学究社
どんな会社か
- 首都圏の進学塾。「ena」の名前で、中学・高校・大学の受験指導をしています。校舎は東京都に集中しています
- 1972年に国立学院として創立。1976年に株式会社学究社を設立し、1985年に株式を店頭公開しました
- 都立の中高一貫校と難関高。都立の受験対策に早くから力を入れ、2024年度からは私立の受験対策も広げています
- 売上の7割強が小中学生部門。ほかに個別指導、看護・美術などの大学受験、海外の日本人向け校舎、不動産の賃貸があります

合格実績と合宿場のことをくわしく見る
2026年3月期の合格者は、都立中高一貫校11校で1,097名、都立の進学指導重点校7校で377名でした。会社は重点校の合格者数を全塾で1位としています。山梨県の清里と静岡県の富士山のふもとに自社の合宿場を持ち、2025年度の夏は22泊23日、冬は13泊14日の長期合宿を開きました。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・事業等のリスク)と各四半期の決算短信。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2011年・2012年・2016年3月期などの有価証券報告書と2026年3月期有価証券報告書。10年より前の減配は2011年3月期の1回で、純利益が2.94億円から1.71億円に減った年でした。昔の配当は当時の実額で、10年グラフには含めていません。分類は管理シートに合わせています。
強みと懸念点
- 都立受験の合格実績。都立の中高一貫校の受験対策に早くから力を入れ、多くの合格者を出してきました。合格実績が次の生徒を呼ぶ循環で、会社は重点校の合格者数を全塾で1位としています。
- 塾業界で高い利益率。校舎を東京に集め、夏と冬の講習や自社の合宿で稼ぎます。前の期は校舎の統廃合で費用も減らし、利益率は首都圏の同業、早稲田アカデミーの2倍の水準です。
- 厚くなった財務。自前のお金の割合はこの5年で大きく上がり、本業のお金の出入りは20期続けてプラスです。
- 10年減配なし。子どもの受験の費用は景気が悪くても削られにくく、リーマン・ショックの年もコロナの年も増配しました。この10年、一度も配当を減らしていません。
- 配当性向70%への引き上げ。過去に、利益の8割以上を配った翌年に減配したことがあります。利益が伸びなかったとき、70%の配当を続けられるか。
- 都立を目指す生徒の減少。国が私立高校の授業料の支援を広げたことで、強みの都立を目指す生徒が減っています。売上は前の期から減り始めました。
- 届かなかった中期経営計画。2022年に立てた売上目標には大きく届きませんでした。今期の増収予想も、千葉・埼玉への出店と私立対策がうまくいくかしだいです。
2010年3月期に配当性向が81.0%(単体)まで上がり、翌期に1株配当を40円から30円へ減らしました。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円) | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017 | 60 | 65.7% |
| 2018 | 60 | 65.9% |
| 2019 | 60 | 78.4% |
| 2020 | 60 | 71.3% |
| 2021 | 65 | 64.6% |
| 2022 | 75 | 54.5% |
| 2023 | 87 | 50.7% |
| 2024 | 87 | 51.8% |
| 2025 | 90 | 52.5% |
| 2026 | 103 | 60.6% |
| 2027予想 | 127 | 63.1% |
業績に対応した成果の配分を行うことを基本方針としております。
2026年3月期の有価証券報告書の配当政策です。配当性向やDOEの数値目標は、有価証券報告書には書かれていません。数字は2025年3月の中期経営計画にあり、配当性向を2026年3月期56.3%、2027年3月期63.1%、2028年3月期70.1%へ引き上げる計画です。2028年3月期の配当は166円を計画しています。株主優待(1年以上・100株以上でQUOカード1,000円分)も2025年3月期に再開しました。 配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。株式分割は2015年以降ありません。

出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)2025年3月の中期経営計画。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 期末利回り |
|---|---|
| 2017 | 3.92% |
| 2018 | 3.52% |
| 2019 | 4.62% |
| 2020 | 5.19% |
| 2021 | 4.88% |
| 2022 | 4.84% |
| 2023 | 4.39% |
| 2024 | 4.08% |
| 2025 | 4.14% |
| 2026 | 4.39% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年3月末の終値。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月11日終値2,530円、会社予想配当127円・EPS201.20円、2026年3月末のBPS751.90円から計算しています。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 99 | 14.9 | 15.1% | 91.31 | 36.2% | 53.9% |
| 2018 | 103 | 15.8 | 15.3% | 91.00 | 32.2% | 53.6% |
| 2019 | 106 | 12.9 | 12.2% | 76.54 | 23.1% | 50.8% |
| 2020 | 109 | 14.9 | 13.6% | 84.10 | 23.6% | 46.0% |
| 2021 | 113 | 18.6 | 16.5% | 100.57 | 27.3% | 42.8% |
| 2022 | 124 | 23.3 | 18.8% | 137.70 | 33.2% | 49.9% |
| 2023 | 130 | 27.6 | 21.3% | 171.54 | 35.1% | 54.2% |
| 2024 | 132 | 27.0 | 20.4% | 167.98 | 29.8% | 59.5% |
| 2025 | 133 | 26.2 | 19.7% | 171.40 | 27.0% | 60.3% |
| 2026 | 131 | 29.0 | 22.2% | 170.09 | 23.8% | 65.0% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 14.78 | 5.88 |
| 2018 | 14.33 | 11.63 |
| 2019 | 12.81 | 13.47 |
| 2020 | 13.33 | 11.09 |
| 2021 | 19.06 | 19.82 |
| 2022 | 19.29 | 19.88 |
| 2023 | 26.06 | 19.29 |
| 2024 | 21.99 | 22.51 |
| 2025 | 22.46 | 31.43 |
| 2026 | 24.49 | 34.18 |
長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。売上・営業利益は読みやすさのため億円に丸めています。
同じ仕事の会社と比べる
首都圏の進学塾である早稲田アカデミーと、神奈川県の進学塾であるステップを並べました。
| 学習塾 3社 | 学究社 | 早稲田アカデミー | ステップ |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 131億円 | 377億円 | 158億円 |
| 営業利益率 | 22.2% | 10.5% | 23.9% |
| ROE | 23.8% | 15.7% | 10.0% |
| 自己資本比率 | 65.0% | 63.2% | 89.7% |
| 配当性向 | 60.6% | 40.9% | 49.9% |
| 予想配当利回り | 5.02% | 3.06% | 3.90% |

※学究社と早稲田アカデミーは2026年3月期の連結実績、ステップは2025年9月期の単体実績です(いずれも日本基準)。早稲田アカデミーは首都圏の進学塾、ステップは神奈川県の進学塾です。予想配当利回りは2026年9月11日終値と各社の今期の予想配当(学究社127円・早稲田アカデミー75円・ステップ88円)で計算しました。
出典:学究社と早稲田アカデミーの2026年3月期決算短信、ステップの2025年9月期決算短信。株価は2026年9月11日終値です。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は減収で、営業損失でした。
第1四半期はもともと利益がほとんど出ない時期です。会社は減収の理由を、国による私立高校授業料の支援拡充もあって、都立中・都立高を目指す生徒が減ったためと説明しています。清里合宿場に6号館を開き、富士山合宿場3号館の宿泊能力も増やしました。通期予想と配当予想127円に変更はありません。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期有価証券報告書2025年3月の中期経営計画。中期経営計画では2028年3月期に売上高159.36億円・営業利益38.06億円を目標に置き、千葉県と埼玉県に合計50校を開く計画です。
決算とIRの記録
数字は2026年9月11日時点。主な出典は学究社の2026年3月期有価証券報告書(第51期)、2024年・2023年・2021年・2019年・2017年・2016年・2012年・2011年3月期の有価証券報告書、2026年3月期決算短信、2027年3月期第1四半期決算短信、中期経営計画(2022年2月9日・2025年3月13日)、株主優待制度の再開に関するお知らせ、および各適時開示です。営業利益は各年の有価証券報告書の連結損益計算書によります。過去の配当利回りは各年3月末の終値で計算しました。同業比較は早稲田アカデミーの2026年3月期決算短信、ステップの2025年9月期決算短信と2026年9月期第3四半期決算短信によります。
※2015年4月1日に1株を2株にする株式分割をしています。2009年3月期・2011年3月期の配当は分割前の実額です。
※2015年3月期の配当100円(分割前)には記念配当20円、2016年3月期の配当60円には東証一部指定記念配当5円が含まれます。2017〜2026年3月期に記念配当・特別配当はありません(有価証券報告書で確認)。
※表示金額は読みやすさのため億円単位に丸めています。