あいホールディングス
最終更新 2026年9月16日
年間配当は入金済み額ではなく、保有株数54株と2027年6月期の会社予想配当140円から求めた相当額です。この会社の配当は中間と期末の年2回で、2026年6月期の期末配当70円は2026年9月28日から支払開始の予定です。
どんな会社か
- 防犯カメラとインターホンの持株会社。マンション・官公庁・病院に、監視カメラと集合玄関機を納めています。
- 2007年4月に設立。ドッドウエル ビー・エム・エスとグラフテックが株式移転でつくり、同時に東証一部へ上場しました。
- 買って増やす形。カッティングマシン、計測機器、耐震診断の設計、ビジネスホンまで、数字の出る会社を買って7つの事業にしました。
- 子会社45社・従業員2,794人。売上がいちばん大きいのは情報通信の271億円ですが、利益の柱は別にあります。

7つの事業を数字で見る(2026年6月期)
| 事業 | 売上高(億円) | セグメント利益(億円) | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 情報通信 | 271.0 | 12.5 | 4.6% |
| セキュリティ機器 | 158.9 | 61.9 | 38.9% |
| その他 | 140.3 | 3.9 | 2.8% |
| 情報機器 | 126.7 | 5.6 | 4.4% |
| 設計事業 | 74.4 | 14.8 | 19.9% |
| 計測機器 | 54.4 | 7.9 | 14.4% |
| カード機器及びその他事務用機器 | 24.5 | 3.1 | 12.6% |
全社費用・消去の分を含めていないため、7事業の利益の合計109.7億円は連結の営業利益107.6億円と一致しません。情報通信の売上が前の期の2.3倍になったのは、2024年9月に岩崎通信機、2025年4月にナカヨをグループに入れたためです。
出典:2026年6月期決算短信2025年6月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2021年6月期有価証券報告書2026年6月期決算短信(主要な経営指標等の推移・経営成績の分析)。分類は保有株の管理シートに合わせています。
強みと懸念点
- 配当の決め方が文書。2026年に、「利益の半分」と「株主のお金の6%」のうち、大きいほうを配ると決めました。株主のお金は1年の業績では大きく動かないので、利益が落ちた年でも配当の下側に厚みができます。実際、利益が大きく減った年に配当を増やしました。
- 実質無借金の財務。借入金はゼロで、手元の現金は時価総額の3割にあたります。この現金があるから、会社を買って事業を増やすことと、増配を同時に続けられます。
- 高採算の事業が1つある。マンションや官公庁向けの防犯カメラ・インターホンは利益率が4割近くあり、売上の2割ほどで会社の利益の半分以上を稼ぎます。売上の主役と稼ぎの主役が違う会社で、ここを見れば稼ぐ力がわかります。
- 配当性向の跳ね上がり。株主のお金を目安に配る決め方にしたため、利益が減っても配当は下がりません。その代わり、利益が減った年ほど利益に対する配当の割合が跳ね上がります。今期は減益の予想で、利益の8割を配る計算です。
- 不況の年に減らした過去。売り先はマンションを建てる会社や企業で、景気が悪くなると設備への投資が止まり、注文も止まります。リーマン・ショックの翌期には配当を減らし、3期そのままでした。深い不況がまた来たとき、今の配当の約束はどこまで守られるか。
- 買って増やした売上。この2年の売上の伸びは、ビジネスホンの岩崎通信機とナカヨを買ったためです。買った事業は利益率が低いので、売上が増えるほど会社全体の利益率は薄まり、前より大きく下がりました。
- 1事業への集中。利益の半分以上を、マンション向けのセキュリティ機器が出しています。マンションの建設が減れば、会社の稼ぎの柱がそのまま細ります。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

新たな還元目標としてDOE(株主資本に対する年間配当金額の割合)6%と配当性向50%のいずれか大きい金額を基準とする利益配当を行なうことを方針といたします

配当・配当性向の10年表
| 6月期 | 1株配当(円) | 配当性向(連結) |
|---|---|---|
| 2017 | 36 | 28.4% |
| 2018 | 38 | 29.4% |
| 2019 | 40 | 35.2% |
| 2020 | 45 | 46.1% |
| 2021 | 45 | 36.3% |
| 2022 | 60 | 36.7% |
| 2023 | 80 | 46.0% |
| 2024 | 90 | 27.2% |
| 2025 | 100 | 24.7% |
| 2026 | 125 | 55.8% |
| 2027予想 | 140 | 82.9% |
この10年に株式分割・併合はなく、記念配当・特別配当もありません。配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しています。2025年6月期の24.7%が低いのは、その期の利益に買収で生じた負ののれん発生益が入っているためです。会社は配当性向を出すときこの負ののれんを利益から除いており、除いた基準では同じ期の配当性向は100%を大きく超えます。
2026年6月期の純資産配当率(連結)は5.8%です。DOE6%は株主資本を分母にした割合で、純資産配当率とは分母が少し違います。
出典:2026年6月期決算短信2025年6月期有価証券報告書配当方針の変更に関するお知らせ配当予想の修正(増配)に関するお知らせ。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 6月期 | 6月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 3,025円 | 1.19% |
| 2018 | 2,402円 | 1.58% |
| 2019 | 1,740円 | 2.30% |
| 2020 | 1,554円 | 2.90% |
| 2021 | 2,190円 | 2.05% |
| 2022 | 1,550円 | 3.87% |
| 2023 | 2,310円 | 3.46% |
| 2024 | 2,376円 | 3.79% |
| 2025 | 2,345円 | 4.26% |
| 2026 | 2,680円 | 4.66% |
出典:各期の1株配当(2025年6月期有価証券報告書2021年6月期有価証券報告書2026年6月期決算短信)と各年6月末の終値。各期の配当を6月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月16日終値2,990円、会社予想の配当140円・1株利益168円94銭、2026年6月期の1株純資産2,208円46銭で計算しています。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 6月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 501.19 | 85.01 | 17.0% | 126.60 | 16.4% | 71.2% |
| 2018 | 545.60 | 89.84 | 16.5% | 129.35 | 14.8% | 73.2% |
| 2019 | 510.31 | 84.10 | 16.5% | 113.74 | 11.9% | 78.4% |
| 2020 | 431.79 | 75.96 | 17.6% | 97.57 | 9.6% | 81.1% |
| 2021 | 462.19 | 94.47 | 20.4% | 123.81 | 11.4% | 80.6% |
| 2022 | 470.59 | 98.50 | 20.9% | 163.40 | 13.5% | 81.2% |
| 2023 | 463.96 | 94.34 | 20.3% | 174.06 | 12.9% | 83.2% |
| 2024 | 498.12 | 98.53 | 19.8% | 331.11 | 21.3% | 85.2% |
| 2025 | 661.97 | 88.89 | 13.4% | 405.63 | 22.4% | 77.7% |
| 2026 | 850.24 | 107.62 | 12.7% | 224.08 | 10.5% | 80.8% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 6月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 64.98 | 178.92 |
| 2018 | 68.46 | 198.91 |
| 2019 | 72.12 | 212.71 |
| 2020 | 55.78 | 254.61 |
| 2021 | 93.72 | 320.12 |
| 2022 | 80.95 | 364.35 |
| 2023 | 45.41 | 375.66 |
| 2024 | 84.32 | 360.21 |
| 2025 | 76.47 | 447.90 |
| 2026 | 108.07 | 545.77 |
長期数値の出典:2025年6月期有価証券報告書2021年6月期有価証券報告書2026年6月期決算短信(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に直しています。2025年6月期の1株利益・ROE・純利益は、2026年6月期決算短信で確定した修正後の数値(EPS405円63銭・ROE22.4%)を使いました。有価証券報告書に載っている暫定値(407円13銭・22.5%)とは違います。
同じ仕事の会社と比べる
防犯カメラ・インターホンという扱う製品が重なる上場企業を2社選びました。高千穂交易はセキュリティ機器と電子部品の商社、アイホンはインターホン専業です。事業の構成は同じではないため、収益性と財務の目安としての比較です。
| 直近の本決算 | あいHD 3076 | 高千穂交易 2676 | アイホン 6718 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 850.2 | 295.1 | 629.8 |
| 営業利益率 | 12.7% | 7.1% | 4.4% |
| 自己資本比率 | 80.8% | 68.5% | 87.6% |
| ROE | 10.5% | 8.2% | 3.6% |
| 配当性向 | 55.8% | 100.1% | 86.3% |

出典:各社の直近本決算の決算短信。決算期はそろっていません(あいHDは2026年6月期、高千穂交易とアイホンは2026年3月期)。ROEは3社とも「純利益÷自己資本の期首・期末平均」でそろえて計算しました。営業利益率も各社の売上高と営業利益から計算しています。
直近の決算と注意点
2026年6月期は、営業利益が過去最高。純利益だけが43.7%減りました。
売上と営業利益はナカヨの通信機器事業が加わったことで伸びました。セキュリティ機器は分譲マンション向けが好調で、官公庁向けにAI画像解析技術を使った次世代セキュリティシステム一式を受注しています。設計事業も大口の耐震診断を取り、利益が3.1倍になりました。純利益が減ったのは、前の期にあった負ののれん発生益178.8億円が今期はないためです。2027年6月期の予想は売上860億円(+1.1%)、営業利益110億円(+2.2%)、純利益90億円(−24.6%)、配当140円です。

出典:2026年6月期決算短信。
決算とIRの記録
出典:2026年6月期決算短信定款の一部変更に関するお知らせ日本電計株式会社(証券コード:9908)株式の追加取得に関するお知らせ当社子会社の固定資産の譲渡完了に関するお知らせ代表取締役の異動に関するお知らせ配当予想の修正(増配)に関するお知らせ配当方針の変更に関するお知らせ2013年6月期有価証券報告書。
業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に直しています。この10年に株式分割・併合、記念配当・特別配当はありません。
2025年6月期の1株利益とROEは、暫定的な会計処理が確定したあとの数値(405円63銭・22.4%)を使っています。配当は中間と期末の年2回です。