朝日ネット
最終更新 2026年9月20日
取得総額64,900円、表示取得単価は649円です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 独立系のプロバイダ。インターネット接続サービス「ASAHIネット」を運営します。2026年3月期の売上高は135億円です。
- 設立は1990年。朝日新聞社のパソコン通信から始まり、2000年に役員・社員が全株式を取得して独立しました。
- 光回線の契約51万ID。2026年3月末の光回線の契約は514千ID。顧客満足度調査のプロバイダ部門で12年連続の最優秀です。
- 売上の9割が接続。ASAHIネット72.4%、他社向けのIPv6接続「v6 コネクト」17.9%、大学向けの教育支援「manaba」4.1%です。
事業の内訳をくわしく見る
ASAHIネットは、NTT東西の光回線と組み合わせる接続サービスと、回線とセットで提供する光コラボ「AsahiNet 光」、マンションの全戸に一括で入る「マンション全戸加入プラン」などを扱います。v6 コネクトは、他の通信事業者(2026年3月末で10社)にIPv6の接続を卸すサービスで、基本料と通信量に応じた料金が売上になります。manabaは大学向けの学習管理サービスで、2026年3月末の契約は761千ID、全学で導入している大学は86校です。会社のセグメントは「ISP事業」の1つだけで、上の区分は会社が決算短信で開示しているサービス別の売上です。ADSLは回線提供元の終了にあわせ、2026年1月31日でサービスを終えました。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報)2026年3月期決算短信(サービス別の売上高・契約数・受賞)。構成比は4区分の合計に対する割合です。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:IR BANK(有価証券報告書をもとにした2008〜2010年3月期の売上高・営業利益)配当方針の変更(累進配当の導入)に関するお知らせ(上場から減配なし)。
強みと懸念点
- 累進配当を明文。売上の中心は毎月の接続料金で、景気に左右されにくい商売です。この安定を土台に、2026年に「原則として減配しない」方針を決めました。2006年の上場から減配はありません。
- 14年続く増収。ネットの接続料金は毎月入る収入で、契約が積み上がるほど売上が増えます。リーマン・ショックのあとも売上と利益が伸び、14年続けて増収しています。
- 満足度の高いプロバイダ。顧客満足度の調査で12年続けて最優秀を受けています。満足している人は解約しにくいので、光回線の契約は増え続けています。
- 借金のない財務。光回線そのものはNTTなどから借りて使うため、大きな設備を自前で持つ必要が少なく、借入金はありません。資産の9割が自前のお金です。
- 落ちてきた利益。新しい基幹システムに入れ替えた費用と、会員を増やすための販促費が増え、利益は前の期も今期の出だしも減りました。売上は増えても利益が減ったため、配当に回す割合は利益の半分まで上がっています。
- 接続サービスへの集中。売上の9割がインターネット接続です。もう1つの柱の大学向けシステム「manaba」は2年続けて売上が減り、接続以外で稼ぐ柱がまだ育っていません。
- 値上げの反応。2027年に一部の光回線を値上げします。増えた費用を取り戻すための値上げですが、ほかの会社に乗り換えやすい商売です。解約を増やさずに、利益を戻せるか。
出典:配当方針の変更(累進配当の導入)2026年3月期決算短信2027年3月期第1四半期決算短信料金改定のお知らせ2025年3月期有価証券報告書(manabaの減収)。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円) | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017 | 18.0 | 56.1% |
| 2018 | 18.0 | 92.2% |
| 2019 | 18.0 | 56.0% |
| 2020 | 18.5 | 45.2% |
| 2021 | 19.5 | 41.8% |
| 2022 | 21.0 | 46.7% |
| 2023 | 22.5 | 49.0% |
| 2024 | 23.0 | 49.5% |
| 2025 | 24.5 | 37.7% |
| 2026 | 25.0 | 50.4% |
| 2027予想 | 25.0 | 49.8% |
配当性向は有価証券報告書の記載値です。2018年3月期の92.2%は、ネットワーク設備の増強で償却費と通信コストが増え、純利益が5億7,700万円まで減った年のものです。配当の方針は「配当性向は40〜50%程度を適切な水準」とし、2026年3月期から累進配当を加えました。この10年で株式分割はなく、記念配当・特別配当もありません。
出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当性向)2018年3月期有価証券報告書(減益の理由)配当方針の変更に関するお知らせ。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 3月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 495円 | 3.64% |
| 2018 | 506円 | 3.56% |
| 2019 | 544円 | 3.31% |
| 2020 | 715円 | 2.59% |
| 2021 | 809円 | 2.41% |
| 2022 | 588円 | 3.57% |
| 2023 | 590円 | 3.81% |
| 2024 | 644円 | 3.57% |
| 2025 | 677円 | 3.62% |
| 2026 | 647円 | 3.86% |
出典:各年の1株配当と株探の月足データ(3月末終値)。各年の配当を3月末終値で割り、丸める前の値で単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月18日終値608円、会社予想の配当25円・EPS50.17円、2026年3月末の1株当たり純資産505.9円から計算しています。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 純利益(億円) | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 88 | 13.1 | 9.5 | 32.08 | 10.0% | 88.3% |
| 2018 | 93 | 8.4 | 5.8 | 19.53 | 6.0% | 90.4% |
| 2019 | 97 | 12.7 | 9.5 | 32.17 | 9.6% | 87.3% |
| 2020 | 103 | 16.1 | 11.5 | 40.92 | 11.6% | 87.5% |
| 2021 | 114 | 16.9 | 13.0 | 46.67 | 12.6% | 85.3% |
| 2022 | 116 | 18.3 | 12.6 | 44.92 | 11.3% | 87.2% |
| 2023 | 122 | 18.4 | 12.9 | 45.92 | 11.1% | 87.6% |
| 2024 | 122 | 19.7 | 12.9 | 46.46 | 10.5% | 87.6% |
| 2025 | 131 | 23.5 | 17.5 | 64.99 | 13.7% | 88.5% |
| 2026 | 135 | 17.9 | 12.9 | 49.65 | 9.9% | 90.3% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 3月期 | 営業CF | 現金及び預金 |
|---|---|---|
| 2017 | 15.4 | 42 |
| 2018 | 9.2 | 41 |
| 2019 | 17.0 | 50 |
| 2020 | 12.2 | 49 |
| 2021 | 18.9 | 42 |
| 2022 | 14.3 | 40 |
| 2023 | 13.6 | 36 |
| 2024 | 24.7 | 35 |
| 2025 | 24.6 | 42 |
| 2026 | 19.1 | 25 |
長期数値の出典:各年の有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」と損益計算書。2021年3月期2026年3月期2016年3月期(2012〜2016年3月期の売上高)。朝日ネットは連結子会社がないため、すべて単体の数字です。現金は「現金及び現金同等物」の期末残高で、貸借対照表の「現金及び預金」と同じ金額です。
同じ仕事の会社と比べる
インターネットの接続・通信サービスを手がける、IIJ(インターネットイニシアティブ)とビジョンを並べました。規模も会計基準もそろわないため、水準の目安としての比較です。
| 直近の本決算 | 朝日ネット 3834 | IIJ 3774 | ビジョン 9416 |
|---|---|---|---|
| 決算期 | 2026/3 | 2026/3 | 2025/12 |
| 売上高 | 135億円 | 3,454億円 | 390億円 |
| 営業利益率 | 13.3% | 10.1% | 16.6% |
| ROE | 9.9% | 16.2% | 23.6% |
| 自己資本比率 | 90.3% | 45.5% | 69.2% |
| 配当性向 | 50.4% | 28.6% | 54.3% |
| 予想利回り | 4.11% | 1.25% | 4.77% |

IIJはIFRS(国際会計基準)の連結で、売上高は「売上収益」、ROEと自己資本比率は親会社の所有者に帰属する持分で計算した値です。ビジョンは日本基準の連結、朝日ネットは日本基準の単体です。ビジョンの配当性向54.3%は記念配当5円を含む値です。予想利回りは2026年9月18日終値608円・3,430円・1,069円と、今期予想配当25円・43円・51円で計算しました。
出典:朝日ネット 2026年3月期決算短信IIJ 2026年3月期決算短信ビジョン 2025年12月期決算短信、株探(2026年9月18日終値)。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は増収・減益でした。
通期の会社予想(営業利益18億円・0.5%増)と配当予想25円に修正はありません。営業利益の進み具合は通期の15.8%です。売上は光回線の契約増とv6 コネクトの通信量増で伸びましたが、基幹システムの償却費・保守費、回線の仕入れ、販促費が増えました。
会社は2027年2月から「ASAHIネット 光 with フレッツ」と「フレッツ 光 ネクスト」の月額料金を改定します。ホーム858円・マンション770円が一律990円、ファミリー1,100円・マンション770円が一律1,320円になります(いずれも税込)。クロスコースや光コラボ「AsahiNet 光」は対象外です。manabaも次年度から料金体系を変える予定です。2026年6月末の光回線の契約は516千IDで、1年で16千ID増えています。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信料金改定のお知らせ2026年6月末のインターネット接続契約数。
決算とIRの記録
出典:2027年3月期第1四半期決算短信6月末の接続契約数2026年3月期決算短信配当方針の変更料金改定のお知らせ。
朝日ネットは連結子会社がないため、業績・財務はすべて単体(非連結)の数字です。
この10年で株式分割・併合はなく、1株配当とEPSは有価証券報告書の記載値をそのまま使っています。
過去の利回りは、各年の配当と3月末終値から計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。