発行済の5.0%)を7.36億円で取得。
2023年4月28日 特別配当
純利益が10億円を超える見込みとなったため、期末に特別配当9円を上乗せし、年109円に。
2023年3月14日 配当方針の変更
配当性向40%程度の目標から、1株あたり年100円の安定配当に変更。業績が予想を上回れば特別配当も検討するとした。
2021年7月 子会社の吸収合併
ホテル客室用品や水質浄化剤を扱う子会社エタニ産業を吸収合併。2022年3月期から単体の決算に。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信配当予想の修正(創立70周年記念配当)業績予想値と実績値との差異及び期末業績予想の修正資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針自己株式の取得結果剰余金の配当に関するお知らせ配当方針の変更2022年3月期有価証券報告書。

⚠ 注意事項・数字の扱い
保有する会社の投資記録です。売買を勧めるものではなく、将来の利益・配当も保証しません。

2023年3月期の配当109円には特別配当9円、2026年3月期の105円には創立70周年記念配当5円が入っています。10年の窓の外では、2016年3月期に創立60周年記念配当7円、2015年3月期に東証一部指定の記念配当4円があります。株式分割・併合はありません。2021年3月期までは連結、2022年3月期からは単体の数字です。配当性向は1株配当を1株利益で割った計算値です。

過去の利回りは、各期配当と3月末の終値から計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。
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