MS-Japan
最終更新 2026年9月17日
年間配当は入金済み額ではなく、保有株数83株と会社予想配当56円から求めた相当額です。配当は中間と期末の年2回に分かれています。
どんな会社か
- 管理部門と士業に絞った人材紹介。経理・財務・人事・法務の人と、公認会計士・税理士・弁護士を扱います。
- 1990年に創業。リクルート出身の現代表が人材採用・教育の事業として始め、2011年に日本MSセンターからいまの社名に変えました。
- 扱う人を狭く、深く。若手や未経験者を幅広く扱う会社が多いなかで、この分野で30年以上続けています。
- 売上の39.3%はオーストラリア。2024年2月に現地のFourQuarters Recruitmentを子会社にし、人材派遣が加わりました。

出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報)。
ディフェンシブか、景気敏感か
- 職種は景気に左右されにくい。管理部門と士業は、業績が落ちた会社でも必要な仕事です。
- それでも採用の波は受けます。コロナ禍の2021年3月期は売上が17.8%減、営業利益が27.3%減でした。
- 海外の分だけ振れ幅が増えました。売上の39.3%はオーストラリアの派遣需要と為替に左右されます。

出典:2021年3月期有価証券報告書2026年3月期有価証券報告書(事業等のリスク)。分類は管理シートに合わせています。
強みと懸念点
- 扱う人を狭く深く。経理・人事・法務や、会計士・弁護士の転職に絞って30年以上続けてきました。管理部門の仕事は、業績が落ちた会社でもなくならない職種です。
- 配当下限の明文化。2026年に、1株56円を配当の下限にすると示しました。人材紹介は大きな設備がいらず、現金が出ていかない買収の費用を足し戻せば、56円を払う余力はあると会社は説明しています。
- 実質無借金の財務。借金はほとんどなく、資産の9割近くが自前のお金です。本業のお金の出入りは10年ずっとプラスです。
- 10年で減配なし。コロナで利益が減った年も、配当を据え置いて守りました。
- 配当が利益を超過。利益より多い配当を出す状態が4期続いています。本業のお金はプラスでも、それを上回る配当を払っているため、手元の現金は3年でピークの半分以下になり、会社にたまったお金も減り続けています。
- EPSが伸び悩み。国内の人材紹介の伸びが鈍り、1株利益は6年前のピークを超えられていません。今期の出だしも、国内の3つの事業すべてが減収でした。
- のれんの重み。オーストラリアの人材派遣会社を買ったとき、会社の価値を上回って払った分(のれん)が資産の4分の1を占めます。買った会社が思うように稼げなければ、この分を損として落とすおそれがあります。
のれんは26.5億円で総資産の24.5%です。利益剰余金は3期続けて減り、83.3億円から75.2億円になりました。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

1株当たり56円を下限として設定

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円) | 配当性向(連結) |
|---|---|---|
| 2017 | 8.75 | 27.7% |
| 2018 | 11.25 | 30.7% |
| 2019 | 15 | 31.1% |
| 2020 | 15 | 27.2% |
| 2021 | 15 | 34.6% |
| 2022 | 15 | 36.3% |
| 2023 | 49 | 100.1% |
| 2024 | 56 | 123.3% |
| 2025 | 56 | 134.8% |
| 2026 | 56 | 134.5% |
| 2027予想 | 56 | 128.7% |
2018年10月1日の株式分割(1株→4株)を調整しています。この10年に記念配当・特別配当はありません。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しています。
出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)と2026年3月期決算説明資料。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 3月末終値(目安) | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 921円 | 0.95% |
| 2018 | 1,731円 | 0.65% |
| 2019 | 1,630円 | 0.92% |
| 2020 | 633円 | 2.37% |
| 2021 | 1,128円 | 1.33% |
| 2022 | 852円 | 1.76% |
| 2023 | 1,025円 | 4.78% |
| 2024 | 1,179円 | 4.75% |
| 2025 | 949円 | 5.90% |
| 2026 | 982円 | 5.70% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年3月末の終値。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月16日終値996円、会社予想の配当56円・1株利益43円50銭、2026年3月期の1株純資産383円03銭で計算しています。3月末終値は分割調整後の配当と利回りから逆算した目安です。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 24.7 | 9.88 | 40.0% | 31.61 | 17.0% | 90.2% |
| 2018 | 31.2 | 11.71 | 37.6% | 36.67 | 15.9% | 90.3% |
| 2019 | 38.3 | 16.90 | 44.1% | 48.17 | 18.3% | 89.6% |
| 2020 | 41.0 | 17.05 | 41.6% | 55.16 | 18.4% | 90.4% |
| 2021 | 33.7 | 12.40 | 36.8% | 43.37 | 11.6% | 92.1% |
| 2022 | 37.6 | 15.76 | 41.9% | 41.34 | 10.9% | 92.0% |
| 2023 | 42.9 | 17.90 | 41.7% | 48.95 | 12.2% | 93.0% |
| 2024 | 45.7 | 16.24 | 35.5% | 45.40 | 10.9% | 89.0% |
| 2025 | 74.7 | 16.05 | 21.5% | 41.53 | 10.4% | 89.2% |
| 2026 | 76.5 | 16.74 | 21.9% | 41.64 | 10.8% | 88.1% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 7.33 | 38.30 |
| 2018 | 10.10 | 27.88 |
| 2019 | 13.20 | 28.69 |
| 2020 | 13.44 | 63.72 |
| 2021 | 5.32 | 63.81 |
| 2022 | 11.73 | 74.25 |
| 2023 | 14.53 | 87.28 |
| 2024 | 11.09 | 46.70 |
| 2025 | 14.96 | 42.26 |
| 2026 | 16.21 | 38.55 |
長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に直しています。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。
同じ仕事の会社と比べる
人材紹介の上場2社を並べました。決算期がそろっていないため、規模・収益性・財務の目安としての比較です。
| 直近の本決算 | MS-Japan 6539 | JACリクルートメント 2124 | クイック 4318 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 76.5 | 460.9 | 339.2 |
| 営業利益率 | 21.9% | 25.3% | 13.5% |
| 自己資本比率 | 88.1% | 72.3% | 74.7% |
| 配当性向 | 134.5% | 67.9% | 50.8% |
| 予想配当利回り | 5.62% | 3.74% | 4.48% |
MS-Japanとクイックは2026年3月期、JACリクルートメントは2025年12月期の連結実績。決算期がそろっていません。予想配当利回りは3社とも2026年9月16日終値によります。

出典:各社の直近本決算の決算短信と有価証券報告書。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は、4つの数字すべてが前の年を下回る減収減益でした。
国内は人材紹介・メディア・ダイレクトリクルーティングの3つとも減収でした。海外は円安の効果で円換算では増収ですが、現地通貨(豪ドル)ベースでは減収です。通期予想(売上+6.9%、純利益+4.6%)と配当予想56円は、この四半期の発表時点で修正されていません。

決算とIRの記録
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書。
業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に直しています。2018年10月1日の株式分割(1株→4株)を調整しています。この10年に記念配当・特別配当はありません。
2016年3月期以前は連結財務諸表を作成していないため、2017〜2020年3月期は提出会社単体の数値です(当時の実質的な事業規模とほぼ一致します)。2021年3月期から連結の数値です。