上組
最終更新 2026年9月20日
取得総額54,516円、取得単価は4,956円です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 港で荷物を動かす会社。船から貨物を降ろし、倉庫に預かり、トラックや鉄道で運ぶところまでを引き受けます。営業収益の47.2%が港湾運送です。
- 1867年、神戸港の開港とともに創業。税関に出入りする貨物の運搬を請け負う「神戸浜仲」が始まりで、1873年に上組と改称。1971年に上場しました。
- 扱うのは飼料・穀物・青果物・コンテナ。自社で岸壁・倉庫・荷役機械を持ち、本店は神戸市、拠点は全国の港に広がっています。
- 報告する事業は物流事業とその他事業の2つ。物流事業が営業収益の87.5%、営業利益の86.4%を占めます。

会社と事業の中身をくわしく見る
連結の対象は子会社33社と関連会社18社です。主な連結子会社は上組陸運、上組海運、上組航空サービス、カミックス(造船・鉄工から分かれた会社)など。海外は上組(香港)有限公司を軸に、上海・深圳・台湾・ベトナム・マレーシア・シンガポールに広がっています。
その他事業の中身は、重量建設機工(発電設備などの重量物の運搬・据付)、不動産賃貸、酒類の製造販売、物品の販売・リース、金融、農産物の生産販売、太陽光発電、ソフトウエアの開発です。2026年3月期の営業収益は重量・建設130億円、その他208億円でした。
従業員は連結4,389人(ほかに平均臨時雇用1,061人)、単体3,633人です。単体の平均年齢は41.6歳、平均勤続年数は16.9年、平均年間給与は703万8,681円(前期比6.4%増)。2026年3月期の取扱トン数は物流事業で2億6,124万トン、前期比4.6%増でした。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・関係会社の状況・従業員の状況等・生産、受注及び販売の実績)2026年3月期決算短信(セグメント別営業収益・経営成績等の概況)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2021年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。
強みと懸念点
- 連続増配と自社株買い。15期続けて配当を増やしながら、自社株買いで株数を2割減らしてきました。1株あたりの取り分が増える形です。
- 同業の倍の利益率。岸壁・倉庫・荷役機械を自社で持ち、港での作業をまとめて請け負うため、同業の倉庫会社の2倍前後の利益率を出しています。
- 生活に直結する貨物。扱うのは飼料・穀物・青果物など生活に欠かせない貨物で、取扱量が景気で大きく振れにくい商売です。コロナの年も利益を保ち、配当を増やしました。
- 借入に頼らない財務。資産の7割以上が自前のお金で、同業3社より守りが固い。本業のお金の出入りは10年ずっとプラスです。
- 止まる見込みの連続増配。新しく取得した設備の償却費や修繕費がかさみ、今期は減益の計画です。配当は据え置きで、15期続いた増配はここで途切れる見込みです。
- 高い配当性向の目安。「利益の70%程度を配る」と決めたため、利益が減れば配当も減る形になりました。10年前は利益の2割ほどしか配っていませんでした。
- 伸びの鈍い本業。10年で売上は2割しか伸びず、会社自身も前の計画の売上目標は未達だったと認めています。国内の港湾物流をどこまで伸ばせるか。
- 海外と大型投資の重さ。インドの会社の買収などで大きなお金が出ていき、財務の厚みは少し薄くなりました。買った会社が思うように稼げなければ、損失が出るおそれがあります。
発行済株式数は、2018年3月末の1億3,438万株から1億657万株へ20.7%減りました。
出典:2026年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・経営方針、経営環境及び対処すべき課題等・経営者による経営成績等の分析・事業等のリスク)2026年3月期決算短信(連結貸借対照表・連結キャッシュ・フロー計算書・2027年3月期の連結業績予想)剰余金の配当(増配)についてのお知らせ住友倉庫 2026年3月期決算短信日本トランスシティ 2026年3月期決算短信澁澤倉庫 2026年3月期決算短信。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか
2017年10月1日付で普通株式2株につき1株の株式併合を行っています。グラフと表の金額はすべて併合調整後(現在の株数基準)です。実額では、2017年3月期の15円が調整後の30円にあたります。2017年3月期の30円のうち2円(実額1円)は創業150年記念配当で、グラフではオレンジの斜線で分けています。普通配当は28円でした。これ以外の年に記念配当・特別配当はありません。2027年3月期の205円は、2026年5月14日に公表された会社計画(中間100円・期末105円)です。

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円・併合調整後) | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017 | 30 | 22.9% |
| 2018 | 35 | 23.9% |
| 2019 | 45 | 29.6% |
| 2020 | 46 | 29.7% |
| 2021 | 50 | 32.7% |
| 2022 | 73 | 40.5% |
| 2023 | 90 | 40.8% |
| 2024 | 100 | 42.9% |
| 2025 | 130 | 50.4% |
| 2026 | 205 | 65.9% |
| 2027計画 | 205 | 74.0% |
出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策・記念配当と株式併合の注記)2026年3月期決算短信(配当の状況・配当性向)剰余金の配当(増配)についてのお知らせ。配当性向は、1株配当を1株当たり当期純利益で割った値です。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 期末終値(併合調整後) | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 1,924円 | 1.56% |
| 2018 | 2,376円 | 1.47% |
| 2019 | 2,564円 | 1.76% |
| 2020 | 1,828円 | 2.52% |
| 2021 | 2,097円 | 2.38% |
| 2022 | 2,200円 | 3.32% |
| 2023 | 2,780円 | 3.24% |
| 2024 | 3,359円 | 2.98% |
| 2025 | 3,494円 | 3.72% |
| 2026 | 5,452円 | 3.76% |
出典:各年の1株配当と、各決算期末(3月31日)の終値(東京証券取引所)。どちらも2017年10月1日の株式併合を遡って調整しています。各年の配当を期末終値で割り、丸める前の値で単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月18日終値4,872円、会社計画の配当205円・EPS276.94円、2026年3月末の1株当たり純資産4,006.48円から計算しています。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 3月期 | 営業収益(億円) | 営業利益(億円) | 純利益(億円) | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 2,462 | 225.5 | 163.8 | 131.06 | 5.3% | 84.1% |
| 2018 | 2,614 | 229.8 | 179.0 | 146.63 | 5.6% | 83.9% |
| 2019 | 2,749 | 233.3 | 183.9 | 152.20 | 5.6% | 83.5% |
| 2020 | 2,788 | 246.8 | 183.8 | 155.06 | 5.5% | 83.9% |
| 2021 | 2,683 | 244.5 | 179.3 | 152.97 | 5.2% | 84.3% |
| 2022 | 2,617 | 285.2 | 208.6 | 180.14 | 5.8% | 84.2% |
| 2023 | 2,741 | 315.8 | 246.2 | 220.69 | 6.7% | 81.4% |
| 2024 | 2,668 | 305.9 | 250.4 | 232.97 | 6.6% | 79.7% |
| 2025 | 2,792 | 331.0 | 269.4 | 257.88 | 7.0% | 78.0% |
| 2026 | 2,948 | 365.4 | 312.6 | 311.26 | 8.0% | 73.5% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金及び現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 315.8 | 473 |
| 2018 | 291.4 | 516 |
| 2019 | 304.6 | 523 |
| 2020 | 337.0 | 321 |
| 2021 | 295.6 | 228 |
| 2022 | 370.4 | 464 |
| 2023 | 355.6 | 661 |
| 2024 | 424.7 | 801 |
| 2025 | 404.1 | 955 |
| 2026 | 357.2 | 692 |
長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」(営業収益・純利益・EPS・ROE・自己資本比率・営業CF・現金)。営業利益は各期の連結損益計算書の値です。2026年3月期の内訳は決算短信によります。
同じ仕事の会社と比べる
港湾荷役と倉庫を手がける会社3社と並べました。住友倉庫と澁澤倉庫は倉庫が主力で港湾運送も持つ会社、日本トランスシティは四日市港を地盤にした港湾運送の会社です。4社とも3月期・日本基準です。
| 直近の本決算 | 上組 9364 | 住友倉庫 9303 | 日本トランスシティ 9310 | 澁澤倉庫 9304 |
|---|---|---|---|---|
| 決算期 | 2026年3月 | 2026年3月 | 2026年3月 | 2026年3月 |
| 主力 | 港湾運送 | 倉庫・不動産 | 港湾運送 | 倉庫 |
| 売上(営業収益) | 2,948億円 | 1,962億円 | 1,255億円 | 797億円 |
| 営業利益率 | 12.4% | 5.8% | 6.8% | 5.1% |
| ROE | 8.0% | 6.1% | 6.9% | 9.5% |
| 自己資本比率 | 73.5% | 61.2% | 57.9% | 57.3% |
| 配当性向 | 65.9% | 44.6% | 40.8% | 50.2% |
| 予想利回り | 4.21% | 2.47% | 3.06% | 3.32% |

予想利回りは2026年9月18日終値4,872円・4,165円・1,423円・2,106円と、今期予想配当205円・103円・43.5円・70円で計算しました。ROE・自己資本比率・配当性向・営業利益率は各社の決算短信の記載値です。澁澤倉庫の純利益には投資有価証券の売却益などの特別利益47億99百万円が入っており、ROEはそのぶん高く出ています。
出典:上組 2026年3月期決算短信住友倉庫 2026年3月期決算短信日本トランスシティ 2026年3月期決算短信澁澤倉庫 2026年3月期決算短信、東京証券取引所(2026年9月18日終値)。
直近の決算と注意点
2027年3月期の第1四半期は、増収ながら減益でした。
減益の理由として会社は「新規取得資産の減価償却費や既存設備の修繕費の増加」を挙げています。通期計画に対する進み具合は、営業利益で25.4%、純利益で26.0%です。会社は「概ね計画どおり」として、通期の業績予想と配当予想(年205円)をどちらも据え置きました。
第1四半期末の自己資本比率は75.1%で、2026年3月末の73.5%から上がっています。中間決算は11月上旬の予定です(前期は2025年11月13日に中間配当を決議しました)。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信(通期計画)2026年3月期有価証券報告書(配当決議日)。
決算とIRの記録
出典:自己株式の取得状況に関するお知らせ2027年3月期第1四半期決算短信ベトナムの冷凍冷蔵倉庫運営会社の持分取得のお知らせ自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせベトナムにおける現地法人設立のお知らせ2026年3月期決算短信剰余金の配当(増配)についてのお知らせ2026年3月期有価証券報告書(沿革・関係会社の状況・経営方針、経営環境及び対処すべき課題等・連結貸借対照表)2021年3月期有価証券報告書(記念配当と株式併合の注記)。
2017年10月1日付で普通株式2株につき1株の株式併合を行っています。1株配当・EPS・株価・利回りは、すべて併合後の株数基準に直してあります。
2017年3月期の配当30円のうち2円(実額1円)は創業150年記念配当です。この10年で、ほかに記念配当・特別配当はありません。
決算期末は3月31日です。過去の利回りは、各年の配当と決算期末の終値から計算しました。2027年3月期の数字は、2026年5月14日に公表された会社計画です。
金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。