ヒューリック
最終更新 2026年9月20日
取得総額50,248円、表示取得単価は1,358.05円です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 東京23区に建つビルの大家。駅の近くを中心に約250件、賃貸できる面積126万㎡の物件を持ち、その賃料で稼ぎます。
- 1957年に日本橋興業として設立。2007年に商号をヒューリックへ変え、2012年7月に旧昭栄と合併していまの形になりました。
- 出発点は旧富士銀行の店舗網。1965年に旧富士銀行(現みずほ銀行)149店の保険代理店業務を引き継ぎ、いまも明治安田生命・芙蓉総合リース・安田不動産などが大株主です。
- 事業は4つ。不動産・保険・ホテル旅館・その他で、不動産が売上の86%・利益の98%を占めます。

事業の内訳をくわしく見る
2025年12月期のセグメント別の営業収益(セグメント間の取引を含む)は、不動産事業6,374億円・ホテル旅館事業542億円・その他456億円・保険事業39億円です。セグメント利益は不動産事業1,981億円・その他21億円・ホテル旅館事業16億円・保険事業10億円で、ここから全社費用など161億円を引いたものが連結の営業利益1,868億円になります。不動産事業の営業収益6,374億円のうち5,039億円は物件の売却収入で、賃料などの収入は1,241億円です。「その他」には、2025年に子会社にした進学塾のリソー教育グループ、ボーリング機器の鉱研工業、高齢者施設向け食品のクックデリが入っています。従業員数は2023年12月期の1,357人から、2025年12月期は3,495人に増えました。
出典:2025年12月期有価証券報告書(沿革・大株主の状況・セグメント情報・収益認識関係)2026年12月期第2四半期決算短信(保有物件数・賃貸可能面積)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2025年12月期決算短信(業績予想の注記)2025年12月期有価証券報告書(沿革)。
強みと懸念点
- 13期連続の増配。利益が毎年伸びているうえ、配る割合も32%から41%へ少しずつ上げてきたため、配当は10年で4倍近くになりました。2029年にかけて、配る割合を45%まで上げる方針です。
- 東京23区・駅近のビル。駅に近い都心のビルは、景気が悪くなっても借り手がつきやすく、賃料が下がりにくい物件です。旧富士銀行の店舗網から出発した会社で、便利な場所の物件を多く持っています。
- 同業でいちばん高い利益率。古いビルを買って建て替え、価値を上げてから貸したり売ったりするので、1つの物件から取れる利益が大きくなります。利益率も自己資本で稼ぐ力も、大手の不動産3社を上回ります。
- 減ったことのない利益。物件の売却が少なかった年でも、利益の乗る物件を選んで売ってきたため、1株利益は10年一度も減っていません。
- 利上げは敵。借りたお金でビルを買い、賃料との差で稼ぐ商売です。資産の6割以上が借金なので、金利が上がると利息の支払いが増え、同じ賃料でも手元に残る利益が減ります。借入を長期・固定にして備えてはいます。
- 売上の7割は物件の売却。売上の多くは物件を売ったお金で、いくつ売れたかで年ごとに大きく動きます。不動産の市況が冷えれば売れにくくなるため、会社も売上の通期予想を出していません。
- M&Aで広げる新規事業。不動産だけに頼らないよう、進学塾などの会社を買い、利益の3〜4割を新しい事業で稼ぐ計画です。ただ不動産とは勝手の違う事業で、いまのところ赤字です。
- 不況の年の実績がない。今の形になったのは2012年の合併からで、リーマン・ショックのような深い不況を、この規模で経験していません。借金の多い会社は、不況で物件の値段が下がると一気に苦しくなります。そのとき、13期続いた増配は守られるか。
有利子負債は2兆2,190億円で総資産の63.2%です。前の中期経営計画の最終年度(2029年)の経常利益目標1,800億円に対し、2025年12月期は1,729億円でした。
出典:2025年12月期有価証券報告書(事業等のリスク・有利子負債残高の推移・収益認識関係)中長期経営計画(2026-2036)2026年12月期第2四半期決算短信。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか
2016年12月期の17円には、ヒューリック10周年記念配当1円(オレンジの斜線の部分)が含まれます。普通配当どうしで比べると16円→21円の増配です。この10年で記念配当はこの1回だけで、特別配当はありません。

配当・配当性向の10年表
| 12月期 | 1株配当(円) | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016 | 17(うち記念1) | 32.0% |
| 2017 | 21 | 32.6% |
| 2018 | 25.5 | 33.9% |
| 2019 | 31.5 | 35.4% |
| 2020 | 36 | 37.8% |
| 2021 | 39 | 38.5% |
| 2022 | 42 | 40.3% |
| 2023 | 50 | 40.2% |
| 2024 | 54 | 40.1% |
| 2025 | 62 | 41.1% |
| 2026予想 | 67 | 42.0% |
出典:2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書(1株当たり配当額・記念配当の注記)2025年12月期決算短信(配当性向)中長期経営計画(2026-2036)。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 12月期 | 12月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2016 | 1,039円 | 1.64% |
| 2017 | 1,266円 | 1.66% |
| 2018 | 985円 | 2.59% |
| 2019 | 1,316円 | 2.39% |
| 2020 | 1,133円 | 3.18% |
| 2021 | 1,092円 | 3.57% |
| 2022 | 1,040円 | 4.04% |
| 2023 | 1,476.5円 | 3.39% |
| 2024 | 1,370円 | 3.94% |
| 2025 | 1,714.5円 | 3.62% |
出典:各年の1株配当(記念配当を含む)と、東京証券取引所の12月末終値。各年の配当を12月末終値で割り、丸める前の値で単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月18日終値1,740円、会社予想の配当67円・EPS159.34円、2025年12月末の1株当たり純資産1,202.76円から計算しています。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 12月期 | 営業収益(億円) | 営業利益(億円) | 純利益(億円) | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | 2,158 | 533.8 | 349.0 | 53.00 | 10.7% | 29.7% |
| 2017 | 2,896 | 642.5 | 424.0 | 64.38 | 11.9% | 27.7% |
| 2018 | 2,875 | 755.6 | 495.2 | 75.18 | 12.7% | 26.2% |
| 2019 | 3,573 | 883.5 | 588.1 | 88.93 | 13.6% | 25.8% |
| 2020 | 3,396 | 1006.0 | 636.2 | 95.23 | 13.4% | 24.0% |
| 2021 | 4,471 | 1145.1 | 695.6 | 101.09 | 12.3% | 28.8% |
| 2022 | 5,234 | 1261.5 | 791.5 | 104.00 | 11.9% | 29.5% |
| 2023 | 4,464 | 1461.8 | 946.3 | 124.36 | 13.0% | 30.8% |
| 2024 | 5,916 | 1633.6 | 1023.4 | 134.42 | 12.8% | 27.3% |
| 2025 | 7,274 | 1868.3 | 1143.3 | 150.50 | 13.0% | 26.0% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 12月期 | 営業CF | 現金及び現金同等物 |
|---|---|---|
| 2016 | 1084.1 | 227 |
| 2017 | 457.2 | 280 |
| 2018 | 1309.7 | 318 |
| 2019 | 2311.8 | 484 |
| 2020 | 2023.0 | 947 |
| 2021 | 2917.4 | 2,061 |
| 2022 | 2661.1 | 1,383 |
| 2023 | 2708.2 | 828 |
| 2024 | 3533.9 | 1,343 |
| 2025 | 2692.4 | 1,307 |
長期数値の出典:2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」(営業収益・純利益・EPS・ROE・自己資本比率・営業CF・現金)。営業利益は各年の有価証券報告書の連結損益計算書の値(EDINETのXBRL)です。営業利益率の2024・2025年12月期は決算短信の記載値を使いました。
同じ仕事の会社と比べる
同じように賃貸ビルを持ち、開発と売却もおこなう3社を並べました。4社とも日本基準の連結ですが、野村不動産ホールディングスと東急不動産ホールディングスは3月期、ヒューリックと東京建物は12月期です。
| 直近の本決算 | ヒューリック 3003 | 野村不動産HD 3231 | 東京建物 8804 | 東急不動産HD 3289 |
|---|---|---|---|---|
| 決算期 | 2025年12月 | 2026年3月 | 2025年12月 | 2026年3月 |
| 売上高 | 7,274億円 | 9,425億円 | 4,746億円 | 1兆2,460億円 |
| 営業利益率 | 25.6% | 14.7% | 20.2% | 13.4% |
| ROE | 13.0% | 10.7% | 10.4% | 11.2% |
| 自己資本比率 | 26.0% | 28.5% | 26.0% | 26.3% |
| 配当性向 | 41.1% | 41.4% | 37.1% | 35.4% |
| 予想利回り | 3.85% | 4.84% | 3.89% | 3.91% |

予想利回りは2026年9月18日終値1,740円・910円・3,236円・1,280円と、今期予想配当67円・44円・126円・50円で計算しました。東京建物の126円は、2026年8月6日に122円から引き上げられた修正後の予想です。野村不動産ホールディングスは2025年4月1日に1株を5株に分割しています。
出典:ヒューリック 2025年12月期決算短信野村不動産ホールディングス 2026年3月期決算短信東京建物 2025年12月期決算短信東京建物 通期業績予想及び配当予想の修正東急不動産ホールディングス 2026年3月期決算短信、東京証券取引所(2026年9月18日終値)。
直近の決算と注意点
2026年12月期の中間期は増収増益でした。
通期の会社予想(営業利益2,100億円・純利益1,210億円)と配当予想67円に修正はありません。純利益の進み具合は通期予想の41.3%です。会社は売上高の通期予想を開示しておらず、利益だけを示しています。
増収の中身は物件の売却です。ヒューリックみなとみらい(横浜市)やヒューリック府中タワー(東京都府中市)などを売り、イーストネットビルディング(東京都江東区)やザ・スクエアホテル銀座(東京都中央区)を販売用不動産として取得しました。固定資産では、ヒューリック神谷町ビル(一部)や札幌ネットワークセンターなどを取得しています。
注意したいのは「その他」事業です。2026年6月中間期は、進学塾のリソー教育グループの株価に応じた追加的なのれん償却51億円を計上し、その他事業が24億円の営業損失になりました。この特殊要因を除くと26億円の営業利益だったと会社は説明しています。本決算は2027年1月下旬の予定です。
決算とIRの記録
出典:株式会社SQUEEZE株式の買集め行為に該当する株式取得についてのお知らせ2026年12月期第2四半期決算短信株式の海外売出しに関するお知らせ売出価格等の決定に関するお知らせ中長期経営計画(2026-2036)2025年12月期決算短信2025年12月期有価証券報告書2020年12月期有価証券報告書。
2016年12月期の1株配当17円には、ヒューリック10周年記念配当1円が含まれます。グラフではオレンジの斜線で分けています。
この会社は株式分割・併合をしていないため、配当とEPSは記載値のままです。
過去の利回りは、各年の配当と12月末終値から計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。