保有銘柄カルテ

MS-Japan

証券コード 6539
サービス業(人材紹介)東証プライム小型株配当下限56円を明文化
配当利回り(予想)5.62%
株価は2026年9月16日終値。業績は2026年3月期の連結実績です。予想利回りは2027年3月期の会社予想配当56円で計算しています。
最終更新 2026年9月17日
株価996円
1株配当(予想)56円
🐔 いま持っている分
保有株数83株
1年でもらえる配当(税引前)4,648円
買った値段での利回り4.78%

年間配当は入金済み額ではなく、保有株数83株と会社予想配当56円から求めた相当額です。配当は中間と期末の年2回に分かれています。

🏢

どんな会社か

  • 管理部門と士業に絞った人材紹介。経理・財務・人事・法務の人と、公認会計士・税理士・弁護士を扱います。
  • 1990年に創業。リクルート出身の現代表が人材採用・教育の事業として始め、2011年に日本MSセンターからいまの社名に変えました。
  • 扱う人を狭く、深く。若手や未経験者を幅広く扱う会社が多いなかで、この分野で30年以上続けています。
  • 売上の39.3%はオーストラリア。2024年2月に現地のFourQuarters Recruitmentを子会社にし、人材派遣が加わりました。
専門人材が登録する→企業の求人と照らす→面接・入社→企業から成功報酬
2026年3月期・地域別の売上高
日本46.4億円・60.7%
オーストラリア30.0億円・39.3%
秘書のリツ会計上の事業セグメントは「人材事業」の単一セグメントなんだ。だから国内・海外を売上の内訳として見るのが確実だよ。オーストラリアの比率は2025年3月期の38.6%から39.3%へ、もう1年分そのまま乗っているね。国内の人材紹介は成功報酬型で原価がほとんど立たないから、海外の人材派遣が加わったことで売上原価率が0.02%から22.5%へ変わったんだ。

出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報)。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類景気敏感。企業の採用意欲が、そのまま成約の数に出る。
秘書のリツコロナ禍で業績が落ちた2021年3月期も、配当は15円のままで減配していないんだ。商売は景気に振られる面があるけど、配当まで振られた実績はまだないよ。そこは分けて見ているんだ。

出典:2021年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(事業等のリスク)。分類は管理シートに合わせています。

📝

強みと懸念点

⭐ 強み
  • 扱う人を狭く深く。経理・人事・法務や、会計士・弁護士の転職に絞って30年以上続けてきました。管理部門の仕事は、業績が落ちた会社でもなくならない職種です。
  • 配当下限の明文化。2026年に、1株56円を配当の下限にすると示しました。人材紹介は大きな設備がいらず、現金が出ていかない買収の費用を足し戻せば、56円を払う余力はあると会社は説明しています。
  • 実質無借金の財務。借金はほとんどなく、資産の9割近くが自前のお金です。本業のお金の出入りは10年ずっとプラスです。
  • 10年で減配なし。コロナで利益が減った年も、配当を据え置いて守りました。
🔵 懸念点
  • 配当が利益を超過。利益より多い配当を出す状態が4期続いています。本業のお金はプラスでも、それを上回る配当を払っているため、手元の現金は3年でピークの半分以下になり、会社にたまったお金も減り続けています。
  • EPSが伸び悩み。国内の人材紹介の伸びが鈍り、1株利益は6年前のピークを超えられていません。今期の出だしも、国内の3つの事業すべてが減収でした。
  • のれんの重み。オーストラリアの人材派遣会社を買ったとき、会社の価値を上回って払った分(のれん)が資産の4分の1を占めます。買った会社が思うように稼げなければ、この分を損として落とすおそれがあります。

のれんは26.5億円で総資産の24.5%です。利益剰余金は3期続けて減り、83.3億円から75.2億円になりました。

🔎

いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
○
売上は伸びているか
10年で24.7億円→76.5億円、約3.10倍。2021年3月期はコロナで前期比17.8%減。今期第1四半期(4〜6月)も1.5%の減収で始まった。
◎
営業利益率は高いか
21.9%。同業のJACリクルートメント25.3%より低く、クイック13.5%より高い。自社の過去10年では40%前後が続いた時期があり、そこからは大きく下がった。
△
1株利益(EPS)は伸びているか
41.64円。2024・2025年と2期連続で減ったあと、2026年3月期はわずかに(+0.3%)増えた。2020年3月期のピーク55.16円は6年経っても超えられていない。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年ずっと黒字。2026年3月期は16.2億円で、過去10年でいちばん多い。
◎
配当は増えているか(減っていないか)
10年で8.75円→56円、約6.40倍で減配なし。2026年5月に「56円を配当の下限とする」方針を明文化した。
×
配当性向に無理はないか
134.5%。目安の30〜50%を大きく超え、利益より多い配当を4期続けて出している。会社はのれん償却を足し戻した調整後EPSで103.9%と説明している。
◎
自己資本比率は高いか
88.1%。同業のJACリクルートメント・クイックがともに70%台なのに対し、頭ひとつ抜けて厚い。有利子負債はリース債務のみ。
×
現金は増えているか
38.5億円。2023年3月期の87.3億円をピークに3年連続で減り、55.8%減った。配当を利益より多く出し続けている裏返し。
2026年9月チェック財務の厚さと減配なしの実績は強いが、稼ぐ力の伸び悩みと配当を上回る還元が続き、貯金が3年連続で減っている。
🪙

配当はどう増えたか

1株配当の10年推移と今期予想
015304560円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ8円75銭から56円へ、10年で6.40倍。この10年に減配は一度もないよ。15円で据え置きだった年が2019〜2022年の4期続いて、2023年3月期に15円から49円へ、翌期に56円へ上がったんだ。そこから3期連続で56円。記念配当はこの10年一度も入っていないよ。
1株当たり56円を下限として設定
秘書のリツ2026年5月12日の決算説明資料で、会社が新しい還元方針を出したんだ。前の方針は「2023年3月期から2025年3月期は配当性向100%を基準にする」という3年限りのものだったよ。その期限が切れて、代わりに置かれたのがこの1行。会計上の配当性向が100%を超える点については、会社自身が説明を添えているんだ。現金が出ていかない「のれん償却費」を利益に足し戻した調整後EPSは53円91銭。この物差しなら、56円の配当は103.9%にあたるよ。大きな設備投資が要らない商売だから、現金ベースでの余力はあるという説明だね。
配当・配当性向の10年表
3月期1株配当(円)配当性向(連結)
20178.7527.7%
201811.2530.7%
20191531.1%
20201527.2%
20211534.6%
20221536.3%
202349100.1%
202456123.3%
202556134.8%
202656134.5%
2027予想56128.7%

2018年10月1日の株式分割(1株→4株)を調整しています。この10年に記念配当・特別配当はありません。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しています。

出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)と2026年3月期決算説明資料。

📍

いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
0123456%点線は10年平均 2.91%0.9517年0.6518年0.9219年2.3720年1.3321年1.7622年4.7823年4.7524年5.9025年5.7026年5.62今
秘書のリツいまの予想利回り5.62%は、10年平均2.91%を2.71ポイント上回るよ。過去10年の各3月末では0.65〜5.90%だったんだ。かたちが変わったのは2023年3月期。配当が15円から49円へ増え、利回りは1.76%から4.78%へ上がったよ。そこから4年続けて4%台から5%台にあるんだ。株価が下がったことも効いているよ。
予想PER22.9倍
PBR2.60倍
過去の期末利回りを数字で見る
3月期3月末終値(目安)期末利回り
2017921円0.95%
20181,731円0.65%
20191,630円0.92%
2020633円2.37%
20211,128円1.33%
2022852円1.76%
20231,025円4.78%
20241,179円4.75%
2025949円5.90%
2026982円5.70%

出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年3月末の終値。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月16日終値996円、会社予想の配当56円・1株利益43円50銭、2026年3月期の1株純資産383円03銭で計算しています。3月末終値は分割調整後の配当と利回りから逆算した目安です。

💰

業績と財務

売上高と営業利益率
売上高(億円)020406080営業利益率(%)0102030405040.037.644.141.636.841.941.735.521.521.917年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ売上は10年で3.10倍。減ったのは2021年3月期の1回だけだよ。目を引くのは営業利益率で、2019年3月期の44.1%が最高、そこから2025年3月期の21.5%まで下がり続けたんだ。下がった理由は稼ぐ力が弱くなったからじゃなく、原価が立つオーストラリアの人材派遣が加わったから。直近2年は21%台で落ち着いているよ。
1株利益(EPS)
015304560円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ1株利益は31円61銭から41円64銭へ、10年で1.32倍。でも一本調子には伸びていないよ。2020年3月期の55円16銭が最高で、そこから2022年まで2期連続で下がり、2023年に反発したあとまた2期下がって、2026年はわずかに上向いたんだ。会社予想の2027年3月期は43円50銭で、前の期を4.5%上回る計画だよ。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
05101520%赤の点線は一般的な目安 8%17.017年15.918年18.319年18.420年11.621年10.922年12.223年10.924年10.425年10.826年
秘書のリツROEは10年とも一般的な目安の8%を上回っているよ。2020年3月期の18.4%が最高で、そこから2021年に11.6%まで落ち、直近5年は10%台前半で落ち着いているんだ。自己資本比率が90%前後と極めて高いぶん、ROEは伸びにくい構造でもあるよ。
ROE10.8%
自己資本比率88.1%
営業CF10年黒字
現金及び現金同等物(期末)
020406080100億円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ現金は右肩上がりではなく、2023年3月期の87.3億円を頂点に山型だよ。そこから46.7億円、42.3億円、38.5億円と3年連続で減って、ピークから55.8%減ったんだ。営業キャッシュフローは毎年黒字なのに現金が減っているのは、それを上回る配当を株主に出し続けているから。
業績・財務の10年表
3月期売上(億円)営業利益(億円)営業利益率EPS(円)ROE自己資本比率
201724.79.8840.0%31.6117.0%90.2%
201831.211.7137.6%36.6715.9%90.3%
201938.316.9044.1%48.1718.3%89.6%
202041.017.0541.6%55.1618.4%90.4%
202133.712.4036.8%43.3711.6%92.1%
202237.615.7641.9%41.3410.9%92.0%
202342.917.9041.7%48.9512.2%93.0%
202445.716.2435.5%45.4010.9%89.0%
202574.716.0521.5%41.5310.4%89.2%
202676.516.7421.9%41.6410.8%88.1%
営業CFと期末の現金(億円)
3月期営業CF現金同等物
20177.3338.30
201810.1027.88
201913.2028.69
202013.4463.72
20215.3263.81
202211.7374.25
202314.5387.28
202411.0946.70
202514.9642.26
202616.2138.55

長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に直しています。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。

⚖️

同じ仕事の会社と比べる

人材紹介の上場2社を並べました。決算期がそろっていないため、規模・収益性・財務の目安としての比較です。

直近の本決算MS-Japan
6539
JACリクルートメント
2124
クイック
4318
売上高(億円)76.5460.9339.2
営業利益率21.9%25.3%13.5%
自己資本比率88.1%72.3%74.7%
配当性向134.5%67.9%50.8%
予想配当利回り5.62%3.74%4.48%

MS-Japanとクイックは2026年3月期、JACリクルートメントは2025年12月期の連結実績。決算期がそろっていません。予想配当利回りは3社とも2026年9月16日終値によります。

秘書のリツ1社だけ見ても、その数字が高いのか低いのか分からないよね。3社並べると、人材紹介は自己資本比率70%台が「ふつう」で、MS-Japanの88.1%はその中でも頭ひとつ抜けて厚いと見えてくるよ。逆に配当性向134.5%は、2社の2.0〜2.6倍。財務は業界でいちばん丈夫なのに、配当だけは業界でいちばん背伸びしている、という形だね。

出典:各社の直近本決算の決算短信と有価証券報告書。

🔔

直近の決算と注意点

2027年3月期第1四半期は、4つの数字すべてが前の年を下回る減収減益でした。

2026年4〜6月・前年同期との比較
売上高19.4億円/−1.5%
営業利益4.2億円/−6.9%
経常利益4.5億円/−3.4%
純利益2.6億円/−9.1%

国内は人材紹介・メディア・ダイレクトリクルーティングの3つとも減収でした。海外は円安の効果で円換算では増収ですが、現地通貨(豪ドル)ベースでは減収です。通期予想(売上+6.9%、純利益+4.6%)と配当予想56円は、この四半期の発表時点で修正されていません。

秘書のリツ3か月の数字だけで慌てる必要はないよ。人材紹介は時期によって波があるからね。それでも、稼ぐ力が伸び悩んでいるという長い目で見た話と、同じ方向を向いた数字ではあるよ。次の決算は2026年11月ごろ、4〜9月の中間決算だよ。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信。

🗓

決算とIRの記録

2026年8月6日 2027年3月期 第1四半期
売上19.4億円(−1.5%)、営業利益4.2億円(−6.9%)、経常利益4.5億円(−3.4%)、純利益2.6億円(−9.1%)で減収減益。通期予想と配当予想56円は据え置き。
2026年5月12日 配当方針を新しく設定
決算説明資料で、年間1株56円を配当の下限とする方針を示した。2023年3月期から2025年3月期までの「配当性向100%を基準」という3年限りの方針に代わるもの。会計上の配当性向が100%を超える点は、のれん償却を足し戻した調整後EPSで見れば余力があると説明している。
2026年5月12日 2026年3月期 本決算
売上76.5億円(+2.3%)、営業利益16.7億円(+4.3%)、純利益10.3億円(+0.2%)。年間配当は56円で3期連続、配当性向は134.5%。
2024年2月 オーストラリアの子会社化
FourQuarters Recruitment Pty.Ltd.の株式を取得して連結子会社にした。2025年3月期から通期で売上に加わり、連結売上高は45.7億円から74.7億円へ増えている。同時に、売上原価とのれんが新しく発生した。
2026年9月17日 このページについて
2026年3月期と2021年3月期の有価証券報告書、2027年3月期第1四半期決算短信、2026年3月期決算説明資料を読んでカルテを作り直した。株価はIR BANK、四半期の推移は株探で確認している。次の決算発表は2026年11月の予定。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書。

⚠ 注意事項・数字の扱い
保有する会社の分析記録です。売買を勧めるものではなく、将来の利益・配当を保証しません。

業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に直しています。2018年10月1日の株式分割(1株→4株)を調整しています。この10年に記念配当・特別配当はありません。

2016年3月期以前は連結財務諸表を作成していないため、2017〜2020年3月期は提出会社単体の数値です(当時の実質的な事業規模とほぼ一致します)。2021年3月期から連結の数値です。
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