保有銘柄カルテ

ツムラ

証券コード 4540
医薬品(医療用漢方)東証プライム医療用漢方のシェア84.4%DOE5%を目標に配当
配当利回り(予想)4.25%
株価は2026年9月11日終値。業績は2026年3月期の実績。上の予想利回りは2027年3月期の予想配当158円で計算しています。最終更新 2026年9月16日
株価3,717円
1株配当(予想)158円
🐔 いま持っている分
保有株数24株
1年でもらえる配当(税引前)3,792円
買った値段での利回り4.47%
🏢

どんな会社か

  • 医療用漢方の最大手。病院で処方される漢方薬が主力で、国内シェアは84.4%です(会社がIQVIAのデータで集計した2026年3月までの1年間)
  • 1893年に創業。「中将湯」の津村順天堂として始まり、1976年に医療用漢方製剤が健康保険の対象になりました
  • 129処方を持つ。売上の多い順に大建中湯147億円、抑肝散111億円、五苓散83億円と続きます。2008年に家庭用品事業を売りました
  • 事業は国内と中国。国内が売上の8割強で、そのほとんどが医療用漢方製剤です。中国は原料生薬と飲片(刻んだ生薬)の販売です
中国・日本・ラオスで生薬を栽培・調達→茨城・静岡の工場でエキス製剤に→医薬品卸を通じて病院・診療所へ→医師が処方(保険適用)
2026年3月期・売上の内訳
医療用漢方製剤1,539億円・79.9%
中国事業314億円・16.3%
一般用漢方製剤など62億円・3.2%
秘書のリツ売上の8割が、病院で処方される医療用漢方だよ。中国事業は原料生薬と飲片(刻んだ生薬)の販売が中心で、2025年8月に上海の飲片会社を子会社にして売上が52.4%増えたんだ。ただし中国事業の営業利益は、売上314億円に対して2億円だけだよ。
中国での提携と、最近の買収

中国では平安保険グループと組んでいます。2017年に第三者割当で平安グループの生命保険会社が株主になり、いまは発行済株式の10.20%を持つ2番目の大株主です。中国の中薬市場は約15.9兆円です。日本の漢方市場の約60倍と会社は説明しています。2026年9月には、養命酒製造を68億円で子会社にしました。

出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報・事業等のリスク)。国内の売上は1,612億円で、そのうち医療用漢方製剤が1,539億円、国内のその他は10億円でした。シェア84.4%は、会社がIQVIAのデータで集計した2026年3月までの1年間の数字です。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類ディフェンシブ。病気の治療に使う薬で、景気で処方は減りにくい
秘書のリツ景気が悪くても、病院で出される薬の量はそんなに減らないんだ。リーマン・ショックの2009年3月期も営業利益4.2%増で、配当は23円から34円に増えてる。コロナの2021年も64円を保ったよ。そのかわり、国が決める薬の値段と、風邪やインフルエンザの流行で売上が動くんだ。見るところが景気敏感な会社とは違うね。

出典:2007年3月期〜2026年3月期の決算短信と2026年3月期有価証券報告書。2025年3月期は薬価の引き上げで売上が20.1%増えました。昔の配当は当時の実額です。分類は管理シートに合わせています。

📝

強みと懸念点

⭐ 強み
  • 医療用漢方の8割超。病院で出す漢方薬の8割以上がツムラの製品です。漢方薬が健康保険の対象になった1976年から処方をそろえてきた先行者で、医師が処方すればそのまま売上になります。比べた医薬品2社を上回る利益率です。
  • DOEで決める配当。株主のお金に対して配る割合の目標を明文にしています。株主のお金は利益ほど上下しないので、薬の値段の改定で利益が動いても配当は下げにくく、2007年3月期から減配はありません。
  • 不況に強い需要。景気が悪くなっても、病院で出される薬の量はあまり減りません。リーマン・ショックの年も営業利益を増やし、配当も増やしました。
🔵 懸念点
  • 薬価。保険で使う薬の値段は国が決めます。2025年3月期に利益が倍になったのは、国が多くの漢方薬の値段を上げたためで、会社の力だけで得た伸びではありません。逆に値段が下がれば、利益はそのまま削られます。
  • 原料の中国依存。原料の生薬は植物で、そのほとんどを中国から調達しています。天候が悪ければ採れる量が減り、輸入の規制が変われば手に入りにくくなります。量と値段が揺れることを、会社もリスクに挙げています。
  • 借入を増やした中国投資。中国の市場は日本の漢方の約60倍と大きく、そこに向けて上海の会社を借入も使って買いました。借入は1年で倍近くになりましたが、中国の事業は利益がほとんど出ていません。借りたお金に見合う利益を、中国で生めるか。
🔎

いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
◎
売上は伸びているか
10年で1,150億円→1,926億円、約1.67倍。減ったのは2022年だけで、2026年は過去最高。
◎
営業利益率は高いか
18.3%。同業のロート製薬12.0%・ゼリア新薬13.9%を上回る。ただし薬価が上がった2025年の22.2%からは下がった。
○
1株利益(EPS)は伸びているか
10年で179.46円→376.28円、約2.10倍。ただし前の年を下回った年が4回あり、今期予想351.5円も6.8%の減益。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年ずっと黒字。2026年は247億円。
◎
配当は増えているか(減っていないか)
2007年3月期以降、減配なし。ただし2014〜2023年は64円で10期据え置きで、増えたのは直近3期(85→136→147円)。
○
配当性向に無理はないか
39.1%(短信の表示は39.4%)。目安の30〜50%の中で、今期予想は約45%。
○
自己資本比率は高いか
54.3%。目安の40%は超えるが、中国投資の借入で前の年の64.7%から10ポイント下がり、同業2社(62.1%・60.3%)より低い。
◎
現金は増えているか
10年で299億円→782.6億円、約2.6倍。
2026年9月チェックシェアと配当方針は固い。薬価と、借入を増やした中国への投資を確認する。
🪙

配当はどう増えたか

実績会社予想
1株配当の10年推移と今期予想
04080120160円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツ2014年3月期から2023年3月期まで、10期続けて64円だったんだ。そこから85円、136円、147円と3期続けて増やして、今期は158円の予想(薄い青の棒)。記念配当や特別配当はなくて、確認できた2007年3月期(17円)以降、減配した年はないよ。
配当・配当性向の10年表
3月期1株配当(円)配当性向
20176435.7%
20186431.9%
20196433.5%
20206435.6%
20216431.9%
20226426.0%
20236429.7%
20248538.7%
202513631.8%
202614739.1%
2027予想158約45%
「財務健全性を確保した最適資本構成に基づく最適な配当」を追求する観点から、DOE(株主資本配当率)を指標とし、健全なバランスシートを保ちながら、ROE向上と配当の段階的な拡充を目指しています。2031年度までに目指す水準として設定したDOE5%到達に向け、着実に配当運営を実施してまいります。

有価証券報告書の配当政策の一節です。DOEは2023年3月期が2.0%、2024年3月期が2.5%。2025年3月期と2026年3月期は3.6%で、今期の予想も3.6%です。目標の5%まで、あと1.4ポイントあります。2025年には60億円の自己株式の取得もしました。 配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。決算短信が表示する2026年3月期の配当性向39.4%とは、株数の取り方の違いでわずかにずれます。株式分割はありません。

秘書のリツDOEは、会社に積み上がった株主のお金(株主資本)に対して何%を配るかという物差しだよ。利益が1年落ちても株主資本はすぐには減らないから、配当がぶれにくいんだ。ただ今期は純利益が減る予想なのに増配だから、配当性向は39.1%から約45%に上がる見込みだね。

出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)と2007年3月期〜2026年3月期の決算短信。

📍

いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
012345%点線は10年平均 2.32%1.8317年1.7518年1.9019年2.3320年1.6221年2.0022年2.4323年2.2224年3.1525年3.9226年4.25今
秘書のリツいまの予想利回り4.25%は、10年平均2.32%を1.93ポイント上回るよ。株価は2017年3月末の3,490円から3,717円へ6.5%しか上がっていないのに、配当は64円から158円へ2.5倍になったからだね。10年のうち9年は1〜2%台で、3%を超えたのは直近2年だけだよ。
予想PER10.6倍
PBR(本決算基準)0.86倍
過去の期末利回りを数字で見る
3月期期末利回り
20171.83%
20181.75%
20191.90%
20202.33%
20211.62%
20222.00%
20232.43%
20242.22%
20253.15%
20263.92%

出典:各年の決算短信(配当)と各年3月末の終値。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月11日終値3,717円と会社予想配当158円から計算しています。

💰

業績と財務

売上高と営業利益率
売上高(億円)05001,0001,5002,000営業利益率(%)051015202513.914.515.315.314.817.314.913.322.218.317年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ2025年3月期に売上が20.1%増えて、営業利益率が22.2%まで上がったのは、2024年4月の薬価改定で66処方の薬価が上がったからだよ。2026年の18.3%に下がったのは、原料生薬の在庫を戦略的に積み増した一時的なコストと、上海の子会社の連結で原価率が2.5ポイント上がったためだね。
1株利益(EPS)
0120240360480円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年27年予
秘書のリツEPSは10年で約2.10倍だけど、前の年を下回った年も4回あるよ。2025年の427.15円がピークで、2026年は376.28円。今期の会社予想351.5円は6.8%の減益見込みだね。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
036912%赤の点線は一般的な目安 8%8.1217年8.3318年7.3819年6.7620年7.2521年8.2322年6.7023年6.3924年11.3525年9.0426年
秘書のリツROEは10年のうち5年が目安の8%を下回ってるんだ。2025年の11.35%は薬価が上がった年で、2026年は9.04%。会社は2031年度にROE10%を目指すと言ってるよ。
ROE9.04%
自己資本比率54.3%
営業CF10年黒字
現金及び現金同等物(期末)
02505007501000億円17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年
秘書のリツ現金は10年で299億円から782.6億円へ。ただし借入金と社債は1,352億円で、1年前の703億円から倍近くに増えてるよ。中国の子会社を買ったお金だね。会社は2031年度に自己資本比率50%以上を目指すとしてるよ。
業績・財務の10年表
3月期売上(億円)営業利益(億円)営業利益率EPS(円)ROE自己資本比率
20171,150159.813.9%179.468.12%69.7%
20181,179170.514.5%200.558.33%66.2%
20191,209185.215.3%190.877.38%70.2%
20201,232188.815.3%179.966.76%65.8%
20211,309193.814.8%200.407.25%68.3%
20221,295223.817.3%246.218.23%68.3%
20231,400209.214.9%215.636.70%63.5%
20241,508200.213.3%219.836.39%63.2%
20251,811401.322.2%427.1511.35%64.7%
20261,926352.218.3%376.289.04%54.3%
営業CFと期末の現金(億円)
3月期営業CF現金同等物
2017210.7299.0
2018210.7783.1
201954.5562.4
2020181.9576.9
2021161.0596.7
2022213.1675.4
2023164.5947.3
202456.1780.3
2025338.2731.4
2026247.2782.6

長期数値の出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に丸めています。

⚖️

同じ仕事の会社と比べる

目薬やスキンケアのロート製薬と、胃腸の病院向けの薬と市販薬を持つゼリア新薬を並べました。

医薬品 3社ツムラロート製薬ゼリア新薬
売上高1,926億円3,437億円892億円
営業利益率18.3%12.0%13.9%
自己資本比率54.3%62.1%60.3%
配当性向39.4%30.4%25.5%
予想配当利回り4.25%1.79%2.52%
秘書のリツ営業利益率と配当性向はツムラがいちばん高くて、自己資本比率はいちばん低いんだ。中国の会社を買って借入を増やしたのが効いてるよ。

※3社とも2026年3月期の連結実績(日本基準)です。予想配当利回りは2026年9月11日終値と、各社の2027年3月期の予想配当(ツムラ158円・ロート製薬50円・ゼリア新薬50円)で計算しました。

出典:各社の2026年3月期決算短信。株価は2026年9月11日終値です。

🔔

直近の決算と注意点

2027年3月期第1四半期は増収・増益でした。

2026年4〜6月・前年同期との比較
売上高497億円/+15.3%
営業利益79億円/+2.1%
親会社純利益65億円/+47.8%
中国事業の売上82億円/+94.8%

純利益が大きく伸びたのは、海外子会社への貸付金にかかる為替差益によるものです。医療用漢方製剤は6.8%増え、実際の需要である実売数量は3.4%増えました。通期の会社予想は売上2,136億円、営業利益375億円、純利益262億円(−6.8%)、配当158円で、変更はありません。2026年9月には養命酒製造を68億円で子会社にしており、今期の業績への影響は「精査中」とされています。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期有価証券報告書。

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決算とIRの記録

2026年9月1日 養命酒製造を子会社に
養命酒製造の株式をすべて68億円で取得しました。連結は2027年3月期の第2四半期からです。今期の業績への影響は「精査中」で、開示できるようになった時点で公表するとしています。
2026年8月6日 2027年3月期 第1四半期
売上497億円(前年同期比+15.3%)、営業利益79億円(+2.1%)、純利益65億円(+47.8%)。純利益の伸びは、海外子会社への貸付金にかかる為替差益によるものです。医療用漢方製剤は6.8%増え、実際の需要である実売数量は3.4%増えました。中国事業の売上は82億円(+94.8%)。通期予想と配当予想158円に変更はありません。
2026年5月13日 2026年3月期 本決算
売上1,926億円(+6.4%)、営業利益352億円(△12.2%)、純利益281億円(△13.3%)。期末配当を76円から79円に増やし、年間147円としました(DOE3.6%)。今期予想は売上2,136億円、営業利益375億円、純利益262億円、配当158円です。
2026年2月25日 養命酒製造の取得を発表
株式会社レノによる公開買付けと非公開化のあと、養命酒製造から有価証券や不動産などの事業に使わない資産を切り離し、ツムラが湯沢株式会社から68億円で全株を買う契約です。
2026年1月16日 500億円の借入契約
三菱UFJ銀行を幹事とする銀行団から、無担保で205億円(2033年期限)と295億円(2036年期限)を借りる契約です。純資産を一定水準に保つこと、2期続けて経常赤字にならないことが条件に付いています。
2025年8月8日 上海虹橋中薬飲片を子会社に
中国の子会社を通じて、上海の飲片会社の51%を238億円で取得しました。のれんは88億円です。11月にはこの連結で売上予想を100億円上げ、配当予想を136円から144円にしました。
2026年9月11日 このページについて
2007年3月期から2026年3月期までの決算短信、2021年3月期と2026年3月期の有価証券報告書、2027年3月期第1四半期決算短信を読んでカルテを作りました。次の決算発表(第2四半期)は、例年どおりなら11月上旬です(2025年は11月10日)。中間配当79円の基準日は9月30日です。
⚠ 注意事項
このページは自分の投資記録として情報をまとめたもので、売買の推奨を目的としたものではありません。将来の運用成果を保証するものでもありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

数字は2026年9月11日時点。主な出典はツムラの2026年3月期有価証券報告書、2021年3月期有価証券報告書、2007年3月期〜2026年3月期の決算短信、2027年3月期第1四半期決算短信、2026年3月期決算説明会資料、および各適時開示です。国内シェアはツムラのウェブサイト「数字で見るツムラ」(IQVIA「JPM2026年3月MAT」をもとに同社が集計)によります。株価と過去の配当利回りは株探の月足データで計算しました。同業比較はロート製薬・ゼリア新薬の2026年3月期決算短信によります。
※2022年3月期から収益認識に関する会計基準を適用しています。2021年3月期の売上高は旧基準で1,309億円、新基準で1,164億円です。
※2007年3月期以降、株式分割・併合はしていません。2017年10月に第三者割当で598万6,700株を発行しています。
※表示金額は読みやすさのため億円単位に丸めています。PERは会社予想EPS351円46銭で計算しています。
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