全国保証
最終更新 2026年9月20日
取得総額38,430円、取得単価は2,745円です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 住宅ローンの信用保証の会社。家を買う人が銀行から借りるとき、連帯保証人の役割を引き受け、その対価として保証料を受け取ります。
- 1981年2月に東京・大手町で設立。厚生年金の転貸住宅資金の保証から始まり、1997年に民間金融機関の住宅ローン保証へ。2012年12月に東証一部へ上場しました。
- 提携先は銀行・信用金庫・信用組合・JA。特定の系列に属さない独立系で、保証債務残高は21兆4,294億円(2026年3月末)です。
- 報告する事業は「信用保証事業」の1つだけ。残高の83.1%が民間金融機関向けの住宅ローン保証で、ほかに証券化商品の損失補填などがあります。

会社と事業の中身をくわしく見る
保証料の受け取り方は2つあります。保証開始時に期間ぶんを一括で受け取り、経過に応じて少しずつ収益に振り替える方法と、毎月の保証債務残高に応じて受け取る方法です。一括で受け取ったぶんは、将来の代位弁済に備えて預金・国債などの低リスク商品で運用しています。2026年3月末の投資有価証券は3,091億円、長期前受収益(まだ収益にしていない保証料)は1,839億円。
借り手が返せなくなったときは、銀行へ代位弁済したうえで求償債権を取得し、借り手に返済を請求します。求償債権のほとんどには不動産担保が付いているため、任意売却や競売で回収します。2026年3月期の代位弁済金額は165億37百万円、求償債権の回収金額は105億45百万円でした。
連結子会社は6社(全国ビジネスパートナー、あけぼの債権回収、みのり信用保証、筑波信用保証、なのはな信用保証、三重総合信用)、持分法適用関連会社がインテリックスホールディングス1社。従業員は319人(ほかに平均臨時雇用97人)です。民間金融機関の住宅ローン保証残高は、銀行10兆2,970億円、信用金庫5兆7,398億円、信用組合5,464億円、JA1兆1,907億円という内訳になっています。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・関係会社の状況・従業員の状況・経営者による経営成績等の分析・事業等のリスク)2026年3月期決算短信(連結貸借対照表・経営成績等の概況)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2021年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・代位弁済金額の推移)。
強みと懸念点
- 桁の違う利益率。家を買う人から保証料を先に受け取り、少ない人数で全国の銀行の住宅ローンを保証します。人や設備にあまりお金がかからない仕組みなので、家賃保証の同業とは桁の違う利益率を出しています。
- すぐには減らない収入。過去に引き受けた保証の残高から、保証料が何十年も少しずつ入り続けます。新しいローンが減った年でも収入はすぐには減らず、売上も1株利益も10年間一度も減っていません。
- 13期続けて増えている配当。利益が伸びてきたうえ、配当に回す割合を2割から5割近くまで上げてきたため、配当は10年で4倍近くになりました。中間配当も始まりました。
- 返済のいらない負債。負債の大半は、先に受け取った保証料で、これから少しずつ収益になるお金です。借金にあたるものはわずかです。
- 増え続ける代位弁済。ローンを返せなくなった人の代わりに銀行へ払うお金と、延滞の額が3期続けて増えています。会社は低い水準と説明していますが、向きは上です。
- 縮む新築住宅市場。人口と世帯数が減り、家を新しく買う人は減っていきます。新しいローンが減れば新しい保証も増えないと、会社自身も見ています。
- 下がり続ける利益率。利益率は4期続けて下がりました。買収で子会社が増えて人件費などがかさみ、保証料の薄い仕事も増えています。規模を追いながら、この利益率をどこまで保てるか。
- 上げきった配当性向。配当に回す割合は、すでに利益の5割に達しました。ここからは利益が増えないと配当も増えにくい形で、利益の伸びは年1%ほどに鈍っています。
代位弁済は122億円→144億円→165億円、3か月以上の延滞金額は290億円→331億円→382億円と3期続けて増えました。負債2,556億円のうち1,839億円は長期前受収益(先に受け取った保証料)です。
出典:2026年3月期有価証券報告書(経営者による経営成績等の分析・事業等のリスク・経営戦略の現状と見通し)2026年3月期決算短信(連結貸借対照表・連結キャッシュ・フロー計算書)ジェイリース 2026年3月期決算短信イントラスト 2026年3月期決算短信。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか
2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。グラフと表の金額はすべて分割調整後(現在の株数基準)です。実額では、2025年3月期の212円が分割後の106円にあたります。この10年に記念配当・特別配当はなく、すべて普通配当です。2025年3月期までは期末の一括配当で、中間配当は2026年3月期(45円)から始まりました。2027年3月期の123円は、2026年5月8日に公表された会社計画(中間50円・期末73円)です。

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円・分割調整後) | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017 | 31 | 21.8% |
| 2018 | 40 | 24.9% |
| 2019 | 43.5 | 24.8% |
| 2020 | 47.5 | 26.7% |
| 2021 | 58.5 | 29.8% |
| 2022 | 66.5 | 32.8% |
| 2023 | 74 | 35.6% |
| 2024 | 85 | 40.6% |
| 2025 | 106 | 44.8% |
| 2026 | 120 | 49.2% |
| 2027計画 | 123 | 50.0% |
出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策・株式分割の注記)2026年3月期決算短信(配当の状況・配当性向)剰余金の配当に関するお知らせ。配当性向は、1株配当を1株当たり当期純利益で割った値です。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 期末終値(分割調整後) | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 1,895円 | 1.64% |
| 2018 | 2,335円 | 1.71% |
| 2019 | 1,935円 | 2.25% |
| 2020 | 1,697.5円 | 2.80% |
| 2021 | 2,540円 | 2.30% |
| 2022 | 2,355円 | 2.82% |
| 2023 | 2,497.5円 | 2.96% |
| 2024 | 2,750.5円 | 3.09% |
| 2025 | 2,962.5円 | 3.58% |
| 2026 | 3,141円 | 3.82% |
出典:各年の1株配当と、各決算期末(3月31日)の終値(東京証券取引所)。どちらも2025年4月1日の株式分割を遡って調整しています。各年の配当を期末終値で割り、丸める前の値で単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月18日終値3,156円、会社計画の配当123円・EPS246.12円、2026年3月末の1株当たり純資産1,845.14円から計算しています。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 3月期 | 営業収益(億円) | 営業利益(億円) | 純利益(億円) | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 359 | 281.4 | 195.3 | 142.02 | 23.8% | 34.2% |
| 2018 | 396 | 311.8 | 220.5 | 160.36 | 22.3% | 36.7% |
| 2019 | 432 | 342.3 | 241.3 | 175.46 | 20.6% | 39.5% |
| 2020 | 452 | 353.8 | 244.3 | 177.59 | 18.0% | 38.9% |
| 2021 | 478 | 382.3 | 270.0 | 196.27 | 17.4% | 41.8% |
| 2022 | 488 | 394.7 | 278.4 | 202.45 | 15.9% | 44.4% |
| 2023 | 503 | 398.8 | 285.8 | 207.98 | 14.6% | 46.4% |
| 2024 | 516 | 391.0 | 288.0 | 209.54 | 13.4% | 48.2% |
| 2025 | 570 | 419.7 | 320.9 | 236.54 | 13.8% | 48.5% |
| 2026 | 587 | 413.8 | 325.3 | 243.70 | 13.4% | 48.9% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金及び現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 329.7 | 764 |
| 2018 | 349.1 | 779 |
| 2019 | 328.1 | 710 |
| 2020 | 297.8 | 1,267 |
| 2021 | 302.1 | 1,361 |
| 2022 | 292.8 | 1,189 |
| 2023 | 287.0 | 1,127 |
| 2024 | 313.0 | 776 |
| 2025 | 334.2 | 924 |
| 2026 | 328.3 | 555 |
長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」(営業収益・純利益・EPS・ROE・自己資本比率・営業CF・現金)。営業利益は各期の損益計算書の値です。2023年3月期から連結財務諸表を作成しており、2022年3月期までは単体の数値です。2026年3月期の内訳は決算短信によります。
同じ仕事の会社と比べる
住宅ローンの信用保証を専業でやっている上場会社は全国保証だけなので、同じ「保証料を受け取り、返せなくなったら立て替える」仕組みの家賃保証2社と並べました。保証する相手は家賃ですが、審査して引き受け、代位弁済し、回収するという流れは同じです。3社とも3月期・日本基準です。
| 直近の本決算 | 全国保証 7164 | ジェイリース 7187 | イントラスト 7191 |
|---|---|---|---|
| 決算期 | 2026年3月 | 2026年3月 | 2026年3月 |
| 保証するもの | 住宅ローン | 家賃 | 家賃・医療費 |
| 売上(営業収益) | 587億円 | 215億円 | 122億円 |
| 営業利益率 | 70.5% | 16.8% | 22.5% |
| ROE | 13.4% | 37.1% | 23.2% |
| 自己資本比率 | 48.9% | 33.4% | 63.1% |
| 配当性向 | 49.2% | 39.9% | 48.7% |
| 予想利回り | 3.90% | 4.44% | 4.08% |

予想利回りは2026年9月18日終値3,156円・1,352円・1,214円と、今期予想配当123円・60円・49.5円で計算しました。ROE・自己資本比率・配当性向・営業利益率は各社の決算短信の記載値です。住宅ローン保証と家賃保証では、保証の期間(20〜35年と2年程度)と1件あたりの金額が大きく違います。
出典:全国保証 2026年3月期決算短信ジェイリース 2026年3月期決算短信イントラスト 2026年3月期決算短信、東京証券取引所(2026年9月18日終値)。
直近の決算と注意点
2027年3月期の第1四半期は、経常利益と純利益が伸びました。
通期計画に対する進み具合は、営業利益で18.4%、純利益で20.1%です。営業利益がほぼ横ばいなのに経常利益が7.9%伸びているのは、持分法による投資利益など営業外の収益が効いているためです。通期の予想と配当予想(年123円)はどちらも据え置かれました。
第1四半期末の自己資本比率は49.2%で、2026年3月末の48.9%から上がっています。
中間決算は11月上旬の予定です(前期は2025年11月5日に中間配当を決議しました)。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信(通期計画)2026年3月期有価証券報告書(配当決議日)。
決算とIRの記録
出典:コーポレートベンチャーキャピタルファンドを通じた株式会社Faciloへの出資について2027年3月期第1四半期決算短信インテリックスホールディングスグループおよび楽天銀行株式会社との住宅ローンに係る新たな取組について株式の取得(持分法適用関連会社化)に関するお知らせ剰余金の配当に関するお知らせ代表取締役の異動および取締役候補者の選任に関するお知らせ2026年3月期決算短信2026年3月期決算短信補足資料2026年3月期有価証券報告書(沿革・目標とする経営指標)。
2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。1株配当・EPS・株価・利回りは、すべて分割後の株数基準に直してあります。この10年に記念配当・特別配当はなく、すべて普通配当です。
2023年3月期から連結財務諸表を作成しており、2022年3月期までの数値は単体です。グラフと10年表はこの2つをつないで並べています。
決算期末は3月31日です。過去の利回りは、各年の配当と決算期末の終値から計算しました。2027年3月期の数字は、2026年5月8日に公表された会社計画です。
金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。