日本ゼオン
最終更新 2026年9月15日
取得総額63,904円。表示取得単価は1,826円(丸め値)です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 合成ゴムと高機能材料。合成ゴムや合成ラテックスと、光学用の樹脂・電池材料・電子材料をつくる化学メーカーです。
- 1950年設立。塩化ビニル樹脂の会社として始まり、1959年に合成ゴムの生産を開始。2000年に塩ビから撤退しました。
- 原料を取り出す自社技術。ブタジエンやイソプレンを取り出す自社技術(GPB法・GPI法)を持ち、1965年と1971年から工場で使っています。
- エラストマー素材事業が売上の54.2%。ほかに高機能材料事業(30.2%)と、RIM配合液や塗料などのその他(16.4%)があります。
事業の内訳をくわしく見る
売上の半分以上はエラストマー素材事業ですが、2026年3月期のセグメント利益は、高機能材料事業が224.21億円で全体の58.4%を占めました。高機能材料には、シクロオレフィンポリマー(COP)という光学用の樹脂、大型テレビ向けの光学フィルム、リチウムイオン電池の材料、半導体向けの電子材料が入ります。売上の64.5%は海外の顧客向けで、中国だけで19.1%あります。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報・地域ごとの情報)2026年3月期決算短信(部門別の概況)。セグメント利益は調整前の金額、構成比は短信の値です。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2009年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書・配当政策)2012年3月期有価証券報告書2023年3月期有価証券報告書。2009年3月期の連結営業利益は29.36億円、純利益は24.78億円。2010年3月期の普通配当は5円で、翌年から増配に戻っています。昔の配当は当時の実額で、10年グラフには含めていません。
強みと懸念点
- 16期続く増配。利益ではなく、株主のお金に対して4%以上を配る方針です。株主のお金は利益を積むほど増えるので、配当の目安も上がっていく仕組みで、16期続けて増配しています。
- 利益を稼ぐ高機能材料。スマホやテレビ向けの光学用の樹脂・フィルム、電池や半導体の材料は、合成ゴムより付加価値の高い製品です。売上の3割で利益の半分以上を稼ぎ、市況に振られる合成ゴムを支えています。
- AIと電力貯蔵の需要。データセンターの電力をためる電池の材料や、半導体向けの材料が伸びています。AIの広がりが、そのまま追い風になる分野です。
- 原料を取り出す自社技術。ゴムの原料を石油化学の原料から取り出す自社の技術を、60年近く工場で使ってきました。原料から自分で押さえていることが、合成ゴムで長く戦ってこられた土台です。
- 市況で揺れる利益。合成ゴムの値段は市況で決まり、景気が悪くなると手袋やテープなどの需要とともに崩れます。リーマン・ショックのときは営業利益がほとんどなくなり、2年続けて減配しました。
- 売却益の入った最終利益。この3年の利益には、持っている株を売った利益が大きく入っています。売れる株には限りがあるので、売る株が減ったあとも、本業だけで今の利益を稼げるか。
- 利益率の低い合成ゴム。売上の半分を占める合成ゴムなどの事業は、値段が市況で決まってしまうため、利益率が低めです。
- ナフサと中東情勢。原料は原油から作るナフサで、その値段が利益を大きく動かします。中東情勢で原料が思うように手に入らず、生産を絞った時期もありました。今期の予想には、その影響を含んでいません。
2024〜2026年の株の売却益は計511億円です。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信(次期の見通し・セグメント情報)2026年3月期有価証券報告書(事業等のリスク・連結損益計算書)2025年3月期有価証券報告書(連結損益計算書)。有価証券報告書の事業等のリスクには、景気後退、為替、ナフサなど原材料価格、保有株式の値下がりが挙がっています。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円) | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017 | 16 | 15.3% |
| 2018 | 17 | 28.9% |
| 2019 | 19 | 22.6% |
| 2020 | 21 | 22.7% |
| 2021 | 22 | 17.4% |
| 2022 | 28 | 18.3% |
| 2023 | 36 | 72.1% |
| 2024 | 45 | 30.6% |
| 2025 | 70 | 54.9% |
| 2026 | 76 | 40.7% |
| 2027予想 | 79 | 42.6% |
2017〜2026年3月期に株式分割はありません。発行済株式数は、自己株式の消却で2億3,707万株から2億925万株に減っています。グラフの金額は各年の実額です。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。2025年3月期の70円は、有価証券報告書に「DOE4.0%」と書かれています。10期の中に記念配当・特別配当はありません。2010年3月期の6円には、創立60周年の記念配当1円が入っていました。
出典:2021年3月期有価証券報告書2024年3月期有価証券報告書(配当政策)2025年3月期有価証券報告書(配当政策)2026年3月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・配当政策)2012年3月期有価証券報告書(2010年3月期の記念配当の注記)剰余金の配当(増配)に関するお知らせ。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 期末利回り |
|---|---|
| 2017 | 1.26% |
| 2018 | 1.11% |
| 2019 | 1.70% |
| 2020 | 2.58% |
| 2021 | 1.24% |
| 2022 | 2.05% |
| 2023 | 2.57% |
| 2024 | 3.41% |
| 2025 | 4.68% |
| 2026 | 4.32% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と株探の月足データ(3月末終値)。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月14日終値2,319円、会社予想配当79円・EPS185.51円、2026年3月末のBPS1,972.74円から計算しています。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 2,876 | 307.7 | 10.7% | 104.31 | 10.3% | 58.4% |
| 2018 | 3,327 | 388.8 | 11.7% | 58.81 | 5.3% | 58.4% |
| 2019 | 3,375 | 331.5 | 9.8% | 84.06 | 7.2% | 60.3% |
| 2020 | 3,220 | 261.0 | 8.1% | 92.44 | 7.9% | 63.5% |
| 2021 | 3,020 | 334.1 | 11.1% | 126.74 | 10.0% | 65.8% |
| 2022 | 3,617 | 444.3 | 12.3% | 153.22 | 10.9% | 65.7% |
| 2023 | 3,886 | 271.8 | 7.0% | 49.94 | 3.2% | 64.3% |
| 2024 | 3,823 | 205.0 | 5.4% | 147.19 | 8.9% | 68.1% |
| 2025 | 4,206 | 293.2 | 7.0% | 127.43 | 7.3% | 66.9% |
| 2026 | 4,120 | 363.8 | 8.8% | 186.67 | 9.9% | 68.9% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 490.4 | 113.7 |
| 2018 | 544.6 | 397.9 |
| 2019 | 403.9 | 348.5 |
| 2020 | 284.3 | 302.0 |
| 2021 | 560.8 | 481.5 |
| 2022 | 331.4 | 445.2 |
| 2023 | 143.6 | 282.7 |
| 2024 | 474.1 | 425.3 |
| 2025 | 207.8 | 268.4 |
| 2026 | 764.4 | 284.4 |
長期数値の出典:各年の有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。2018年3月期2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期。2018・2019・2022・2023年3月期の訂正報告書は役員やガバナンスの記載の訂正で、業績の数字は変わっていません。
同じ仕事の会社と比べる
合成ゴムをつくる上場会社から、クロロプレンゴムを手がける東ソーとデンカを並べました。3社とも3月期・日本基準の連結です。
| 2026年3月期 | 日本ゼオン 4205 | 東ソー 4042 | デンカ 4061 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,120億円 | 1兆199億円 | 3,842億円 |
| 営業利益率 | 8.8% | 9.4% | 6.8% |
| ROE | 9.9% | 5.0% | 5.2% |
| 自己資本比率 | 68.9% | 59.0% | 45.6% |
| 配当性向 | 40.7% | 75.5% | 54.9% |
| 予想利回り | 3.41% | 3.94% | 3.08% |

東ソーは石油化学やクロル・アルカリなど事業が広く、クロロプレンゴムはその一部です。純利益は米国子会社の減損損失で28.3%減り、配当性向が75.5%に上がりました。デンカはクロロプレンゴムを含む部門の売上が975.83億円で、純利益には工場用地の譲渡益と政策保有株式の売却益、米国子会社に関わる特別損失が入っています。予想利回りは、2026年9月14日終値の2,319円・2,541円・3,242円と、今期予想配当79円・100円・100円で計算しました。2社の年間配当予想は、第1四半期時点で変更がありません。
出典:東ソー 2026年3月期決算短信同社 第1四半期決算短信デンカ 2026年3月期決算短信同社 第1四半期決算短信。営業利益率とROEは各社短信の値。株価は株探の時系列データで2026年9月14日終値を確認。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は増収・増益でした。
高機能材料事業は、半導体向けのCOPと大型テレビ向けの光学フィルム、データセンター向けなど電力貯蔵用の電池材料が伸び、利益が101.09億円(+27.21億円)になりました。エラストマー素材事業は、中東情勢で主原料の調達量に合わせた生産になり、合成ゴムの売上は減ったものの、値上げと円安で利益は55.46億円(+13.20億円)でした。医療・衛生用手袋向けの合成ラテックスは、徳山工場の生産設備を予定より早く止めています。
通期の会社予想は、売上4,050億円(-1.7%)、営業利益380億円(+4.5%)、純利益360億円(-0.6%)で、第1四半期時点で変更はありません。営業利益の進み具合は42.9%です。会社は、この予想に中東情勢の悪化の影響を含めていないと書いています。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信(次期の見通し・セグメント情報)。
決算とIRの記録
出典:臨時報告書の訂正報告書(2026年3月31日)臨時報告書(2025年7月30日)自己株券買付状況報告書(2026年3月10日)ほか、各決算短信。
業績・財務・配当性向は連結で統一しています。有価証券報告書にある配当性向54.0%は単体(提出会社)の値です。ROEは有価証券報告書と決算短信の値で、外部サイトの数字とは計算方法の違いでずれることがあります。
2026年3月期は有形固定資産の減価償却を定率法から定額法に変えています。2009・2010年の配当は当時の実額で、グラフには含めていません。
過去の利回りは、有価証券報告書の配当と3月末終値から計算しました。配当性向の10年表は1株配当÷1株利益(連結)です。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。