マークラインズ
最終更新 2026年9月16日
年間配当は入金済み額ではなく、保有株数100株と会社予想配当58円から求めた相当額です。この会社の配当は期末の年1回で、2026年12月期の58円は2027年3月ごろの支払い予定です。
どんな会社か
- 自動車産業の情報会社。世界のどのメーカーが、どの国で何台つくり、どの部品をどこから買っているかを調べて売ります。
- 2001年1月に設立。東京都港区赤坂で資本金4,000万円から始め、25年ぶんのデータを貯めてきました。
- 売り方は年間契約。パソコンの契約台数に応じた年60万〜240万円の定額制で、5,400社以上が使っています。
- 売上の68.8%が情報プラットフォーム。残りはコンサルティング、車両分解・計測、人材紹介など8つの事業です。

情報プラットフォーム事業の地域別の売上を見る
2025年12月期の情報プラットフォーム事業の売上38億3,488万円のうち、日本は13億6,132万円で35.5%。残りの64.5%は中国・アジア・北米・欧州などの海外です。海外向けは円建て料金をもとに米ドル・ユーロ・英ポンド・中国元の4通貨に換算した料金体系で、急激な円高が起きると海外の解約につながる可能性があると会社は書いています。
出典:2025年12月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・事業等のリスク・セグメント情報)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2025年12月期有価証券報告書2025年12月期決算短信(事業等のリスク・経営成績の分析)。分類は管理シートに合わせています。
強みと懸念点
- 上場来11期連続の増配。年間契約の料金が毎年入ってくるので利益が読みやすく、2014年の上場から一度も配当を減らしていません。業績予想を下げた年も配当は据え置き、2026年には利益に対して配る割合の目安を引き上げました。
- 厚い利益率。一度集めたデータは、何社に売っても追加の費用がほとんどかかりません。そのため主力の情報サービスは利益率が5割近くあり、会社全体でも10年ずっと高い利益率を保っています。
- 借入金ゼロ。年間契約の代金を先に受け取るので、事業のお金を借りる必要がありません。負債の多くは、先に受け取った契約代金です。
- 25年ぶんのデータ。2001年から集め続けた世界の自動車の生産や部品の情報は、あとから始めた会社がすぐには追いつけません。企業の仕事に組み込まれて翌年も更新される土台で、このデータを使った自動車専門の生成AIも始めました。
- 10年で初めての減益。売上の伸びが止まったところに、前の年に作った計測の拠点や海外の子会社の固定費がのしかかり、10年で初めて営業利益が減りました。
- 伸びているのは値上げ。すべての地域で契約数が減ったと、会社自身が書いています。売上を支えているのは、今のお客さんへの値上げと円安で、お客さんが増えたわけではありません。値上げはいつまでも続けられるものではありません。
- 顧客が自動車産業に集中。お客さんはほぼすべて自動車業界です。関税や中国メーカーとの競争で日本のメーカーが経費を絞ると、そのまま契約が減ります。上期は減収なのに、通期は1割の増収を見込んでいます。この差を下期で埋められるか。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

連結配当性向について45%を目途に安定的かつ継続的に配当を実施することを基本方針としております

配当・配当性向の10年表(分割調整後)
| 12月期 | 1株配当(円) | 配当性向(連結) |
|---|---|---|
| 2016 | 10.5 | 37.5% |
| 2017 | 12.5 | 36.7% |
| 2018 | 15 | 38.7% |
| 2019 | 18 | 38.7% |
| 2020 | 21 | 43.9% |
| 2021 | 23 | 34.3% |
| 2022 | 29 | 33.6% |
| 2023 | 36 | 34.4% |
| 2024 | 48 | 40.2% |
| 2025 | 52 | 44.8% |
| 2026予想 | 58 | 44.5% |
2017年6月9日に1株を4株に分ける株式分割がありました。上のグラフと表は現在の株数に合わせた金額です。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しています。記念配当・特別配当はこの10年にありません。
出典:2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)と剰余金の配当及び配当方針の変更に関するお知らせ。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 12月期 | 12月末終値(調整後) | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2016 | 711.5円 | 1.48% |
| 2017 | 1,452円 | 0.86% |
| 2018 | 1,200円 | 1.25% |
| 2019 | 1,976円 | 0.91% |
| 2020 | 2,625円 | 0.80% |
| 2021 | 2,762円 | 0.83% |
| 2022 | 2,558円 | 1.13% |
| 2023 | 2,943円 | 1.22% |
| 2024 | 2,176円 | 2.21% |
| 2025 | 1,507円 | 3.45% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年12月末の終値(株式分割の調整後)。各年の配当を12月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月15日終値1,525円、会社予想の配当58円・1株利益130.23円、2025年12月期の1株純資産512.71円で計算しています。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 12月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | 14.32 | 5.19 | 36.2% | 28.00 | 27.1% | 69.4% |
| 2017 | 16.80 | 6.07 | 36.1% | 34.04 | 27.3% | 69.7% |
| 2018 | 20.43 | 7.34 | 35.9% | 38.73 | 26.2% | 71.1% |
| 2019 | 23.81 | 8.74 | 36.7% | 46.53 | 26.6% | 72.0% |
| 2020 | 26.63 | 9.61 | 36.1% | 47.80 | 23.2% | 72.6% |
| 2021 | 34.99 | 12.82 | 36.6% | 67.07 | 27.2% | 72.0% |
| 2022 | 41.25 | 16.24 | 39.4% | 86.27 | 28.4% | 72.8% |
| 2023 | 48.45 | 19.92 | 41.1% | 104.69 | 27.8% | 73.5% |
| 2024 | 55.62 | 22.16 | 39.8% | 119.35 | 26.0% | 75.6% |
| 2025 | 55.70 | 20.96 | 37.6% | 116.16 | 23.1% | 74.2% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 12月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2016 | 4.36 | 17.39 |
| 2017 | 5.86 | 20.41 |
| 2018 | 5.60 | 22.65 |
| 2019 | 7.80 | 28.37 |
| 2020 | 7.61 | 33.02 |
| 2021 | 10.81 | 39.52 |
| 2022 | 13.88 | 46.95 |
| 2023 | 17.85 | 55.21 |
| 2024 | 15.41 | 60.61 |
| 2025 | 18.09 | 38.02 |
長期数値の出典:2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書・連結キャッシュ・フロー計算書)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に直しています。1株利益と配当は2017年6月9日の株式分割を調整し、現在の株数に合わせました。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。
同じ仕事の会社と比べる
この会社と同じ仕事をしている上場企業はありません。そこで東証の情報・通信業のなかから、営業利益率30%以上・時価総額100億円以上・配当利回り2.5%以上を同時に満たす会社を並べました。事業の中身は同じではないため、収益性と財務の目安としての比較です。
| 直近の本決算 | マークラインズ 3901 | 福井コンピュータHD 9790 | ネオジャパン 3921 | 東計電算 4746 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 55.7 | 166.5 | 82.3 | 208.4 |
| 営業利益率 | 37.6% | 43.6% | 30.3% | 30.1% |
| 自己資本比率 | 74.2% | 81.7% | 69.9% | 79.6% |
| ROE | 23.1% | 15.1% | 26.3% | 11.9% |
| 配当性向 | 44.8% | 35.0% | 40.3% | 57.7% |

出典:各社の直近本決算の決算短信と有価証券報告書。決算期はそろっていません(マークラインズと東計電算は2025年12月期、福井コンピュータHDは2026年3月期、ネオジャパンは2026年1月期)。ROEは4社とも「純利益÷自己資本の期首・期末平均」でそろえて計算しました。東計電算のカルテはこちらにあります。
直近の決算と注意点
2026年12月期の中間期は、減収でしたが増益でした。
会社は「3半期ぶりに増益に転じた」と書いています。柱の情報プラットフォーム事業は売上20.4億円(+8.4%)、利益10.0億円(+10.0%)で、値上げと円安が効きました。一方でコンサルティング事業は売上23.5%減・利益57.1%減、リバースエンジニアリング事業も売上37.7%減と落ちています。通期予想は売上61.5億円(+10.4%)、営業利益23.5億円(+12.1%)、配当58円で据え置きです。あわせて同じ日に、110万株・15億円を上限とする自己株式の取得を決議しました。

出典:2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ。
決算とIRの記録
出典:2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信自己株式の取得状況に関するお知らせ(9月1日)剰余金の配当及び配当方針の変更に関するお知らせ2025年12月期有価証券報告書。
業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に直しています。配当と1株利益は2017年6月9日の1株→4株の株式分割を調整し、現在の株数に合わせました。
この10年に記念配当・特別配当はありません。配当は期末の年1回です。