保有銘柄カルテ

サンゲツ

証券コード 8130
卸売業東証プライム中型株12期連続増配
配当利回り(予想)4.87%
株価は2026年9月15日終値。業績は2026年3月期の連結実績です。予想利回りは2027年3月期の会社予想配当155円で計算しています。
最終更新 2026年9月16日
株価3,185円
1株配当(予想)155円
🐔 いま持っている分
保有株数44株
1年でもらえる配当(税引前)6,820円
買った値段での利回り5.06%

年間配当は入金済み額ではなく、保有株数44株と会社予想配当155円から求めた相当額です。

🏢

どんな会社か

  • インテリア材の卸で国内首位。壁紙・床材・カーテンなど、部屋の内側に使う材料を扱います。
  • 1953年に会社化。個人商店「山月堂」を株式会社に改組して設立し、1970年にサンゲツへ商号を変更しました。
  • 買うのは内装業者。新築だけでなく、張り替えや模様替えといった改装の仕事が土台になります。
  • 利益のほぼ全部が国内インテリア。営業利益194億円のうち193億円がここで、海外は売上350億円ながら0.4億円の赤字です。
デザインを企画する→見本帳をつくる→内装業者が選ぶ→必要な分を届ける
2026年3月期・セグメントごとの売上と営業利益
国内インテリア売上1,641億円・79.5%/利益193.3億円
海外売上350億円・17.0%/利益−0.4億円
国内エクステリア売上73億円・3.5%/利益1.1億円
秘書のリツ売上の8割、利益はほぼ全部が国内インテリアなんだ。海外は売上350億円まで育ったけど、営業利益はまだ0.4億円の赤字だよ。ひとつの事業に寄りかかった形だから、ここが崩れると全体が崩れるんだね。
ものをつくる側にも手を伸ばしている

壁紙製造の国内最大手であるグループ会社クレアネイトが、2025年10月に広島県の新工場の稼働を開始しました。卸に軸足を置きながら、つくる側の基盤も固める動きです。2026年5月に出した「中期経営計画2029」では、最終年度に売上2,500億円・営業利益250億円(うち国内インテリア1,880億円・215億円、海外542億円・30億円、国内エクステリア78億円・5億円)を掲げています。

出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報・中期経営計画)。3つのセグメントの営業利益の合計194.0億円は、調整前の数字です。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類景気敏感。新築の弱さが逆風になる
秘書のリツ壁紙の張り替えは景気に関係なく発生するんだ。賃貸の入れ替え、店舗の改装、オフィスの模様替え。新築が止まっても壁紙は傷むからね。ただし新築が弱いと逆風にはなるよ。会社も第1四半期の資料で「新設住宅需要は弱含みで推移」「新設市場全体は低調に推移」と書いている。普通配当で見ると、さかのぼって確かめられる2010年3月期以降は一度も減っていないよ(2010〜2014年3月期は75円の据え置き)。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期有価証券報告書。2014年3月期に配当が78円→75円と下がって見えるのは、前期の78円に創業記念配当3円が含まれていたためで、普通配当は75円で横ばいです(いずれも2015年の株式併合の前の実額)。分類は管理シートに合わせています。

📝

強みと懸念点

⭐ 強み
  • 下限を数字で明文化。1株155円を配当の下限に置き、利益の60%以上を配る目安で増配を目指すと、有価証券報告書に書いています。
  • 張り替えで続く需要。壁紙は新築だけでなく、賃貸の入れ替えや店の改装、オフィスの模様替えのたびに張り替えられます。新築が止まっても壁紙は傷むので、仕事の土台がなくなりにくい商売です。
  • 見本帳という仕組み。自社でデザインを企画して見本帳をつくり、内装業者が選んだ分だけを届けます。ただ仕入れて売るだけの卸ではないので、同じ建材の卸を大きく上回り、メーカー並みの利益率を出しています。
  • 厚い自己資本。資産の6割以上が自前のお金で、10年ずっと厚い水準を保っています。
🔵 懸念点
  • 増配がいったん止まる。今期は減益の予想で、配当は据え置きです。会社は中東情勢などの先行きの見えなさを理由に挙げています。
  • 国内インテリア1本への集中。利益のほぼすべてを国内のインテリアで稼いでいます。海外は売上こそ増えましたが、まだ赤字で、国内が崩れると全体が崩れる形です。
  • ROEの弱い10年。5年ほど前までは利益率が3〜5%台と普通の卸並みで、特別損失を出した年は利益がほぼなくなりました。稼ぐ力が上がったのは、この4年です。いまの高い水準が続く形なのかどうか。
🔎

いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
○
売上は伸びているか
10年で1,356億円→2,064億円、約1.52倍。減ったのは2021年の1回で、2026年は過去最高。今期予想も3.2%増。
○
営業利益率は高いか
9.4%。卸のコンドーテック5.5%を大きく上回るが、自社の2023年3月期11.5%からは2ポイント下がった。
△
1株利益(EPS)は伸びているか
10年で97.53円→249.08円、約2.55倍。ただし2020年23.56円・2022年4.66円とほとんど消えた年が2回あり、今期予想229.62円も7.8%の減益。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年ずっと黒字。2026年は143億円。
◎
配当は増えているか(減っていないか)
12期連続の増配。10年で52円50銭→155円で約2.95倍。下限155円を有価証券報告書に明記している。
△
配当性向に無理はないか
62.2%。目安の30〜50%を超え、今期予想は67.5%。ただし会社の方針が「配当性向60%以上を目安」なので、方針どおりではある。
◎
自己資本比率は高いか
64.3%。10年ずっと56%超えで、同じ卸のコンドーテック55.7%を上回る。
○
現金は増えているか
10年で232.0億円→350.1億円、約1.51倍。ただし2022年に168.9億円まで減った年がある。
2026年9月チェック財務と還元方針は固い。減益予想のもとで配当性向がどこまで上がるか、海外が黒字に乗るかを確認する。
🪙

配当はどう増えたか

1株配当の10年推移と今期予想
04080120160円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ2017年3月期の52円50銭から2026年3月期の155円へ、10年で2.95倍。下がった年はないよ。大きく増えたのは2023年3月期からで、1株利益が4円66銭から238円へ戻ったタイミングなんだ。今期の予想は155円の据え置きだから、13期目の増配は止まる見込みだよ。
株主還元は安定配当を基本とし、1株当たり年間配当金155円の下限設定と配当性向60%以上を目安に増配を目指す
秘書のリツふつう配当性向60%超えは「無理してない?」と見るところなんだ。でもこの会社は自分から「60%以上を目安にする」と決めている。数字だけ見て決めつけると読み違えるよ。
配当・配当性向の10年表
3月期1株配当(円)配当性向(連結)
201752.553.8%
201855.580.5%
201956.598.6%
202057.5244.1%
20215873.4%
2022701502.1%
202310544.0%
202414057.5%
202515070.2%
202615562.2%
2027予想15567.5%

配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。1株利益がほとんど消えた2020年・2022年3月期は、配当性向が244.1%・1502.1%と極端な値になります。2015年10月に2株を1株にする併合を行っており、上のグラフと表は併合後の実額です。

出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・株主還元方針)と2027年3月期第1四半期決算短信(今期の配当予想)。

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いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
0246%点線は10年平均 3.88%2.8217年2.5218年2.8119年3.5820年3.4621年4.5822年4.7023年4.1924年5.1625年5.0226年4.87今
秘書のリツいまの予想利回り4.87%は、10年平均3.88%を0.99ポイント上回るよ。過去10年の各3月末では2.52〜5.16%で、2022年3月期からは5年続けて4%台以上なんだ。配当が2.95倍になったのに、株価は1,861円から3,090円までしか上がらなかったからだね。
予想PER13.9倍
PBR(本決算基準)1.54倍
過去の期末利回りを数字で見る
3月期3月末終値期末利回り
20171,861円2.82%
20182,204円2.52%
20192,009円2.81%
20201,605円3.58%
20211,677円3.46%
20221,529円4.58%
20232,234円4.70%
20243,340円4.19%
20252,908円5.16%
20263,090円5.02%

出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年3月末の終値。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月15日終値3,185円、会社予想の配当155円・1株利益229.62円、2026年3月期の1株純資産2,067.46円で計算しています。

💰

業績と財務

売上高と営業利益率
売上高(億円)06001,2001,8002,400営業利益率(%)0369125.63.23.75.74.65.311.510.19.19.417年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ売上の伸びより、利益率の変わり方が大きい10年だったよ。2018年3月期の3.2%から2023年3月期の11.5%へ、5年で3倍以上になったんだ。直近3年は9%台から10%台で落ち着いているね。
1株利益(EPS)
070140210280円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ右肩上がりの会社ではないんだ。前半5年は下がり続けて、2020年3月期は23円56銭、2022年3月期は4円66銭。どちらも特別損失を出した年だよ。2023年3月期に238円まで戻って、そこから4年は200円台。それでも配当は10年間、一度も減らしていないんだ。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
0481216%赤の点線は一般的な目安 8%6.017年4.218年3.519年1.520年5.121年0.322年15.323年14.124年11.425年12.526年
秘書のリツ10年のうち6年は、目安の8%を下回っているよ。いちばん低い2022年3月期は0.3%。8%を超えたのは2023年3月期からの4年だけなんだ。
ROE12.5%
自己資本比率64.3%
営業CF10年黒字
現金及び現金同等物(期末)
0100200300400億円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ現金は10年で232.0億円から350.1億円へ。上下しながら増えている形だよ。2022年3月期の168.9億円が底で、そこから3期で倍近くまで戻したんだ。
業績・財務の10年表
3月期売上(億円)営業利益(億円)営業利益率EPS(円)ROE自己資本比率
20171,35675.75.6%97.536.0%65.2%
20181,56450.33.2%68.974.2%61.4%
20191,60459.03.7%57.283.5%58.0%
20201,61392.75.7%23.561.5%56.8%
20211,45367.04.6%78.975.1%58.8%
20221,49579.65.3%4.660.3%59.4%
20231,760202.811.5%238.7115.3%58.2%
20241,899191.010.1%243.4414.1%62.5%
20252,004181.49.1%213.6011.4%61.4%
20262,064194.19.4%249.0812.5%64.3%
営業CFと期末の現金(億円)
3月期営業CF現金同等物
2017100.7232.0
201872.0198.6
2019103.7266.1
2020138.0299.2
202196.9251.2
202257.2168.9
2023173.7247.7
2024128.2247.2
2025192.6334.4
2026143.2350.1

長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に丸めています。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。2025年3月期の数字は、企業結合の会計処理が確定したことで2026年3月期の有価証券報告書で修正されており(営業利益181.74億円→181.40億円、1株利益213.90円→213.60円)、修正後の値を使っています。

⚖️

同じ仕事の会社と比べる

建材まわりの2社を並べました。決算期がそろっていない点にご注意ください。

直近の本決算サンゲツ
8130
コンドーテック
7438
立川ブラインド
7989
事業内装材の卸建設資材の卸ブラインドの製造
決算期2026年3月期2026年3月期2025年12月期
売上高2,064億円839億円426億円
営業利益率9.4%5.5%10.4%
自己資本比率64.3%55.7%83.2%
ROE12.5%8.1%5.8%
秘書のリツ1社だけ見ても、9.4%が高いのか低いのか分からないよね。物を仕入れて売る卸のコンドーテックは5.5%、つくるメーカーの立川ブラインドは10.4%。この2つにはさんではじめて、卸なのにメーカー並みという位置が見えるんだ。ROEは3社でいちばん高い12.5%だよ。

出典:各社の直近の決算短信と有価証券報告書。サンゲツとコンドーテックは2026年3月期、立川ブラインドは2025年12月期です。

🔔

直近の決算と注意点

2027年3月期第1四半期は増収・増益でした。

2026年4〜6月・前年同期との比較
売上高539.37億円/+9.2%
営業利益53.27億円/+34.4%
親会社純利益47.56億円/+71.6%
自己資本比率65.4%(前期末64.3%)

伸びには一過性の中身が混ざっています。7月1日の価格改定前の駆け込み需要、仕入先工場の火災による供給制約の解消、そして特別利益8.54億円(助成金収入4.39億円と退職給付制度終了益4.15億円)です。通期予想・配当予想はどちらも据え置きで、会社は通期で営業利益190億円(−2.1%)・純利益135億円(−7.8%)の減益を見込んでいます。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信。

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決算とIRの記録

2026年8月6日 第1四半期決算
増収9.2%、営業増益34.4%。売上と純利益は四半期として過去最高。ただし駆け込み需要・供給制約の解消・特別利益8.54億円という一過性の中身を含む。通期予想・配当予想は据え置き。
2026年5月13日 本決算・中期経営計画2029・株主還元方針
2026年3月期は純利益146億円(+16.6%)で過去最高、年間配当155円で12期連続の増配。株主還元方針に「1株155円の下限設定」と「配当性向60%以上を目安に増配を目指す」を明記。一方で2027年3月期は純利益135億円(−7.8%)の減益予想、配当は155円の据え置き。中期経営計画2029では最終年度に売上2,500億円・営業利益250億円を掲げた。
2025年10月 広島の新工場が稼働
壁紙をつくるグループ会社クレアネイトが広島県の新工場を稼働。卸だけでなく、つくる側の基盤も固める動き。
2022年3月期 1株利益が4円66銭まで落ちた
特別損失56.76億円を計上し、純利益は2.76億円。それでも配当は58円→70円へ増やした。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書。

⚠ 注意事項・数字の扱い
保有する会社の分析記録です。売買を勧めるものではなく、将来の利益・配当を保証しません。

業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に丸めています。配当と1株利益は2015年10月の株式併合(2株→1株)より後の期のみを載せているため、調整はしていません。

2014年3月期に配当が78円→75円と下がって見えるのは、前期の78円に創業記念配当3円が含まれていたためで、減配ではありません(併合前の実額)。
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