保有銘柄カルテ

電源開発(J-POWER)

証券コード 9513
電気・ガス業(発電・送電)東証プライム2007年以降の20期は減配なし
配当利回り(予想)2.50%
株価は2026年9月14日終値。業績は2026年3月期の連結実績です。予想利回りは2027年3月期の配当105円で計算しています。
最終更新 2026年9月16日
株価4,199円
1株配当(予想)105円
🐔 いま持っている分
保有株数30株
1年でもらえる配当(税引前・予想)3,150円
買った値段での利回り4.29%

取得総額73,368円。表示取得単価は2,446円(丸め値)です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。

🏢

どんな会社か

  • 水力と石炭火力の発電会社。全国に水力61か所、石炭などの汽力7か所の発電所を持ち、通称はJ-POWERです。
  • 1952年設立。電源開発促進法にもとづく政府出資の会社として始まり、2004年に東証一部へ上場して民営化しました。
  • 電気を卸し、送電網も持つ。売上の大半は、旧一般電気事業者(大手電力会社)への電気の販売です。
  • 発電事業が売上の71%。2026年3月期は発電事業が8,404億円、海外事業が2,279億円でした。
水力・火力・風力で発電→大手電力会社などへ販売→子会社の送電網で託送収入
2026年3月期・セグメント別
発電事業売上71.1%・利益28.5%
海外事業売上19.3%・利益59.5%
送変電・電力周辺関連・その他売上9.7%・利益12.1%
最大出力(水力/汽力/海外)859万/791万/535万kW
海外と大間原子力について

海外ではタイや米国などで発電所を運営し、利益の面では国内と並ぶ柱になっています。青森県では大間原子力発電所を建設中です。工事の再開・終了の時期は「しかるべき時期に公表」とされ、まだ決まっていません。

出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・設備の状況・事業等のリスク・セグメント情報)。セグメントの売上は外部顧客への売上高、利益は調整前のセグメント利益(経常利益ベース)の合計に対する割合です。海外事業の利益には、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益が含まれます。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類ディフェンシブ。電気を売る発電会社。ただし1株利益は年ごとに大きく動く
秘書のリツリーマン・ショックの2009年3月期も、東日本大震災をはさむ2011・2012年3月期も、配当は70円のままだったよ。利益を動かすのは景気じゃなくて、燃料や電力の価格、水の量、発電所の停止や特別損失なんだ。2026年3月期は水力の出水率の低下と修繕費の増加が効いたね。

2011年3月期有価証券報告書2016年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。。2009年3月期の純利益は33.6%減の194.57億円でした。昔の配当は当時の実額です。

📝

強みと懸念点

⭐ 強み
  • 20期続く減配なし。電気は景気が悪くても使われ続けます。リーマン・ショックの年も震災をはさむ年も配当を守り、20年間、前の年より減らしたことがありません。今の中期経営計画では、1株100円を下限にしています。
  • 全国の水力発電所。水力は燃料がいらず、一度造れば長く発電を続けられ、CO2も出しません。全国に水力発電所を持ち、脱炭素の流れのなかで求められる電源です。
  • 育った海外事業。前の期は、利益の半分以上を海外事業で稼ぎました。米国の火力発電所の持ち分を売った利益も含みます。
  • 厚みを増した財務。自前のお金の割合は10年で上がり、手元の現金も倍に増えました。
🔵 懸念点
  • 下限100円の期限。配当の下限は、今の中期経営計画の3年間の方針です。次の計画でも、下限を置く形は続くか。
  • 石炭火力への規制。石炭は発電のときにCO2を多く出すため、規制が強まる方向にあります。石炭火力の発電所を多く持ち、2026年度から排出量取引への参加が義務になって、発電の費用や設備投資への影響を会社も挙げています。
  • 大型投資の損失。前の期は、大間原子力の機器の除却や豪州の再エネ事業の損失で、利益が大きく減りました。建設中の大きな設備も抱えています。

建設仮勘定は7,749億円あります。

🔎

いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
△
売上は伸びているか
10年で約1.59倍。ただし燃料や電力の価格で振れが大きく、2023年の1兆8,419億円から2026年は1兆1,823億円まで戻った。
△
営業利益率は高いか
8.5%。大手電力3社の6.5〜10.8%の中ほどだが、自社の2018年12.2%からは下がった。
△
1株利益(EPS)は伸びているか
10年で約1.44倍。年ごとの上下が大きく、2026年は35.6%減の325.51円。今期予想は460.21円。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年ずっと黒字。直近3年は2,200億円を超えている。
◎
配当は増えているか(減っていないか)
2007年からの20期で減配なし。70円→100円で、今期予想は105円。
○
配当性向に無理はないか
30.7%。目安の30〜50%の中で、今期予想は22.8%。
△
自己資本比率は高いか
37.6%。目安の40%には届かないが、大手電力3社(19.4〜41.0%)の中では低くなく、2017年の27.8%から上がった。
◎
現金は増えているか
10年で1,685億円→3,489億円。2025年の3,731億円からはやや減った。
2026年9月チェック配当の下限は明記されている。低いROEと、次の中期経営計画での還元方針を確認する。
🪙

配当はどう増えたか

実績会社予想
1株配当の10年推移と今期予想
0306090120円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ10年で70円から100円へ。減配した年はないよ。さかのぼると2007年3月期は60円、2008〜2017年3月期は70円。確認できた2007〜2026年の20期で、前の年を下回った年はないんだ。今期の予想は105円だね。
配当・配当性向の10年表
3月期1株配当(円)配当性向
20177030.9%
20187520.1%
20197529.7%
20207532.5%
20217561.6%
20227519.7%
20239014.5%
202410023.5%
202510019.8%
202610030.7%
2027予想10522.8%

還元方針は「総還元性向30%を目安。中期経営計画2024-2026では、1株100円を下限配当とする」。下限の100円は、この計画の3年間の方針です。2026年3月に約540億円の特別損失を見込んで純利益予想を下げたときも、会社は「下限配当である1株につき100円の配当予想に変更はございません」と書いています。2017年以降、株式分割・併合はありません。記念配当・特別配当も、有価証券報告書と決算短信の配当の注記には見当たりません。グラフは各年の実額です。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。

出典:2011年3月期有価証券報告書2016年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)2026年3月期決算短信中期経営計画2024-2026通期業績予想の修正及び特別損失の計上。

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いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
012345%点線は10年平均 3.44%2.6917年2.8018年2.7819年3.4420年3.8821年4.2922年4.2223年4.0124年3.9525年2.3126年2.50今
秘書のリツいまの予想利回り2.50%は、10年平均3.44%より低いよ。過去10年の各3月末では2.31〜4.29%。2026年に株価が上がったぶん、利回りは下がってるね。
予想PER9.1倍
PBR(本決算基準)0.53倍
過去の期末利回りを数字で見る
3月期期末利回り
20172.69%
20182.80%
20192.78%
20203.44%
20213.88%
20224.29%
20234.22%
20244.01%
20253.95%
20262.31%

出典:各年の有価証券報告書(配当)と株探の月足(3月末終値)。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月14日終値4,199円、会社予想配当105円・EPS460.21円、2026年3月末のBPS7,985.24円から計算しています。

💰

業績と財務

売上高と営業利益率
売上高(億円)05,00010,00015,00020,000営業利益率(%)05101511.012.28.89.28.68.010.08.410.58.517年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ2023年の売上1兆8,419億円は、燃料と電力の価格が上がった年だよ。営業利益率は10年で8〜12%の間を行ったり来たり。2026年は8.5%で、水力の出水率の低下と修繕費の増加が効いたね。
1株利益(EPS)
0200400600円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツEPSの上下がとても大きい会社だよ。いちばん高い2023年の621.50円と、いちばん低い2021年の121.85円で5倍の開きがあるんだ。2026年は大間原子力の機器の除却や豪州の再エネ事業の減損で35.6%減ったね。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
036912%赤の点線は一般的な目安 8%6.017年9.118年5.819年5.320年2.821年8.122年11.423年6.824年7.225年4.326年
秘書のリツ目安の8%を超えたのは10年で3回だけ。2026年は4.3%で、比べた大手電力3社(7.7〜11.7%)より低いね。特別損失が出た年だからなんだけど、もともと上下が大きいよ。
ROE4.3%
自己資本比率37.6%
営業CF10年黒字
現金及び現金同等物(期末)
01000200030004000億円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ現金は10年で1,685億円から3,489億円に増えたよ。自己資本比率も27.8%から37.6%へ。2026年6月末は37.3%だね。
業績・財務の10年表
3月期売上(億円)営業利益(億円)営業利益率EPS(円)ROE自己資本比率
20177,44481711.0%226.336.0%27.8%
20188,5631,04312.2%373.939.1%29.7%
20198,9747888.8%252.685.8%28.8%
20209,1388369.2%230.965.3%28.8%
20219,0917788.6%121.852.8%28.5%
202210,8468708.0%380.708.1%29.9%
202318,4191,83910.0%621.5011.4%32.3%
202412,5801,0578.4%425.316.8%35.0%
202513,1671,38310.5%505.647.2%36.4%
202611,8231,0108.5%325.514.3%37.6%
営業CFと期末の現金(億円)
3月期営業CF現金同等物
20171,1541,685
20181,6031,368
20191,4841,871
20201,5921,572
20211,6801,853
20221,2842,226
20231,5583,343
20242,5403,707
20252,5033,731
20262,2433,489

長期数値の出典:2021年3月期有価証券報告書2024年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)と、2018・2020・2022・2024・2026年3月期の各有価証券報告書の連結損益計算書(営業利益)。ROEは、新しい有価証券報告書に載っている値(会計基準の遡及適用後)を使っています。

⚖️

同じ仕事の会社と比べる

決算期が同じ3月期の大手電力3社を並べました。3社は発電に加えて小売りや送配電も持つので、事業の形はJ-POWERと同じではありません。

連結実績電源開発
9513
中部電力
9502
関西電力
9503
東北電力
9506
決算期2026/32026/32026/32026/3
売上高1兆1,823億円3兆5,460億円4兆566億円2兆3,724億円
営業利益率8.5%6.5%10.8%6.8%
ROE4.3%7.7%11.7%8.1%
自己資本比率37.6%41.0%35.1%19.4%
配当性向30.7%23.2%22.0%23.6%
予想利回り2.50%2.43%2.67%2.81%
秘書のリツ違いはROEだよ。電源開発が4社でいちばん低いね。2026年は特別損失で利益が減った年なんだ。自己資本比率は、同じ電力でも19.4%から41.0%まで開きがあるよ。

4社とも日本基準です。電源開発以外の配当性向は、有価証券報告書の1株配当(中部電力70円・関西電力75円・東北電力40円)を連結の1株利益で割って計算しました。予想利回りは、2026年9月14日終値の4,199円・2,885円・2,998.5円・1,421.5円と、今期予想配当105円・70円・80円・40円で計算しています。

出典:中部電力 2026年3月期有価証券報告書関西電力 同東北電力 同(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。株価と3社の予想配当は株探で2026年9月14日に確認。

🔔

直近の決算と注意点

2027年3月期第1四半期は増収・営業増益、純利益は47.3%減でした。

2026年4〜6月・前年同期との比較
売上高2,802.73億円/+12.0%
営業利益362.82億円/+11.7%
経常利益395.61億円/−45.9%
親会社純利益274.24億円/−47.3%

売上は、火力の発電所の利用率が43%から49%に上がり、タイで販売電力量が増えたことで伸びました。一方、前の年の同じ時期には米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益があり、その反動で営業外収益が69.3%減りました。海外事業のセグメント利益は67.7%減の150億円です。

通期の会社予想は、売上1兆3,800億円(+16.7%)、経常利益1,250億円(−21.2%)、純利益810億円(+38.4%)で、第1四半期時点で変更はありません。純利益の進み具合は33.9%です。中期経営計画の2026年度の目標は、経常利益900億円・純利益620億円です。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信2026年3月期有価証券報告書(経営方針・事業等のリスク)。電気事業制度の改革による料金収入への影響も、有価証券報告書の事業等のリスクに挙がっています。

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決算とIRの記録

2026年7月31日 2027年3月期第1四半期決算
売上12.0%増、営業利益11.7%増、純利益47.3%減。通期の業績・配当予想は据え置き。
2026年5月15日 自己株式の消却
取得した671万3,200株を消却。発行済株式数は1億7,633万7,900株になりました。
2026年5月12日 2026年3月期本決算
売上10.2%減、営業利益27.0%減、純利益36.7%減。年配当は100円。来期予想は年105円。
2026年3月31日 業績予想の修正と特別損失
純利益予想を890億円から660億円へ引き下げ。約540億円の特別損失を見込み、下限配当100円は変更なしと明記。翌4月1日に、別紙の水力販売電力量の予想値を訂正。
2026年3月25日 自己株式の取得終了
2025年9月からの取得は、671万3,200株・199.99億円で終了。
⚠ 注意事項・数字の扱い
保有する会社の投資記録です。売買を勧めるものではなく、将来の利益・配当も保証しません。

業績・財務・配当性向は連結で統一しています。有価証券報告書にある2026年3月期の配当性向32.9%は、単体(提出会社)の値です。

2007〜2016年の配当と、2009年・2011年・2012年の説明は、各年の有価証券報告書の実額です。ROEは各年の有価証券報告書のうち新しいものの値を使っています。

過去の利回りは、有価証券報告書の配当と株探の3月末終値から計算しました。営業利益率は営業利益÷売上高を小数1桁に丸めています。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。
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