保有銘柄カルテ

クニミネ工業

証券コード 5388
ガラス・土石製品(ベントナイト)東証スタンダード普通配当は10年減配なし
配当利回り(予想)2.97%
株価は2026年9月14日終値。業績は2026年3月期の連結実績です。予想利回りは2027年3月期の配当40円で計算しています。
最終更新 2026年9月15日
株価1,349円
1株配当(予想)40円
🐔 いま持っている分
保有株数70株
1年でもらえる配当(税引前・予想)2,800円
買った値段での利回り3.60%

取得総額77,840円。表示取得単価は1,112円です。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。

🏢

どんな会社か

  • ベントナイトの会社。粘土鉱物の「ベントナイト」を採掘し、製品にして売るグループです。
  • 1943年設立。國峯鉱業として設立し、1949年からベントナイトの採掘と製造を始めました。
  • 自前の鉱山会社が3社。山形・宮城・新潟の子会社で原鉱を掘り、一部は海外から輸入しています。
  • ベントナイト事業が売上の69.4%。ほかに農薬の加工などのアグリ事業、精製品のクレイサイエンス事業があります。
鉱山で原鉱を掘る→工場で製品にする→鋳物・土木・農薬などの会社へ
2026年3月期・セグメント別の売上と利益
売上ベントナイト 69.4%アグリ 20.2%■クレイサイエンス 10.5%利益ベントナイト 56.4%アグリ 36.3%■クレイサイエンス 7.3%
ベントナイト事業118.42億円・69.4%/利益12.89億円
アグリ事業34.45億円・20.2%/利益8.29億円
クレイサイエンス事業17.88億円・10.5%/利益1.68億円
売上の10%以上を占める取引先なし
事業の内訳をくわしく見る

ベントナイト事業の売上は、鋳物をつくる素形材向けが71.86億円、土木などの環境建設向けが38.01億円、猫のトイレ砂などのペット向けが8.56億円です。会社は素形材分野について、国内の高いシェアを生かすと書いています。利益の率が最も高いのはアグリ事業で、売上の2割ほどで利益の36.3%を稼ぎました。

出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・関係会社の状況・セグメント情報)2026年3月期決算短信(分野別の売上・今後の見通し)。セグメント利益は調整前の金額です。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類ディフェンシブ。リーマン・ショック期も黒字で配当を維持。ただし2023年は原鉱の値上がりで営業利益が半減
秘書のリツリーマン・ショック後の2010年3月期も、赤字にはならなかったよ。年配当も2006〜2010年は毎年10円で変えてないね。ただ2023年は原鉱の値上がりで、営業利益が半分になったよ。

出典:2010年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)2023年3月期決算短信。2010年3月期の売上高は6.7%減の100.23億円、純利益は4.22億円。2023年3月期は売上0.4%増に対し営業利益50.3%減でした。昔の配当は当時の実額で、10年グラフには含めていません。

📝

強みと懸念点

⭐ 強み
  • 自前の鉱山。粘土鉱物のベントナイトを、子会社の鉱山で自ら掘っています。原料から持っている強みで、鋳物向けの分野では国内で高いシェアを持つと会社は説明しています。
  • 借入金のない財務。借入金はなく、資産の8割以上が自前のお金です。原鉱の値上がりで利益が半分になった年も、この厚みで配当を守りました。
  • 金額で決めた配当の下限。配当は利益の30%が目安ですが、1株40円を下限に決めています。利益が落ちた年でも、40円は守る形です。
  • 伸びた農業向けと新しい需要。農薬の加工を受け持つ農業向けの事業は、売上の2割で利益の3分の1以上を稼ぐまでに伸びました。ベントナイトは水を通しにくい性質から、放射性廃棄物を埋める施設の覆土にも使われ、受注がありました。
🔵 懸念点
  • 増えにくい配当。配当の目安は利益の30%です。いまの利益で30%を計算すると40円に届かず、下限の40円を払っている状態なので、増配には今より大きな利益が必要です。
  • 自動車の鋳物向け。主力のベントナイトの売上の6割は、鋳物をつくる型に使われます。電気自動車に移ればエンジンまわりの鋳物が減るため、国内の需要は減ると会社は見ています。
  • 輸入原鉱と円安。自前の鉱山だけでは足りない分を海外から輸入していて、円安になるとその原鉱が値上がりします。急な円安の年は営業利益が半分になり、今期の出だしも原鉱のコスト高で主力事業は減益でした。
  • 届かなかった前回の目標。前の計画の利益目標には届かず、途中で目標を下げました。新しい計画は今の利益を大きく上回る目標で、そこに届くか。

配当性向30%の目安で40円を超えるには、1株利益約133円が必要です。前の計画の営業利益目標20億円に対し、実績は16.02億円でした。アグリ事業の利益は2026年に50.0%増えました。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信新中期経営計画の策定に関するお知らせ中期経営計画の最終年度数値目標修正に関するお知らせ低レベル放射性廃棄物埋設センターにおけるベントナイト製品の受注に関するお知らせ2026年3月期有価証券報告書(経営環境・事業等のリスク)。前の中期経営計画の営業利益目標は、2025年5月に20億円から16.16億円へ下方修正されています。有価証券報告書の事業等のリスクには、原料の確保やエネルギー価格の変動も挙がっています。

🔎

いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
○
売上は伸びているか
10年で約1.32倍。減った年は2021年の1回だけ。
△
営業利益率は高いか
9.4%。日鉄鉱業(9.0%)並みだが、自社の2021年の15.4%からは下がった。
△
1株利益(EPS)は伸びているか
10年で約1.23倍。ただ2021年の130.34円をまだ超えていない。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年ずっと黒字。
○
配当は増えているか(減っていないか)
普通配当は10年で2倍、減配なし。ただ据え置きが8回。
○
配当性向に無理はないか
36.3%。目安の30〜50%の中。
◎
自己資本比率は高いか
83.0%。10年ずっと79%超えで、借入金もない。
○
現金は増えているか
10年で54.8億円→91.1億円。2021年の96.0億円はまだ下回る。
2026年9月チェック財務と配当の下限は固い。稼ぐ力の戻りと、原鉱コストを確認する。
🪙

配当はどう増えたか

普通配当記念配当会社予想
1株配当の10年推移と今期予想
01020304050円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ普通配当は10年で20円から40円に倍増、減配はなしだよ。増えたのは2019年と2024年の2回で、あとは据え置き。2018年と2023年の斜線は記念配当が乗った分だね。
配当・配当性向の10年表
3月期普通配当(円)記念配当込み(円)配当性向
201720.020.022.4%
201820.037.537.2%
201930.030.030.9%
202030.030.024.6%
202130.030.023.0%
202230.030.029.7%
202330.040.060.4%
202440.040.047.8%
202540.040.045.4%
202640.040.036.3%
2027予想40.040.036.1%

配当方針は「配当性向30%を目安に業績に連動した還元を行い、1株当たり配当金の下限を40円とする」。下限40円は2025年5月の決算短信から載っています(2024年5月の短信にはありません)。2017〜2026年3月期に株式分割はなく、グラフの金額は各年の実額です。記念配当は2018年3月期が東証一部指定の17.5円、2023年3月期が創立80周年の10円。配当性向は記念配当込みの1株配当÷1株利益で計算しました。

出典:2017年3月期決算短信2019年3月期決算短信(2018年3月期の記念配当の注記)2023年3月期決算短信(創立80周年記念配当の注記)2015年3月期決算短信2026年3月期決算短信2026年3月期有価証券報告書(配当政策)。

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いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
012345%点線は10年平均 3.37%2.8217年3.5118年3.7419年3.2820年2.3421年3.0022年4.2923年3.7724年3.8825年3.0826年2.97今
秘書のリツいまの予想利回り2.97%は、10年平均3.37%より低いよ。過去10年の各3月末では2.34〜4.29%で、その範囲の中。利回りだけで割高とは言えないね。
予想PER12.2倍
PBR(本決算基準)0.74倍
過去の期末利回りを数字で見る
3月期期末利回り
20172.82%
20183.51%
20193.74%
20203.28%
20212.34%
20223.00%
20234.29%
20243.77%
20253.88%
20263.08%

出典:各年の決算短信(配当・記念配当込み)と東証の株価データ(3月末終値)。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月14日終値1,349円、会社予想配当40円・EPS110.85円、2026年3月末のBPS1,828.69円から計算しています。

💰

業績と財務

売上高と営業利益率
売上高(億円)050100150200営業利益率(%)0510152012.313.012.112.515.410.95.47.98.29.417年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ売上は10年で約1.32倍、減ったのは2021年だけ。営業利益率は2021年の15.4%から2023年に5.4%まで下がって、2026年は9.4%まで戻ったよ。会社は2023年の落ち込みに、急な円安による輸入原鉱の値上がりを挙げてるね。
1株利益(EPS)
050100150円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ最高は2021年の130.34円で、まだそこを超えていないよ。2023年に66.20円まで減って、2026年は110.10円まで戻ったね。今期予想は110.85円。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
04812%赤の点線は一般的な目安 8%8.017年8.218年7.819年9.020年9.021年6.522年4.123年5.024年5.025年6.126年
秘書のリツ2022年から5年続けて、目安の8%を下回ってるよ。会社は新しい中期経営計画で、2029年3月期にROE8%以上を目標にしてるね。
ROE6.1%
自己資本比率83.0%
営業CF10年黒字
秘書のリツ短期・長期の借入金はないよ。2026年の営業CF43.3億円には、原材料の在庫が18.27億円減った分も入ってるね。
現金及び現金同等物(期末)
0255075100億円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ現金は10年で54.8億円から91.1億円に増えたよ。2021年の96.0億円のあと80億円前後が続いて、2026年にまた増えたね。
業績・財務の10年表
3月期売上(億円)営業利益(億円)営業利益率EPS(円)ROE自己資本比率
201712915.912.3%89.48.0%82.6%
201813717.913.0%100.98.2%84.6%
201914417.412.1%97.17.8%85.1%
202015419.312.5%122.19.0%82.6%
202114622.515.4%130.39.0%79.9%
202215316.710.9%100.96.5%82.5%
20231538.35.4%66.24.1%84.5%
202415712.37.9%83.65.0%84.0%
202515712.88.2%88.15.0%83.4%
202617116.09.4%110.16.1%83.0%
営業CFと期末の現金(億円)
3月期営業CF現金同等物
201719.054.8
201812.768.4
201918.962.9
202027.563.2
202132.396.0
202211.895.0
20232.379.2
202419.282.4
202510.278.8
202643.391.1

長期数値の出典:2017〜2026年3月期の各決算短信(連結経営成績・財政状態・キャッシュ・フロー)。2017年3月期2019年3月期2021年3月期2023年3月期2026年3月期。2018年3月期は、発表後に数値データの訂正があったため、2019年3月期短信の前期欄の値を使っています。 有価証券報告書の借入金等明細表では、短期・長期の借入金はありません。

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同じ仕事の会社と比べる

ベントナイトを専門に扱う上場会社は、ほかに見当たりません。そこで、自社の鉱山で石灰石を掘る日鉄鉱業と、炭酸カルシウムをつくる丸尾カルシウムを並べました。3社とも3月期です。

2026年3月期クニミネ
5388
日鉄鉱業
1515
丸尾
カルシウム
4102
売上高171億円2,097億円126億円
営業利益率9.4%9.0%0.7%
ROE6.1%9.4%3.0%
自己資本比率83.0%50.7%58.6%
配当性向36.3%40.0%43.6%
予想利回り2.97%1.86%2.08%
秘書のリツ違いは自己資本比率とROE。自己資本比率は3社でいちばん厚いけど、ROEは日鉄鉱業より3ポイント以上低いよ。

3社とも日本基準の連結です。日鉄鉱業は石灰石のほか、チリの鉱山で銅も手がけ、売上の半分以上は金属部門です。2025年10月に1株を5株に分割しています。丸尾カルシウムの配当性向43.6%には創業100周年の記念配当30円が入り、純利益には株式の売却益75百万円が入っています。予想利回りは、2026年9月14日終値の1,349円・3,330円・1,443円と、今期予想配当40円・62円・30円で計算しました。2社の今期予想は、第1四半期時点で変更がありません。

出典:日鉄鉱業 2026年3月期決算短信同社 第1四半期決算短信丸尾カルシウム 2026年3月期決算短信同社 第1四半期決算短信同社 特別利益の計上に関するお知らせ。営業利益率とROEは各社短信の値。株価は東証の株価データで2026年9月14日終値を確認。

🔔

直近の決算と注意点

2027年3月期第1四半期は増収・増益でした。

2026年4〜6月・前年同期との比較
売上高41.84億円/+12.5%
営業利益3.60億円/+54.5%
経常利益4.64億円/+64.5%
親会社純利益2.85億円/+49.6%

3事業とも売上が増えました。アグリ事業は殺虫・殺菌剤と除草剤が好調で、前年同期のセグメント損失12百万円から利益84百万円に変わりました。クレイサイエンス事業も利益が2倍を超えています。ベントナイト事業は売上が9.4%増えたものの、素形材分野の輸入原鉱の調達コストが上がり、利益は0.5%減でした。

通期の会社予想は、売上180億円(+5.4%)、営業利益17億円(+6.1%)、純利益13.5億円(+0.7%)で、第1四半期時点で変更はありません。会社は、中東情勢が大きな影響を及ぼさないことを前提にしています。5月には2029年3月期に売上200億円、営業利益26億円を目指す中期経営計画を発表しました。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信新中期経営計画の策定に関するお知らせ。

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決算とIRの記録

2026年7月31日 2027年3月期第1四半期決算
売上12.5%増、営業利益54.5%増、純利益49.6%増。通期の業績・配当予想は据え置き。
2026年5月15日 新中期経営計画・資本コストへの対応
2029年3月期に売上200億円、営業利益26億円、ROE8%以上。配当性向30%目安と下限40円の方針は継続。
2026年5月8日 2026年3月期本決算
売上8.7%増、営業利益25.1%増、純利益24.4%増。年配当40円。来期予想も年40円。
2026年4月17日 代表取締役社長の異動
組織変更とあわせて発表。6月に友山貴之氏が代表取締役社長に就任。
2026年1月8日 ベントナイト製品の受注
日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設センターの覆土工事で受注。金額は非公表、2027年3月期以降の業績に寄与する見込み。

出典:代表取締役社長の異動、役員等の異動および組織変更に関するお知らせ「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について(アップデート)ほか、各決算短信。

⚠ 注意事項・数字の扱い
保有する会社の投資記録です。売買を勧めるものではなく、将来の利益・配当も保証しません。

業績・財務・配当性向は連結で統一しています。有価証券報告書にある配当性向36.6%は単体(提出会社)の値です。

2018年3月期の東証一部指定記念配当17.5円と、2023年3月期の創立80周年記念配当10円は、普通配当と分けて表示しました。2006〜2010年の説明は当時の実額で、グラフには含めていません。

過去の利回りは、決算短信の配当と3月末終値から計算しました。営業利益率とROEは決算短信の値です。配当性向の10年表は記念配当込みの1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。
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