サンゲツ
最終更新 2026年9月16日
年間配当は入金済み額ではなく、保有株数44株と会社予想配当155円から求めた相当額です。
どんな会社か
- インテリア材の卸で国内首位。壁紙・床材・カーテンなど、部屋の内側に使う材料を扱います。
- 1953年に会社化。個人商店「山月堂」を株式会社に改組して設立し、1970年にサンゲツへ商号を変更しました。
- 買うのは内装業者。新築だけでなく、張り替えや模様替えといった改装の仕事が土台になります。
- 利益のほぼ全部が国内インテリア。営業利益194億円のうち193億円がここで、海外は売上350億円ながら0.4億円の赤字です。

ものをつくる側にも手を伸ばしている
壁紙製造の国内最大手であるグループ会社クレアネイトが、2025年10月に広島県の新工場の稼働を開始しました。卸に軸足を置きながら、つくる側の基盤も固める動きです。2026年5月に出した「中期経営計画2029」では、最終年度に売上2,500億円・営業利益250億円(うち国内インテリア1,880億円・215億円、海外542億円・30億円、国内エクステリア78億円・5億円)を掲げています。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報・中期経営計画)。3つのセグメントの営業利益の合計194.0億円は、調整前の数字です。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期有価証券報告書。2014年3月期に配当が78円→75円と下がって見えるのは、前期の78円に創業記念配当3円が含まれていたためで、普通配当は75円で横ばいです(いずれも2015年の株式併合の前の実額)。分類は管理シートに合わせています。
強みと懸念点
- 下限を数字で明文化。1株155円を配当の下限に置き、利益の60%以上を配る目安で増配を目指すと、有価証券報告書に書いています。
- 張り替えで続く需要。壁紙は新築だけでなく、賃貸の入れ替えや店の改装、オフィスの模様替えのたびに張り替えられます。新築が止まっても壁紙は傷むので、仕事の土台がなくなりにくい商売です。
- 見本帳という仕組み。自社でデザインを企画して見本帳をつくり、内装業者が選んだ分だけを届けます。ただ仕入れて売るだけの卸ではないので、同じ建材の卸を大きく上回り、メーカー並みの利益率を出しています。
- 厚い自己資本。資産の6割以上が自前のお金で、10年ずっと厚い水準を保っています。
- 増配がいったん止まる。今期は減益の予想で、配当は据え置きです。会社は中東情勢などの先行きの見えなさを理由に挙げています。
- 国内インテリア1本への集中。利益のほぼすべてを国内のインテリアで稼いでいます。海外は売上こそ増えましたが、まだ赤字で、国内が崩れると全体が崩れる形です。
- ROEの弱い10年。5年ほど前までは利益率が3〜5%台と普通の卸並みで、特別損失を出した年は利益がほぼなくなりました。稼ぐ力が上がったのは、この4年です。いまの高い水準が続く形なのかどうか。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

株主還元は安定配当を基本とし、1株当たり年間配当金155円の下限設定と配当性向60%以上を目安に増配を目指す

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円) | 配当性向(連結) |
|---|---|---|
| 2017 | 52.5 | 53.8% |
| 2018 | 55.5 | 80.5% |
| 2019 | 56.5 | 98.6% |
| 2020 | 57.5 | 244.1% |
| 2021 | 58 | 73.4% |
| 2022 | 70 | 1502.1% |
| 2023 | 105 | 44.0% |
| 2024 | 140 | 57.5% |
| 2025 | 150 | 70.2% |
| 2026 | 155 | 62.2% |
| 2027予想 | 155 | 67.5% |
配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。1株利益がほとんど消えた2020年・2022年3月期は、配当性向が244.1%・1502.1%と極端な値になります。2015年10月に2株を1株にする併合を行っており、上のグラフと表は併合後の実額です。
出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・株主還元方針)と2027年3月期第1四半期決算短信(今期の配当予想)。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 3月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 1,861円 | 2.82% |
| 2018 | 2,204円 | 2.52% |
| 2019 | 2,009円 | 2.81% |
| 2020 | 1,605円 | 3.58% |
| 2021 | 1,677円 | 3.46% |
| 2022 | 1,529円 | 4.58% |
| 2023 | 2,234円 | 4.70% |
| 2024 | 3,340円 | 4.19% |
| 2025 | 2,908円 | 5.16% |
| 2026 | 3,090円 | 5.02% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年3月末の終値。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月15日終値3,185円、会社予想の配当155円・1株利益229.62円、2026年3月期の1株純資産2,067.46円で計算しています。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 1,356 | 75.7 | 5.6% | 97.53 | 6.0% | 65.2% |
| 2018 | 1,564 | 50.3 | 3.2% | 68.97 | 4.2% | 61.4% |
| 2019 | 1,604 | 59.0 | 3.7% | 57.28 | 3.5% | 58.0% |
| 2020 | 1,613 | 92.7 | 5.7% | 23.56 | 1.5% | 56.8% |
| 2021 | 1,453 | 67.0 | 4.6% | 78.97 | 5.1% | 58.8% |
| 2022 | 1,495 | 79.6 | 5.3% | 4.66 | 0.3% | 59.4% |
| 2023 | 1,760 | 202.8 | 11.5% | 238.71 | 15.3% | 58.2% |
| 2024 | 1,899 | 191.0 | 10.1% | 243.44 | 14.1% | 62.5% |
| 2025 | 2,004 | 181.4 | 9.1% | 213.60 | 11.4% | 61.4% |
| 2026 | 2,064 | 194.1 | 9.4% | 249.08 | 12.5% | 64.3% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 100.7 | 232.0 |
| 2018 | 72.0 | 198.6 |
| 2019 | 103.7 | 266.1 |
| 2020 | 138.0 | 299.2 |
| 2021 | 96.9 | 251.2 |
| 2022 | 57.2 | 168.9 |
| 2023 | 173.7 | 247.7 |
| 2024 | 128.2 | 247.2 |
| 2025 | 192.6 | 334.4 |
| 2026 | 143.2 | 350.1 |
長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に丸めています。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。2025年3月期の数字は、企業結合の会計処理が確定したことで2026年3月期の有価証券報告書で修正されており(営業利益181.74億円→181.40億円、1株利益213.90円→213.60円)、修正後の値を使っています。
同じ仕事の会社と比べる
建材まわりの2社を並べました。決算期がそろっていない点にご注意ください。
| 直近の本決算 | サンゲツ 8130 | コンドーテック 7438 | 立川ブラインド 7989 |
|---|---|---|---|
| 事業 | 内装材の卸 | 建設資材の卸 | ブラインドの製造 |
| 決算期 | 2026年3月期 | 2026年3月期 | 2025年12月期 |
| 売上高 | 2,064億円 | 839億円 | 426億円 |
| 営業利益率 | 9.4% | 5.5% | 10.4% |
| 自己資本比率 | 64.3% | 55.7% | 83.2% |
| ROE | 12.5% | 8.1% | 5.8% |

出典:各社の直近の決算短信と有価証券報告書。サンゲツとコンドーテックは2026年3月期、立川ブラインドは2025年12月期です。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は増収・増益でした。
伸びには一過性の中身が混ざっています。7月1日の価格改定前の駆け込み需要、仕入先工場の火災による供給制約の解消、そして特別利益8.54億円(助成金収入4.39億円と退職給付制度終了益4.15億円)です。通期予想・配当予想はどちらも据え置きで、会社は通期で営業利益190億円(−2.1%)・純利益135億円(−7.8%)の減益を見込んでいます。
決算とIRの記録
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書。
業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に丸めています。配当と1株利益は2015年10月の株式併合(2株→1株)より後の期のみを載せているため、調整はしていません。
2014年3月期に配当が78円→75円と下がって見えるのは、前期の78円に創業記念配当3円が含まれていたためで、減配ではありません(併合前の実額)。