電源開発(J-POWER)
最終更新 2026年9月16日
取得総額73,368円。表示取得単価は2,446円(丸め値)です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 水力と石炭火力の発電会社。全国に水力61か所、石炭などの汽力7か所の発電所を持ち、通称はJ-POWERです。
- 1952年設立。電源開発促進法にもとづく政府出資の会社として始まり、2004年に東証一部へ上場して民営化しました。
- 電気を卸し、送電網も持つ。売上の大半は、旧一般電気事業者(大手電力会社)への電気の販売です。
- 発電事業が売上の71%。2026年3月期は発電事業が8,404億円、海外事業が2,279億円でした。
海外と大間原子力について
海外ではタイや米国などで発電所を運営し、利益の面では国内と並ぶ柱になっています。青森県では大間原子力発電所を建設中です。工事の再開・終了の時期は「しかるべき時期に公表」とされ、まだ決まっていません。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・設備の状況・事業等のリスク・セグメント情報)。セグメントの売上は外部顧客への売上高、利益は調整前のセグメント利益(経常利益ベース)の合計に対する割合です。海外事業の利益には、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益が含まれます。
ディフェンシブか、景気敏感か

2011年3月期有価証券報告書2016年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。。2009年3月期の純利益は33.6%減の194.57億円でした。昔の配当は当時の実額です。
強みと懸念点
- 20期続く減配なし。電気は景気が悪くても使われ続けます。リーマン・ショックの年も震災をはさむ年も配当を守り、20年間、前の年より減らしたことがありません。今の中期経営計画では、1株100円を下限にしています。
- 全国の水力発電所。水力は燃料がいらず、一度造れば長く発電を続けられ、CO2も出しません。全国に水力発電所を持ち、脱炭素の流れのなかで求められる電源です。
- 育った海外事業。前の期は、利益の半分以上を海外事業で稼ぎました。米国の火力発電所の持ち分を売った利益も含みます。
- 厚みを増した財務。自前のお金の割合は10年で上がり、手元の現金も倍に増えました。
- 下限100円の期限。配当の下限は、今の中期経営計画の3年間の方針です。次の計画でも、下限を置く形は続くか。
- 石炭火力への規制。石炭は発電のときにCO2を多く出すため、規制が強まる方向にあります。石炭火力の発電所を多く持ち、2026年度から排出量取引への参加が義務になって、発電の費用や設備投資への影響を会社も挙げています。
- 大型投資の損失。前の期は、大間原子力の機器の除却や豪州の再エネ事業の損失で、利益が大きく減りました。建設中の大きな設備も抱えています。
建設仮勘定は7,749億円あります。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円) | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017 | 70 | 30.9% |
| 2018 | 75 | 20.1% |
| 2019 | 75 | 29.7% |
| 2020 | 75 | 32.5% |
| 2021 | 75 | 61.6% |
| 2022 | 75 | 19.7% |
| 2023 | 90 | 14.5% |
| 2024 | 100 | 23.5% |
| 2025 | 100 | 19.8% |
| 2026 | 100 | 30.7% |
| 2027予想 | 105 | 22.8% |
還元方針は「総還元性向30%を目安。中期経営計画2024-2026では、1株100円を下限配当とする」。下限の100円は、この計画の3年間の方針です。2026年3月に約540億円の特別損失を見込んで純利益予想を下げたときも、会社は「下限配当である1株につき100円の配当予想に変更はございません」と書いています。2017年以降、株式分割・併合はありません。記念配当・特別配当も、有価証券報告書と決算短信の配当の注記には見当たりません。グラフは各年の実額です。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。
出典:2011年3月期有価証券報告書2016年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)2026年3月期決算短信中期経営計画2024-2026通期業績予想の修正及び特別損失の計上。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 期末利回り |
|---|---|
| 2017 | 2.69% |
| 2018 | 2.80% |
| 2019 | 2.78% |
| 2020 | 3.44% |
| 2021 | 3.88% |
| 2022 | 4.29% |
| 2023 | 4.22% |
| 2024 | 4.01% |
| 2025 | 3.95% |
| 2026 | 2.31% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と株探の月足(3月末終値)。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月14日終値4,199円、会社予想配当105円・EPS460.21円、2026年3月末のBPS7,985.24円から計算しています。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 7,444 | 817 | 11.0% | 226.33 | 6.0% | 27.8% |
| 2018 | 8,563 | 1,043 | 12.2% | 373.93 | 9.1% | 29.7% |
| 2019 | 8,974 | 788 | 8.8% | 252.68 | 5.8% | 28.8% |
| 2020 | 9,138 | 836 | 9.2% | 230.96 | 5.3% | 28.8% |
| 2021 | 9,091 | 778 | 8.6% | 121.85 | 2.8% | 28.5% |
| 2022 | 10,846 | 870 | 8.0% | 380.70 | 8.1% | 29.9% |
| 2023 | 18,419 | 1,839 | 10.0% | 621.50 | 11.4% | 32.3% |
| 2024 | 12,580 | 1,057 | 8.4% | 425.31 | 6.8% | 35.0% |
| 2025 | 13,167 | 1,383 | 10.5% | 505.64 | 7.2% | 36.4% |
| 2026 | 11,823 | 1,010 | 8.5% | 325.51 | 4.3% | 37.6% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 1,154 | 1,685 |
| 2018 | 1,603 | 1,368 |
| 2019 | 1,484 | 1,871 |
| 2020 | 1,592 | 1,572 |
| 2021 | 1,680 | 1,853 |
| 2022 | 1,284 | 2,226 |
| 2023 | 1,558 | 3,343 |
| 2024 | 2,540 | 3,707 |
| 2025 | 2,503 | 3,731 |
| 2026 | 2,243 | 3,489 |
長期数値の出典:2021年3月期有価証券報告書2024年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)と、2018・2020・2022・2024・2026年3月期の各有価証券報告書の連結損益計算書(営業利益)。ROEは、新しい有価証券報告書に載っている値(会計基準の遡及適用後)を使っています。
同じ仕事の会社と比べる
決算期が同じ3月期の大手電力3社を並べました。3社は発電に加えて小売りや送配電も持つので、事業の形はJ-POWERと同じではありません。
| 連結実績 | 電源開発 9513 | 中部電力 9502 | 関西電力 9503 | 東北電力 9506 |
|---|---|---|---|---|
| 決算期 | 2026/3 | 2026/3 | 2026/3 | 2026/3 |
| 売上高 | 1兆1,823億円 | 3兆5,460億円 | 4兆566億円 | 2兆3,724億円 |
| 営業利益率 | 8.5% | 6.5% | 10.8% | 6.8% |
| ROE | 4.3% | 7.7% | 11.7% | 8.1% |
| 自己資本比率 | 37.6% | 41.0% | 35.1% | 19.4% |
| 配当性向 | 30.7% | 23.2% | 22.0% | 23.6% |
| 予想利回り | 2.50% | 2.43% | 2.67% | 2.81% |

4社とも日本基準です。電源開発以外の配当性向は、有価証券報告書の1株配当(中部電力70円・関西電力75円・東北電力40円)を連結の1株利益で割って計算しました。予想利回りは、2026年9月14日終値の4,199円・2,885円・2,998.5円・1,421.5円と、今期予想配当105円・70円・80円・40円で計算しています。
出典:中部電力 2026年3月期有価証券報告書関西電力 同東北電力 同(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。株価と3社の予想配当は株探で2026年9月14日に確認。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は増収・営業増益、純利益は47.3%減でした。
売上は、火力の発電所の利用率が43%から49%に上がり、タイで販売電力量が増えたことで伸びました。一方、前の年の同じ時期には米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益があり、その反動で営業外収益が69.3%減りました。海外事業のセグメント利益は67.7%減の150億円です。
通期の会社予想は、売上1兆3,800億円(+16.7%)、経常利益1,250億円(−21.2%)、純利益810億円(+38.4%)で、第1四半期時点で変更はありません。純利益の進み具合は33.9%です。中期経営計画の2026年度の目標は、経常利益900億円・純利益620億円です。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信2026年3月期有価証券報告書(経営方針・事業等のリスク)。電気事業制度の改革による料金収入への影響も、有価証券報告書の事業等のリスクに挙がっています。
決算とIRの記録
業績・財務・配当性向は連結で統一しています。有価証券報告書にある2026年3月期の配当性向32.9%は、単体(提出会社)の値です。
2007〜2016年の配当と、2009年・2011年・2012年の説明は、各年の有価証券報告書の実額です。ROEは各年の有価証券報告書のうち新しいものの値を使っています。
過去の利回りは、有価証券報告書の配当と株探の3月末終値から計算しました。営業利益率は営業利益÷売上高を小数1桁に丸めています。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。