保有銘柄カルテ

マークラインズ

証券コード 3901
情報・通信業東証プライム自動車産業の情報サービス上場来11期連続増配
配当利回り(予想)3.80%
株価は2026年9月15日終値。業績は2025年12月期の連結実績です。予想利回りは2026年12月期の会社予想配当58円で計算しています。
最終更新 2026年9月16日
株価1,525円
1株配当(予想)58円
🐔 いま持っている分
保有株数100株
1年でもらえる配当(税引前)5,800円
買った値段での利回り4.31%

年間配当は入金済み額ではなく、保有株数100株と会社予想配当58円から求めた相当額です。この会社の配当は期末の年1回で、2026年12月期の58円は2027年3月ごろの支払い予定です。

🏢

どんな会社か

  • 自動車産業の情報会社。世界のどのメーカーが、どの国で何台つくり、どの部品をどこから買っているかを調べて売ります。
  • 2001年1月に設立。東京都港区赤坂で資本金4,000万円から始め、25年ぶんのデータを貯めてきました。
  • 売り方は年間契約。パソコンの契約台数に応じた年60万〜240万円の定額制で、5,400社以上が使っています。
  • 売上の68.8%が情報プラットフォーム。残りはコンサルティング、車両分解・計測、人材紹介など8つの事業です。
世界の自動車情報を集める→年間契約で企業に売る→仕事に組み込まれる→翌年も更新される
2025年12月期・売上と営業利益の内訳
情報プラットフォーム事業売上38.3億円・68.8%/利益19.0億円
残り8事業の合計売上17.4億円・31.2%/利益2.0億円
秘書のリツ利益で見ると、情報プラットフォームだけで19億円。営業利益20.96億円の約9割だよ。この事業の利益率は49.5%もあるんだ。残りの8事業を全部足しても2億円ほどで、リバースエンジニアリング(車を分解して測る事業)と人材紹介は赤字だよ。この会社を見るときは、情報プラットフォームだけを見ればだいたい足りるね。
情報プラットフォーム事業の地域別の売上を見る

2025年12月期の情報プラットフォーム事業の売上38億3,488万円のうち、日本は13億6,132万円で35.5%。残りの64.5%は中国・アジア・北米・欧州などの海外です。海外向けは円建て料金をもとに米ドル・ユーロ・英ポンド・中国元の4通貨に換算した料金体系で、急激な円高が起きると海外の解約につながる可能性があると会社は書いています。

出典:2025年12月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・事業等のリスク・セグメント情報)。

📊

ディフェンシブか、景気敏感か

管理上の分類ディフェンシブ。ただし顧客が自動車産業に寄っている
秘書のリツ売り方が年間契約だから、景気が悪くなってもすぐには止まらないんだ。実際2025年は、関税政策と中国メーカーとの競争で顧客の日系メーカーが苦しんだけど、売上は55.6億円→55.7億円とほぼ同じ水準を保ったよ。上場した2014年12月期から減配も1回もないんだ。でも完全な守りの銘柄ではないよ。買っているのはほぼ全部が自動車業界の会社で、業界そのものが縮めば契約数もそのぶん減る。2025年は実際に契約数が減っているんだ。

出典:2025年12月期有価証券報告書2025年12月期決算短信(事業等のリスク・経営成績の分析)。分類は管理シートに合わせています。

📝

強みと懸念点

⭐ 強み
  • 上場来11期連続の増配。年間契約の料金が毎年入ってくるので利益が読みやすく、2014年の上場から一度も配当を減らしていません。業績予想を下げた年も配当は据え置き、2026年には利益に対して配る割合の目安を引き上げました。
  • 厚い利益率。一度集めたデータは、何社に売っても追加の費用がほとんどかかりません。そのため主力の情報サービスは利益率が5割近くあり、会社全体でも10年ずっと高い利益率を保っています。
  • 借入金ゼロ。年間契約の代金を先に受け取るので、事業のお金を借りる必要がありません。負債の多くは、先に受け取った契約代金です。
  • 25年ぶんのデータ。2001年から集め続けた世界の自動車の生産や部品の情報は、あとから始めた会社がすぐには追いつけません。企業の仕事に組み込まれて翌年も更新される土台で、このデータを使った自動車専門の生成AIも始めました。
🔵 懸念点
  • 10年で初めての減益。売上の伸びが止まったところに、前の年に作った計測の拠点や海外の子会社の固定費がのしかかり、10年で初めて営業利益が減りました。
  • 伸びているのは値上げ。すべての地域で契約数が減ったと、会社自身が書いています。売上を支えているのは、今のお客さんへの値上げと円安で、お客さんが増えたわけではありません。値上げはいつまでも続けられるものではありません。
  • 顧客が自動車産業に集中。お客さんはほぼすべて自動車業界です。関税や中国メーカーとの競争で日本のメーカーが経費を絞ると、そのまま契約が減ります。上期は減収なのに、通期は1割の増収を見込んでいます。この差を下期で埋められるか。
🔎

いつも見ている8つの基準

◎ 基準を大きく上回る、または方針が明文 / ○ 基準を満たす / △ 基準は外れるが、理由を説明できる / × 基準を外れ、次の決算で必ず確かめる
○
売上は伸びているか
10年で14.3億円→55.7億円、約3.89倍。前の年を下回った年はないが、2025年は0.1%増とほぼ横ばい。今期予想は10.4%増。
◎
営業利益率は高いか
37.6%。10年とも35%を下回らない。同じ情報・通信業で利益率30%超の3社(43.6%・30.3%・30.1%)の中ほど。
○
1株利益(EPS)は伸びているか
10年で28.00円→116.16円、約4.15倍。ただし2025年は10年で初めて前の年を下回った。今期予想は130.23円。
◎
営業CFは黒字を続けているか
10年ずっと黒字。2025年は18.1億円で10年の最高。
◎
配当は増えているか(減っていないか)
10年で10円50銭→52円、約4.95倍。上場来11期連続増配で、会社が資料に明記している。今期予想58円なら12期連続。
○
配当性向に無理はないか
44.8%。目安の30〜50%の中に収まる。今期予想も44.5%で、2026年2月に引き上げた方針の45%とほぼ同じ。
◎
自己資本比率は高いか
74.2%。10年とも69%以上で、借入金はゼロ。負債22.3億円のうち15.2億円は前受金。
○
現金は増えているか
10年で17.4億円→38.0億円、約2.19倍。ただし2025年は60.6億円から38.0億円へ減った(理由は下の要約)。
2026年9月チェック還元の意思と財務は強い。2025年の減益と契約数の減少が、今期どう戻るかを確認する。
🪙

配当はどう増えたか

1株配当の10年推移と今期予想(分割調整後)
0204060円16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年予
秘書のリツ10円50銭から52円へ、10年で4.95倍。棒の高さが一度も下がっていないよ。会社は決算資料に「上場来11期連続で増配を実現してまいりました」と書いている。上場は2014年12月だから、市場に出てから一度も減らしていないということだね。いちばん重いのは、2025年12月に業績予想を14.3%下方修正したときも、配当予想52円を据え置いたこと。「利益が落ちても配当は守る」を実際にやった回だよ。
連結配当性向について45%を目途に安定的かつ継続的に配当を実施することを基本方針としております
秘書のリツ2026年2月12日に、配当の決め方そのものが変わったんだ。それまでは「40%を目途に」で、5ポイント引き上げたことになる。配当性向を上げるのは「同じもうけから、より多くを配ります」という約束。利益が伸びなくても配当は増えるけど、そのぶん利益が減ったときのクッションは薄くなるよ。どっちも本当のことなんだ。
配当・配当性向の10年表(分割調整後)
12月期1株配当(円)配当性向(連結)
201610.537.5%
201712.536.7%
20181538.7%
20191838.7%
20202143.9%
20212334.3%
20222933.6%
20233634.4%
20244840.2%
20255244.8%
2026予想5844.5%

2017年6月9日に1株を4株に分ける株式分割がありました。上のグラフと表は現在の株数に合わせた金額です。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しています。記念配当・特別配当はこの10年にありません。

出典:2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)と剰余金の配当及び配当方針の変更に関するお知らせ。

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いまの利回りの位置

期末の配当利回り・過去10年
01234%点線は10年平均 1.41%1.4816年0.8617年1.2518年0.9119年0.8020年0.8321年1.1322年1.2223年2.2124年3.4525年3.80今
秘書のリツいまの予想利回り3.80%は、10年平均1.41%の2.7倍だよ。過去10年の各12月末では0.80〜3.45%で、10年のうち8年は1%台以下だったんだ。もともと高配当の銘柄ではなかったということだね。利回りが上がったのは、配当が36円から52円へ増えたのと同時に、株価が2023年末の2,943円から2025年末の1,507円へ半分近くまで下がったから。株価が半分になって配当が1.4倍になれば、利回りは3倍近くになる。それだけの話なんだ。
予想PER11.7倍
PBR(本決算基準)2.97倍
過去の期末利回りを数字で見る
12月期12月末終値(調整後)期末利回り
2016711.5円1.48%
20171,452円0.86%
20181,200円1.25%
20191,976円0.91%
20202,625円0.80%
20212,762円0.83%
20222,558円1.13%
20232,943円1.22%
20242,176円2.21%
20251,507円3.45%

出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年12月末の終値(株式分割の調整後)。各年の配当を12月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月15日終値1,525円、会社予想の配当58円・1株利益130.23円、2025年12月期の1株純資産512.71円で計算しています。

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業績と財務

売上高と営業利益率
売上高(億円)015304560営業利益率(%)015304536.236.135.936.736.136.639.441.139.837.616年17年18年19年20年21年22年23年24年25年
秘書のリツ売上は10年で3.89倍。前の年を下回った年はないよ。でも2025年は55.62億円→55.70億円で、伸びが止まったんだ。営業利益率は10年とも35%を下回っていない。いちばん高いのが2023年の41.1%で、2025年は37.6%へ下がったよ。
1株利益(EPS・分割調整後)
050100150円16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年26年予
秘書のリツ1株利益は28円から116円16銭へ、10年で4.15倍。でも前の年を下回ったのは2025年が初めてなんだ。原因は売上の頭打ちと、前の年に作ったベンチマークセンター・深圳子会社・福岡コールセンターの固定費が増えたこと。今期の会社予想130円23銭は、この2025年を上回る見込みだよ。
自己資本を使って稼ぐ力(ROE)
0102030%赤の点線は一般的な目安 8%27.116年27.317年26.218年26.619年23.220年27.221年28.422年27.823年26.024年23.125年
秘書のリツROEは10年とも23.1〜28.4%で、目安の8%をはるかに上回っているよ。これは自己資本が薄いからではないんだ。自己資本比率は74.2%あるからね。
ROE23.1%
自己資本比率74.2%
営業CF10年黒字
現金及び現金同等物(期末)
0204060億円16年17年18年19年20年21年22年23年24年25年
秘書のリツ2025年に60.6億円から38.0億円へ、22.6億円減っているね。でも損して減ったわけではないよ。投資有価証券の取得に22.6億円、自己株式の取得に10.0億円、配当の支払いに6.3億円を使ったんだ。その年の営業CFは18.1億円で10年の最高。稼いだお金を、現金のまま置かずに使った年ということだね。
業績・財務の10年表
12月期売上(億円)営業利益(億円)営業利益率EPS(円)ROE自己資本比率
201614.325.1936.2%28.0027.1%69.4%
201716.806.0736.1%34.0427.3%69.7%
201820.437.3435.9%38.7326.2%71.1%
201923.818.7436.7%46.5326.6%72.0%
202026.639.6136.1%47.8023.2%72.6%
202134.9912.8236.6%67.0727.2%72.0%
202241.2516.2439.4%86.2728.4%72.8%
202348.4519.9241.1%104.6927.8%73.5%
202455.6222.1639.8%119.3526.0%75.6%
202555.7020.9637.6%116.1623.1%74.2%
営業CFと期末の現金(億円)
12月期営業CF現金同等物
20164.3617.39
20175.8620.41
20185.6022.65
20197.8028.37
20207.6133.02
202110.8139.52
202213.8846.95
202317.8555.21
202415.4160.61
202518.0938.02

長期数値の出典:2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書・連結キャッシュ・フロー計算書)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に直しています。1株利益と配当は2017年6月9日の株式分割を調整し、現在の株数に合わせました。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。

⚖️

同じ仕事の会社と比べる

この会社と同じ仕事をしている上場企業はありません。そこで東証の情報・通信業のなかから、営業利益率30%以上・時価総額100億円以上・配当利回り2.5%以上を同時に満たす会社を並べました。事業の中身は同じではないため、収益性と財務の目安としての比較です。

直近の本決算マークラインズ
3901
福井コンピュータHD
9790
ネオジャパン
3921
東計電算
4746
売上高(億円)55.7166.582.3208.4
営業利益率37.6%43.6%30.3%30.1%
自己資本比率74.2%81.7%69.9%79.6%
ROE23.1%15.1%26.3%11.9%
配当性向44.8%35.0%40.3%57.7%
秘書のリツ利益率は4社で2番目、ROEも2番目。どれか1つで飛び抜けているのではなくて、全部そこそこ上にいるのがこの会社の形だね。自己資本比率は4社とも70%前後から80%台で、この顔ぶれはもともと財務が厚いんだ。配当性向44.8%も真ん中どころ。東計電算の57.7%は持ち株の売却益で配当が一時的に増えたためで、そのまま比べられる数字ではないよ。

出典:各社の直近本決算の決算短信と有価証券報告書。決算期はそろっていません(マークラインズと東計電算は2025年12月期、福井コンピュータHDは2026年3月期、ネオジャパンは2026年1月期)。ROEは4社とも「純利益÷自己資本の期首・期末平均」でそろえて計算しました。東計電算のカルテはこちらにあります。

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直近の決算と注意点

2026年12月期の中間期は、減収でしたが増益でした。

2026年1〜6月・前年同期との比較
売上高28.6億円/−2.2%
営業利益11.2億円/+4.0%
中間純利益8.0億円/+6.1%
自己資本比率72.8%(前期末74.2%)

会社は「3半期ぶりに増益に転じた」と書いています。柱の情報プラットフォーム事業は売上20.4億円(+8.4%)、利益10.0億円(+10.0%)で、値上げと円安が効きました。一方でコンサルティング事業は売上23.5%減・利益57.1%減、リバースエンジニアリング事業も売上37.7%減と落ちています。通期予想は売上61.5億円(+10.4%)、営業利益23.5億円(+12.1%)、配当58円で据え置きです。あわせて同じ日に、110万株・15億円を上限とする自己株式の取得を決議しました。

秘書のリツ上期の売上が2.2%減なのに、通期は10.4%増の予想。この差は下期で埋める計画ということだよ。進み具合は売上で46.6%、営業利益で47.4%。まだ半分に届いていないから、11月の第3四半期でここを見ることになるね。

出典:2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ。

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決算とIRの記録

2026年9月1日 自社株買いの進み具合
8月7日から8月31日までに21万4,100株・3億3,522万5,800円を取得。15億円の枠に対して22.3%。決めただけで終わっていない。
2026年8月6日 中間決算と、15億円の自己株式取得
売上28.6億円(−2.2%)、営業利益11.2億円(+4.0%)、中間純利益8.0億円(+6.1%)。3半期ぶりの増益。同じ日に110万株・15億円(発行済株式の8.63%)を上限とする自己株式の取得を決議。通期予想と配当58円は据え置き。
2026年5月15日 出資先のミックウェアがNASDAQに上場
自動車ファンド事業を通じて出資した株式会社ミックウェア(神戸市)が、NASDAQ Global Marketへ上場。このファンドから出た初めての上場。
2026年2月12日 配当性向の目安を40%→45%へ
2026年12月期以降の配当方針を「連結配当性向45%を目途に」へ変更。同じ日に2025年12月期の期末配当52円も決定し、新しい方針を先取りした水準だと説明している。
2026年1月13日 「マークラインズ生成AI」β版
25年ぶん貯めた自動車データに自然文で質問すると、データと分析を返す機能。汎用AIではなく自動車産業に特化した垂直型AIとして育てる方針。
2025年12月11日 通期業績予想を下方修正(配当は据え置き)
関税政策と中国メーカーとの競争で顧客が経費を絞ったため、売上と営業利益の予想を引き下げ。それでも年間配当予想52円は変えなかった。
2017年6月9日 1株→4株の株式分割
10年の配当とEPSは現在の株数に換算している。

出典:2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信自己株式の取得状況に関するお知らせ(9月1日)剰余金の配当及び配当方針の変更に関するお知らせ2025年12月期有価証券報告書。

⚠ 注意事項・数字の扱い
保有する会社の分析記録です。売買を勧めるものではなく、将来の利益・配当を保証しません。

業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に直しています。配当と1株利益は2017年6月9日の1株→4株の株式分割を調整し、現在の株数に合わせました。

この10年に記念配当・特別配当はありません。配当は期末の年1回です。
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