東テク
どんな会社か
- 空調と計装の専門商社。子会社15社、従業員2,855人。業務用エアコンを売り、建物の空調を自動で制御する工事まで手がけます
- 1955年に設立。冷暖房機器を売る東京機工として始まり、1986年にいまの社名になりました。1960年からダイキン工業の販売代理店です
- 都市部の再開発とデータセンター。2026年3月期は、この2つの分野で建設の投資が続きました
- 事業は2つ。売上高の55%が機器を売る商品販売、45%が工事です

計装とは何か、仕入先はどこか
計装とは、センサーや制御機器をつないで、空調や照明を自動で動かす仕組みのことです。仕入れる機器の柱はダイキン工業の業務用エアコンと、アズビルの自動制御機器。海外ではシンガポールの子会社を中心に、東南アジアで計装と電気設備の工事をしています。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報・事業等のリスク)。セグメントの金額はセグメント間の取引を含みます。ほかに太陽光発電の売電(その他)が売上高3,300万円あります。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2009年3月期・2011年3月期の有価証券報告書と2026年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・事業等のリスク)。会社は、民間の設備投資や公共投資が想定以上に落ち込むと業績に響くとリスクに書いています。昔の配当は当時の実額で、10年グラフには含めていません。分類は管理シートに合わせています。
強みと懸念点
- 14期連続増配。配当を14期続けて増やしてきました。来期からは株主のお金の6%を下限に、配当を減らさない方針に変えました。株主のお金は利益ほど上下しないので、利益が落ちる年でも配当は下がりにくくなります。
- 再開発とデータセンター。都市部の再開発とデータセンターの建設が続き、空調機器と制御工事の注文が増えています。注文の残りは1年で4割増え、先の売上が積み上がっています。
- 利益率の高い計装工事。センサーや制御機器をつないで空調を自動で動かす工事は、技術が要るぶん、機器を売るより利益率が高い仕事です。売上の半分弱で、利益の半分以上を稼ぎます。
- 厚くなった財務。自前のお金の割合は10年で2倍になり、空調設備の同業2社より守りが固い。
- 建設投資の波。空調機器も制御工事も、ビルや工場が建つときの仕事です。リーマン・ショックのあとは利益が大きく落ち、増配が止まりました。建設投資が冷え込んだとき、配当を減らさない約束を守り続けられるか。
- ダイキンへの仕入の偏り。仕入の4分の1近くがダイキン工業からです。関係が変われば業績に響くと、会社もリスクに挙げています。
- 人手と工事の進み具合。工事の大型化で売上の計上が後ろにずれ、人を増やした費用も重なって、今期の出だしは減益でした。
2026年3月期の仕入の23.4%がダイキン工業からです(商社経由を含む)。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

配当・配当性向の10年表(分割調整後)
| 3月期 | 普通配当(円) | 記念込み(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017 | 14 | 14 | 20.4% |
| 2018 | 15.6 | 17.3 | 22.7% |
| 2019 | 22.3 | 22.3 | 22.6% |
| 2020 | 26.7 | 26.7 | 22.9% |
| 2021 | 28 | 28 | 23.9% |
| 2022 | 46.3 | 46.3 | 40.2% |
| 2023 | 54 | 54 | 42.4% |
| 2024 | 68.3 | 68.3 | 40.1% |
| 2025 | 116 | 116 | 42.6% |
| 2026 | 128 | 128 | 40.1% |
| 2027予想 | 128 | 128 | 38.3% |
第二次中期経営計画期間においては、持続的な株主還元の実現を念頭に、配当指標はDOE6%を下限とする累進配当に変更し、利益変動に左右されない安定的な配当を実施してまいります。
2026年3月期の有価証券報告書の配当政策です。それまでの目安は「連結配当性向40%」でした。2026年5月に方針を変え、2027年3月期から適用しています。2026年3月期の配当は、期初の予想104円から128円に引き上げました。今期の予想128円は据え置きで、配当性向は38.3%の見込みです。2026年2月には自己株式18万株を7億7,940万円で取得しています。 株式分割は2024年4月に1株→3株。グラフと表は現在の株数に換算しています。配当性向は記念込みの1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。

出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)配当方針の変更第二次中期経営計画。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 期末利回り |
|---|---|
| 2017 | 2.42% |
| 2018 | 2.15% |
| 2019 | 2.98% |
| 2020 | 4.27% |
| 2021 | 2.90% |
| 2022 | 6.09% |
| 2023 | 3.70% |
| 2024 | 2.12% |
| 2025 | 4.76% |
| 2026 | 3.52% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と、株式分割を調整した各年3月末の終値。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月11日終値4,110円、会社予想配当128円と2026年3月期の実績から計算しています。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 860 | 37.9 | 4.4% | 68.67 | 13.6% | 32.2% |
| 2018 | 926 | 44.8 | 4.8% | 76.24 | 13.1% | 34.0% |
| 2019 | 1,037 | 54.4 | 5.2% | 98.57 | 14.9% | 34.8% |
| 2020 | 1,171 | 64.6 | 5.5% | 116.48 | 15.6% | 40.3% |
| 2021 | 1,097 | 61.8 | 5.6% | 117.10 | 13.5% | 47.4% |
| 2022 | 1,101 | 63.0 | 5.7% | 115.27 | 11.8% | 49.2% |
| 2023 | 1,267 | 77.3 | 6.1% | 127.43 | 12.0% | 49.4% |
| 2024 | 1,407 | 99.1 | 7.0% | 170.36 | 14.2% | 53.2% |
| 2025 | 1,560 | 146.9 | 9.4% | 272.06 | 19.5% | 58.2% |
| 2026 | 1,700 | 171.3 | 10.1% | 319.18 | 19.5% | 64.0% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | -7.8 | 70.5 |
| 2018 | 37.7 | 73.0 |
| 2019 | 20.1 | 55.0 |
| 2020 | 79.7 | 57.0 |
| 2021 | 52.4 | 48.8 |
| 2022 | 110.1 | 76.6 |
| 2023 | 47.6 | 49.4 |
| 2024 | 99.4 | 85.2 |
| 2025 | 138.8 | 130.5 |
| 2026 | 95.9 | 92.1 |
長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。EPSは2024年4月の1株→3株の分割を調整し、2023年3月期までの金額を3で割って現在の株数にそろえました。
同じ仕事の会社と比べる
空調設備の工事会社である高砂熱学工業と、電設資材・空調部材の商社である因幡電機産業を並べました。
| 空調設備 3社 | 東テク | 高砂熱学工業 | 因幡電機産業 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,700億円 | 4,239億円 | 4,170億円 |
| 営業利益率 | 10.1% | 11.3% | 7.1% |
| ROE | 19.5% | 19.2% | 12.7% |
| 自己資本比率 | 64.0% | 55.0% | 62.9% |
| 配当性向 | 40.1% | 40.2% | 40.8% |
| 予想配当利回り | 3.11% | 2.80% | 2.78% |

※3社とも2026年3月期の連結実績(日本基準)です。高砂熱学工業は空調設備の工事会社、因幡電機産業は電設資材と空調部材の商社です。予想配当利回りは2026年9月11日終値と、各社の2027年3月期の予想配当(東テク128円・高砂熱学工業123円・因幡電機産業85円)で計算しました。因幡電機産業の配当性向には特別配当15円が含まれます。
出典:各社の2026年3月期決算短信。株価は2026年9月11日終値です。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は増収・減益でした。
減益の理由は、計装工事の大型化・長期化で売上の計上が翌四半期以降にずれたことと、新卒採用の拡大やベースアップによる販管費の増加です。受注高は874億円(+54.1%)で、シンガポール子会社の約100億円の大型案件を含みます。通期の会社予想は売上高1,800億円、営業利益180億円、純利益137億円(+4.3%)で、配当予想128円とあわせて変更はありません。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期有価証券報告書第二次中期経営計画。第二次中期経営計画(2027年3月期〜2031年3月期)の目標は、売上高2,200億円・経常利益220億円・ROE12〜15%で、5年間の株主還元は約260億円を見込んでいます。
決算とIRの記録
数字は2026年9月11日時点。主な出典は東テクの2026年3月期有価証券報告書(第71期)、2021年3月期有価証券報告書(第66期)、2017年3月期有価証券報告書(第62期)、2009年3月期・2011年3月期の有価証券報告書、2026年3月期決算短信・決算補足資料、2027年3月期第1四半期決算短信・決算補足資料、第二次中期経営計画、および各適時開示です。営業利益は各年の有価証券報告書の連結損益計算書によります。株価と過去の配当利回りは株探の月足データで計算しました。同業比較は高砂熱学工業・因幡電機産業の2026年3月期決算短信と2027年3月期第1四半期決算短信によります(高砂熱学工業は2026年6月12日の訂正後)。
※2024年4月1日に1株を3株にする株式分割をしています。このページの1株配当とEPSは、すべて分割後に直した金額です。
※2008年2月1日にも1株を2株にする株式分割をしています。2009年3月期と2008〜2012年3月期の13円は、2008年の分割後・2024年の分割前の実額です。
※2018年3月期の配当52円(分割前)には東証一部指定記念配当5円が含まれます。2017〜2026年3月期で記念配当・特別配当があったのはこの1回だけです(有価証券報告書の注記で確認)。
※表示金額は読みやすさのため億円単位に丸めています。