クニミネ工業
最終更新 2026年9月15日
取得総額77,840円。表示取得単価は1,112円です。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- ベントナイトの会社。粘土鉱物の「ベントナイト」を採掘し、製品にして売るグループです。
- 1943年設立。國峯鉱業として設立し、1949年からベントナイトの採掘と製造を始めました。
- 自前の鉱山会社が3社。山形・宮城・新潟の子会社で原鉱を掘り、一部は海外から輸入しています。
- ベントナイト事業が売上の69.4%。ほかに農薬の加工などのアグリ事業、精製品のクレイサイエンス事業があります。
事業の内訳をくわしく見る
ベントナイト事業の売上は、鋳物をつくる素形材向けが71.86億円、土木などの環境建設向けが38.01億円、猫のトイレ砂などのペット向けが8.56億円です。会社は素形材分野について、国内の高いシェアを生かすと書いています。利益の率が最も高いのはアグリ事業で、売上の2割ほどで利益の36.3%を稼ぎました。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・関係会社の状況・セグメント情報)2026年3月期決算短信(分野別の売上・今後の見通し)。セグメント利益は調整前の金額です。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2010年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)2023年3月期決算短信。2010年3月期の売上高は6.7%減の100.23億円、純利益は4.22億円。2023年3月期は売上0.4%増に対し営業利益50.3%減でした。昔の配当は当時の実額で、10年グラフには含めていません。
強みと懸念点
- 自前の鉱山。粘土鉱物のベントナイトを、子会社の鉱山で自ら掘っています。原料から持っている強みで、鋳物向けの分野では国内で高いシェアを持つと会社は説明しています。
- 借入金のない財務。借入金はなく、資産の8割以上が自前のお金です。原鉱の値上がりで利益が半分になった年も、この厚みで配当を守りました。
- 金額で決めた配当の下限。配当は利益の30%が目安ですが、1株40円を下限に決めています。利益が落ちた年でも、40円は守る形です。
- 伸びた農業向けと新しい需要。農薬の加工を受け持つ農業向けの事業は、売上の2割で利益の3分の1以上を稼ぐまでに伸びました。ベントナイトは水を通しにくい性質から、放射性廃棄物を埋める施設の覆土にも使われ、受注がありました。
- 増えにくい配当。配当の目安は利益の30%です。いまの利益で30%を計算すると40円に届かず、下限の40円を払っている状態なので、増配には今より大きな利益が必要です。
- 自動車の鋳物向け。主力のベントナイトの売上の6割は、鋳物をつくる型に使われます。電気自動車に移ればエンジンまわりの鋳物が減るため、国内の需要は減ると会社は見ています。
- 輸入原鉱と円安。自前の鉱山だけでは足りない分を海外から輸入していて、円安になるとその原鉱が値上がりします。急な円安の年は営業利益が半分になり、今期の出だしも原鉱のコスト高で主力事業は減益でした。
- 届かなかった前回の目標。前の計画の利益目標には届かず、途中で目標を下げました。新しい計画は今の利益を大きく上回る目標で、そこに届くか。
配当性向30%の目安で40円を超えるには、1株利益約133円が必要です。前の計画の営業利益目標20億円に対し、実績は16.02億円でした。アグリ事業の利益は2026年に50.0%増えました。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信新中期経営計画の策定に関するお知らせ中期経営計画の最終年度数値目標修正に関するお知らせ低レベル放射性廃棄物埋設センターにおけるベントナイト製品の受注に関するお知らせ2026年3月期有価証券報告書(経営環境・事業等のリスク)。前の中期経営計画の営業利益目標は、2025年5月に20億円から16.16億円へ下方修正されています。有価証券報告書の事業等のリスクには、原料の確保やエネルギー価格の変動も挙がっています。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 普通配当(円) | 記念配当込み(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017 | 20.0 | 20.0 | 22.4% |
| 2018 | 20.0 | 37.5 | 37.2% |
| 2019 | 30.0 | 30.0 | 30.9% |
| 2020 | 30.0 | 30.0 | 24.6% |
| 2021 | 30.0 | 30.0 | 23.0% |
| 2022 | 30.0 | 30.0 | 29.7% |
| 2023 | 30.0 | 40.0 | 60.4% |
| 2024 | 40.0 | 40.0 | 47.8% |
| 2025 | 40.0 | 40.0 | 45.4% |
| 2026 | 40.0 | 40.0 | 36.3% |
| 2027予想 | 40.0 | 40.0 | 36.1% |
配当方針は「配当性向30%を目安に業績に連動した還元を行い、1株当たり配当金の下限を40円とする」。下限40円は2025年5月の決算短信から載っています(2024年5月の短信にはありません)。2017〜2026年3月期に株式分割はなく、グラフの金額は各年の実額です。記念配当は2018年3月期が東証一部指定の17.5円、2023年3月期が創立80周年の10円。配当性向は記念配当込みの1株配当÷1株利益で計算しました。
出典:2017年3月期決算短信2019年3月期決算短信(2018年3月期の記念配当の注記)2023年3月期決算短信(創立80周年記念配当の注記)2015年3月期決算短信2026年3月期決算短信2026年3月期有価証券報告書(配当政策)。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 期末利回り |
|---|---|
| 2017 | 2.82% |
| 2018 | 3.51% |
| 2019 | 3.74% |
| 2020 | 3.28% |
| 2021 | 2.34% |
| 2022 | 3.00% |
| 2023 | 4.29% |
| 2024 | 3.77% |
| 2025 | 3.88% |
| 2026 | 3.08% |
出典:各年の決算短信(配当・記念配当込み)と東証の株価データ(3月末終値)。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月14日終値1,349円、会社予想配当40円・EPS110.85円、2026年3月末のBPS1,828.69円から計算しています。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 129 | 15.9 | 12.3% | 89.4 | 8.0% | 82.6% |
| 2018 | 137 | 17.9 | 13.0% | 100.9 | 8.2% | 84.6% |
| 2019 | 144 | 17.4 | 12.1% | 97.1 | 7.8% | 85.1% |
| 2020 | 154 | 19.3 | 12.5% | 122.1 | 9.0% | 82.6% |
| 2021 | 146 | 22.5 | 15.4% | 130.3 | 9.0% | 79.9% |
| 2022 | 153 | 16.7 | 10.9% | 100.9 | 6.5% | 82.5% |
| 2023 | 153 | 8.3 | 5.4% | 66.2 | 4.1% | 84.5% |
| 2024 | 157 | 12.3 | 7.9% | 83.6 | 5.0% | 84.0% |
| 2025 | 157 | 12.8 | 8.2% | 88.1 | 5.0% | 83.4% |
| 2026 | 171 | 16.0 | 9.4% | 110.1 | 6.1% | 83.0% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 19.0 | 54.8 |
| 2018 | 12.7 | 68.4 |
| 2019 | 18.9 | 62.9 |
| 2020 | 27.5 | 63.2 |
| 2021 | 32.3 | 96.0 |
| 2022 | 11.8 | 95.0 |
| 2023 | 2.3 | 79.2 |
| 2024 | 19.2 | 82.4 |
| 2025 | 10.2 | 78.8 |
| 2026 | 43.3 | 91.1 |
長期数値の出典:2017〜2026年3月期の各決算短信(連結経営成績・財政状態・キャッシュ・フロー)。2017年3月期2019年3月期2021年3月期2023年3月期2026年3月期。2018年3月期は、発表後に数値データの訂正があったため、2019年3月期短信の前期欄の値を使っています。 有価証券報告書の借入金等明細表では、短期・長期の借入金はありません。
同じ仕事の会社と比べる
ベントナイトを専門に扱う上場会社は、ほかに見当たりません。そこで、自社の鉱山で石灰石を掘る日鉄鉱業と、炭酸カルシウムをつくる丸尾カルシウムを並べました。3社とも3月期です。
| 2026年3月期 | クニミネ 5388 | 日鉄鉱業 1515 | 丸尾 カルシウム 4102 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 171億円 | 2,097億円 | 126億円 |
| 営業利益率 | 9.4% | 9.0% | 0.7% |
| ROE | 6.1% | 9.4% | 3.0% |
| 自己資本比率 | 83.0% | 50.7% | 58.6% |
| 配当性向 | 36.3% | 40.0% | 43.6% |
| 予想利回り | 2.97% | 1.86% | 2.08% |

3社とも日本基準の連結です。日鉄鉱業は石灰石のほか、チリの鉱山で銅も手がけ、売上の半分以上は金属部門です。2025年10月に1株を5株に分割しています。丸尾カルシウムの配当性向43.6%には創業100周年の記念配当30円が入り、純利益には株式の売却益75百万円が入っています。予想利回りは、2026年9月14日終値の1,349円・3,330円・1,443円と、今期予想配当40円・62円・30円で計算しました。2社の今期予想は、第1四半期時点で変更がありません。
出典:日鉄鉱業 2026年3月期決算短信同社 第1四半期決算短信丸尾カルシウム 2026年3月期決算短信同社 第1四半期決算短信同社 特別利益の計上に関するお知らせ。営業利益率とROEは各社短信の値。株価は東証の株価データで2026年9月14日終値を確認。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は増収・増益でした。
3事業とも売上が増えました。アグリ事業は殺虫・殺菌剤と除草剤が好調で、前年同期のセグメント損失12百万円から利益84百万円に変わりました。クレイサイエンス事業も利益が2倍を超えています。ベントナイト事業は売上が9.4%増えたものの、素形材分野の輸入原鉱の調達コストが上がり、利益は0.5%減でした。
通期の会社予想は、売上180億円(+5.4%)、営業利益17億円(+6.1%)、純利益13.5億円(+0.7%)で、第1四半期時点で変更はありません。会社は、中東情勢が大きな影響を及ぼさないことを前提にしています。5月には2029年3月期に売上200億円、営業利益26億円を目指す中期経営計画を発表しました。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信新中期経営計画の策定に関するお知らせ。
決算とIRの記録
出典:代表取締役社長の異動、役員等の異動および組織変更に関するお知らせ「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について(アップデート)ほか、各決算短信。
業績・財務・配当性向は連結で統一しています。有価証券報告書にある配当性向36.6%は単体(提出会社)の値です。
2018年3月期の東証一部指定記念配当17.5円と、2023年3月期の創立80周年記念配当10円は、普通配当と分けて表示しました。2006〜2010年の説明は当時の実額で、グラフには含めていません。
過去の利回りは、決算短信の配当と3月末終値から計算しました。営業利益率とROEは決算短信の値です。配当性向の10年表は記念配当込みの1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。