東京センチュリー
最終更新 2026年9月20日
取得総額36,596円、表示取得単価は1,307円です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 国内3位の総合リース。機械や車を買って貸し、その使用料で稼ぎます。2026年3月期の売上高は1兆4,577億円、総資産は7兆2,148億円です。
- いまの形は2009年から。1969年に伊藤忠商事・第一銀行(現みずほ銀行)などの出資で設立され、2009年4月に東京リースと合併しました。
- 伊藤忠商事が29.9%の株主。NTTが10.0%、みずほ銀行が3.8%を持ち、商社・通信・銀行の取引網が営業の土台になっています。
- 稼ぎ頭は航空機や船舶。5つの事業のうち「スペシャルティ」が利益の大半を占め、残りを国内リース・オート・国際・環境インフラが支えます。
事業の内訳をくわしく見る
セグメント利益は、会社が「親会社株主に帰属する当期純利益ベース」で開示している数字です。5つの合計1,262億円に、その他・調整額△149億円を足したものが、連結の純利益1,113億円になります(億円未満の端数処理のため、上の5つを足した額とは1億円ずれます)。スペシャルティ事業の利益1,122億円には、米国子会社Aviation Capital Group(ACG)が受け取ったロシア関連の保険和解金824億円が入っています。環境インフラ事業の△445億円は、バイオマス混焼発電の事業計画を見直したことによる減損です。資産で見ると、6兆3,107億円のうちスペシャルティが3兆2,014億円と半分を占めます。2027年3月期からは組織の改編にあわせて報告セグメントが変わる予定です。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・大株主の状況)2026年3月期決算短信(セグメント別の売上高・利益・資産)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2026年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・沿革)。
強みと懸念点
- 累進配当を明文。2026年の中期経営計画で、配当を減らさず、利益の35%以上を配ると決めました。利益が一度きりの損益で大きく揺れる会社なので、配当の下を先に約束した形です。
- 10年で3倍を超えた配当。ロシアの件で利益が大きく落ちた年も、配当は前の年と同じ額を守りました。配当は10年で3倍以上になり、合併後の2010年3月期から減配はありません。
- 商社・通信・銀行の後ろ盾。伊藤忠商事・NTT・みずほ銀行が大株主で、商社・通信・銀行の取引網が営業の土台になっています。
- 厚くなった自己資本。自前のお金の割合は10年で上がり、リース大手3社の水準に並びました。
- 一時の損益で揺れる利益。航空機や発電設備のように大きな資産を海外で持つため、1つの出来事で利益が大きく動きます。ロシアに貸していた航空機が戻らず利益が大きく落ちた年があり、前の期も大きな和解金と減損がぶつかりました。
- 稼ぎ頭の半分を譲渡。2026年11月に、航空機リースの会社が連結から外れます。売却益は一度きりで、そのあとは稼ぎ頭の利益の取り分が減ります。
- 借金で回す商売。機械や航空機を借りたお金で買って貸し、使用料と金利の差で稼ぐ商売で、資産の大半は借金でまかなっています。金利が上がれば差が縮みます。一時の利益が消えたあとも、利益の35%以上を配る約束を本業で支えられるか。
有利子負債は5兆1,425億円です。
出典:長期ビジョン2035および中期経営計画20302026年3月期決算短信連結子会社の持分法適用関連会社への異動に関する基本合意書締結および特別利益の計上株式譲渡契約締結のお知らせ。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円) | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017 | 25.00 | 24.2% |
| 2018 | 28.50 | 23.5% |
| 2019 | 31.00 | 25.1% |
| 2020 | 34.00 | 25.9% |
| 2021 | 34.50 | 34.2% |
| 2022 | 35.75 | 34.7% |
| 2023 | 35.75 | 367.1% |
| 2024 | 52.00 | 35.3% |
| 2025 | 62.00 | 35.5% |
| 2026 | 80.00 | 35.1% |
| 2027予想 | 90.00 | 35.8% |
1株配当は2024年1月1日の1株→4株の株式分割にそろえた値です。2023年3月期までの記載値(100円〜143円)を4で割っています。2023年3月期の配当性向367.1%は、ロシア関連損失748億円で純利益が48億円まで減ったためで、配当額そのものは前期と同じでした。2026年3月期の80円は、期初予想68円から中間で2円、期末で10円積み増した結果です。この10年に記念配当・特別配当はありません。
出典:2026年3月期有価証券報告書2023年3月期有価証券報告書2018年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当性向)中期経営計画2030剰余金の配当(増配)に関するお知らせ。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 3月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 947.50円 | 2.64% |
| 2018 | 1,647.50円 | 1.73% |
| 2019 | 1,203.75円 | 2.58% |
| 2020 | 846.25円 | 4.02% |
| 2021 | 1,860円 | 1.85% |
| 2022 | 1,128.75円 | 3.17% |
| 2023 | 1,101.25円 | 3.25% |
| 2024 | 1,587円 | 3.28% |
| 2025 | 1,461.50円 | 4.24% |
| 2026 | 2,015円 | 3.97% |
出典:各年の1株配当と、東京証券取引所の3月末終値(分割調整後)。各年の配当を3月末終値で割り、丸める前の値で単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月18日終値2,670.5円、会社予想の配当90円・EPS251.66円、2026年3月末の1株当たり純資産2,292.54円から計算しています。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 純利益(億円) | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 9,761 | 720.0 | 436.5 | 103.38 | 12.9% | 9.9% |
| 2018 | 10,122 | 737.4 | 513.2 | 121.52 | 13.7% | 10.5% |
| 2019 | 10,676 | 777.2 | 522.7 | 123.73 | 12.7% | 10.4% |
| 2020 | 11,666 | 883.5 | 563.0 | 131.24 | 11.5% | 9.9% |
| 2021 | 12,002 | 771.5 | 491.5 | 100.64 | 8.7% | 10.2% |
| 2022 | 12,780 | 826.8 | 502.9 | 102.89 | 8.1% | 11.9% |
| 2023 | 13,250 | 912.2 | 47.7 | 9.74 | 0.7% | 12.5% |
| 2024 | 13,461 | 1042.3 | 721.4 | 147.32 | 8.8% | 13.5% |
| 2025 | 13,686 | 1170.6 | 852.8 | 174.51 | 9.0% | 15.0% |
| 2026 | 14,577 | 1483.1 | 1113.0 | 227.82 | 10.4% | 15.5% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金及び現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | -6.7 | 857 |
| 2018 | 264.3 | 864 |
| 2019 | -591.5 | 897 |
| 2020 | -506.6 | 2,501 |
| 2021 | 513.3 | 2,169 |
| 2022 | 2273.8 | 2,400 |
| 2023 | -314.3 | 2,013 |
| 2024 | -1767.4 | 1,839 |
| 2025 | 513.7 | 1,688 |
| 2026 | -769.3 | 2,197 |
長期数値の出典:各年の有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」。2018年3月期2023年3月期2026年3月期。EPSは2024年1月1日の1株→4株の分割にそろえ、2023年3月期以前は記載値を4で割っています。営業利益率の2025・2026年3月期は決算短信の記載値です。
同じ仕事の会社と比べる
同じ総合リースの三菱HCキャピタルとリコーリースを並べました。3社とも日本基準の連結で、決算期もそろっています。
| 2026年3月期 | 東京センチュリー 8439 | 三菱HC 8593 | リコーリース 8566 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆4,577億円 | 2兆2,154億円 | 3,386億円 |
| 営業利益率 | 10.2% | 10.9% | 6.1% |
| ROE | 10.4% | 8.6% | 5.4% |
| 自己資本比率 | 15.5% | 15.2% | 16.5% |
| 配当性向 | 35.1% | 40.7% | 44.5% |
| 営業CF | △769億円 | △3,675億円 | △517億円 |
| 予想利回り | 3.37% | 3.68% | 3.72% |

リコーリースの予想利回り3.72%は、2027年3月期の予想配当256円で計算した値です。このうち年70円は特別配当で、会社は2027年3月期から2032年3月期まで実施する予定としています。普通配当186円だけなら2.70%です。予想利回りは2026年9月18日終値2,670.5円・1,384.5円・6,890円と、今期予想配当90円・51円・256円で計算しました。
出典:東京センチュリー 2026年3月期決算短信三菱HCキャピタル 2026年3月期決算短信リコーリース 2026年3月期決算短信、東京証券取引所(2026年9月18日終値)。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は増収増益でした。
通期の会社予想(純利益1,230億円・10.5%増)と配当予想90円に修正はありません。純利益の進み具合は通期予想の28.6%です。会社は売上高と営業利益の通期予想を開示しておらず、純利益だけを示しています。
いちばん大きい変化は航空機リースです。2026年8月3日に、米国ACGの親会社であるTC Skyward Aviation U.S.の株式50%を伊藤忠商事へ譲渡する基本合意を結び、9月2日に譲渡契約を締結しました。譲渡の実行は2026年11月の予定で、ACGは連結子会社から持分法適用会社に変わります。譲渡価額は19億4,600万米ドル、連結では特別利益500億円程度(純利益への影響は300億円程度)を見込んでいますが、時期も金額も変わる可能性があるとして、2027年3月期の業績予想には反映されていません。
ACGは2025年12月期で総資産136億9,100万米ドル、純利益7億100万米ドルの会社です。連結から外れると、売上高も総資産も大きく減ります。中間決算は11月上旬の予定で、そこが最初の答え合わせになります。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信基本合意書締結および特別利益の計上に関するお知らせ株式譲渡契約締結のお知らせ。
決算とIRの記録
出典:社債型種類株式の発行に係る払込完了株式譲渡契約締結のお知らせ2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信中期経営計画20302026年3月期有価証券報告書。
1株配当とEPSは、2024年1月1日の1株→4株の株式分割にそろえています。2023年3月期以前は有価証券報告書の記載値を4で割った値です。
営業CFと自己資本比率は、リース業では製造業の基準が当てはまらないため評価していません。理由は本文と同業比較に書いています。
過去の利回りは、各年の配当と3月末終値(分割調整後)から計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。