エービーシー・マート
最終更新 2026年9月20日
取得総額52,140円、取得単価は2,607円です。取得利回りは取得総額で計算しました。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 靴の専門店で国内首位。国内1,107店・海外398店を運営し、約1兆2,000億円といわれる国内シューズ市場で約2割のシェアを持ちます。
- 1985年に靴と衣料の輸入販売会社として創業。1990年に「ABC-MART」1号店を東京・上野に開き、2002年に東証一部へ上場しました。
- 他社ブランドと自社ブランドの両方を売る。「HAWKINS」「Danner」「ABC Select」は自社で商標を持ち、企画から製造まで手がけます。
- 報告する事業は国内と海外の2つ。売上の71.9%が国内、28.1%が海外で、海外の6割は韓国です。

事業の内訳をくわしく見る
2026年2月期の売上高は、国内2,720億73百万円、海外1,065億50百万円です(セグメント間の取引を除いた外部への売上)。国別では韓国648億38百万円、米国288億68百万円、台湾120億15百万円、ベトナム6億88百万円、フィリピン1億40百万円。国内の地域別では、東京493億21百万円と東京以外の関東581億50百万円で国内店舗売上の4割強を占めます。品目別では、スポーツ2,138億55百万円、レザーカジュアル520億22百万円、キッズ310億45百万円、サンダル197億29百万円、レディース174億15百万円、ビジネス88億7百万円、ウェアその他287億71百万円です。2026年2月期は国内外で64店を新規出店し、65店を改装、58店を閉店しました。国内の業態別では「GRAND STAGE」127店、「ABC-MART SPORTS」131店、「OSHMAN'S」21店、2つ以上の屋号を併設した複合業態店が142店です。従業員は9,101人(ほかに平均臨時雇用者3,250人)。国内のデジタル売上高は前期比7.4%増で、国内売上に占める割合は10.6%です。
出典:2026年2月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・関係会社の状況・従業員の状況・経営方針・販売実績)2026年2月期決算短信(セグメント情報)第33期 訂正有価証券報告書(地域ごとの情報)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2021年2月期有価証券報告書2012年2月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移)。
強みと懸念点
- シューズ市場の首位。年100店ほどの出店と改装で売り場を増やし、その店で稼いだお金で次の店を出す、という回し方で、国内の靴市場の2割を持つ首位に立ちました。2位のチヨダを大きく引き離しています。
- 群を抜く利益率。他社の人気ブランドで客を呼び、自社で企画した靴も一緒に売ることで、利益を厚くしています。同じ小売のしまむらやチヨダを大きく上回る利益率で、会社も二桁の維持を目標にしています。
- 借金のない財務。稼いだお金で次の店を出す回し方なので、借金がありません。出店も改装も配当も、本業で入るお金でまかなえています。
- 減らさない普通配当。コロナで利益が半分以下になった年も、配当を据え置いて守りました。借金がなく現金を厚く持っていたので、利益が落ちても配当を払い続けられました。調べられる2008年2月期から、普通配当は一度も減っていません。
- 配当の物差しが数字でない。配当の方針は「業績を加味した利益還元」だけで、何%配るといった目標がありません。実際、2019〜2023年は5期続けて配当が据え置かれました。現金を多く持っていても、配当がどれだけ増えるかは読みにくい会社です。
- 為替の備えがない。自社企画の靴の多くは海外で作って輸入しますが、為替の変動に備える契約(為替予約)を結んでいません。円安になると、そのまま仕入れ値が上がり、利益が削られます。
- 海外の利益が減った。売上の3割近い海外のうち、6割は韓国です。韓国の政治の混乱と米国の関税が響き、海外の利益は4分の1減りました。
- 減っている客数。今期の既存店は売上が伸びましたが、来た客の数は減り、1人あたりの買う額が上がった分で補っています。値上げは、客数の減りをいつまで覆い隠せるか。
出典:2026年2月期有価証券報告書(配当政策・事業等のリスク・自己株式の取得等の状況・経営方針)2026年2月期決算短信(セグメント情報)2027年2月期8月度概況(既存店・客数・客単価)チヨダ 2026年2月期決算短信しまむら 2026年2月期決算短信。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか
2023年9月1日に1株を3株にする株式分割をしています。グラフは分割後の株数に揃えた金額です。2023年2月期までの実額は、たとえば2023年2月期が170円、2017年2月期が120円でした。2024年2月期は中間配当85円(分割前)と期末配当37円(分割後)が混ざっており、会社は分割後に直した65.33円を1株当たり配当額として記載しています。この10年に記念配当・特別配当はありません。

配当・配当性向の10年表
| 2月期 | 1株配当(分割調整後・円) | 当時の実額(円) | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017 | 40 | 120 | 34.9% |
| 2018 | 43.33 | 130 | 36.1% |
| 2019 | 56.67 | 170 | 46.3% |
| 2020 | 56.67 | 170 | 47.2% |
| 2021 | 56.67 | 170 | 73.0% |
| 2022 | 56.67 | 170 | 80.7% |
| 2023 | 56.67 | 170 | 46.4% |
| 2024 | 65.33 | 中間85+期末37 | 40.4% |
| 2025 | 70 | 70 | 38.2% |
| 2026 | 75 | 75 | 40.1% |
| 2027予想 | 80 | 80 | 42.7% |
出典:2026年2月期有価証券報告書2021年2月期有価証券報告書2012年2月期有価証券報告書(1株当たり配当額・株式分割の注記・記念配当の内訳)2026年2月期決算短信(配当の状況・配当性向)。配当性向は、分割調整後の1株配当を連結の1株当たり当期純利益で割った値です。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 2月期 | 2月末終値(分割調整後) | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 2,256.7円 | 1.77% |
| 2018 | 2,266.7円 | 1.91% |
| 2019 | 2,126.7円 | 2.66% |
| 2020 | 2,053.3円 | 2.76% |
| 2021 | 2,020.0円 | 2.81% |
| 2022 | 1,660.0円 | 3.41% |
| 2023 | 2,236.7円 | 2.53% |
| 2024 | 2,565.5円 | 2.55% |
| 2025 | 2,877.5円 | 2.43% |
| 2026 | 2,623.5円 | 2.86% |
出典:各年の1株配当(分割調整後)と、東京証券取引所の2月末終値(分割調整後)。各年の配当を2月末終値で割り、丸める前の値で単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月18日終値2,684円、会社予想の配当80円・EPS187.39円、2026年2月末の1株当たり純資産1,607.64円から計算しています。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 2月期 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 純利益(億円) | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 2,390 | 418.6 | 283.7 | 114.56 | 13.4% | 86.4% |
| 2018 | 2,543 | 433.9 | 297.1 | 120.01 | 12.9% | 86.4% |
| 2019 | 2,667 | 439.3 | 302.9 | 122.32 | 12.1% | 87.0% |
| 2020 | 2,724 | 433.7 | 297.1 | 119.97 | 11.2% | 87.0% |
| 2021 | 2,203 | 195.1 | 192.3 | 77.65 | 7.0% | 87.3% |
| 2022 | 2,439 | 274.5 | 173.8 | 70.20 | 6.2% | 89.2% |
| 2023 | 2,901 | 423.0 | 302.6 | 122.19 | 10.2% | 86.9% |
| 2024 | 3,442 | 556.7 | 400.1 | 161.58 | 12.3% | 87.6% |
| 2025 | 3,722 | 625.5 | 453.6 | 183.18 | 12.8% | 87.7% |
| 2026 | 3,786 | 632.9 | 463.5 | 187.17 | 12.1% | 87.5% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 2月期 | 営業CF | 現金及び現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 328.5 | 1,171 |
| 2018 | 277.0 | 1,268 |
| 2019 | 349.4 | 1,397 |
| 2020 | 345.5 | 1,492 |
| 2021 | 234.9 | 1,465 |
| 2022 | 251.6 | 1,518 |
| 2023 | 108.8 | 1,482 |
| 2024 | 512.3 | 1,728 |
| 2025 | 561.3 | 1,976 |
| 2026 | 418.1 | 2,072 |
長期数値の出典:2026年2月期有価証券報告書2021年2月期有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」(売上高・純利益・EPS・ROE・自己資本比率・営業CF・現金)。営業利益は各期の連結損益計算書の値です。営業利益率の2025・2026年2月期は決算短信の記載値を使いました。2023年2月期から「収益認識に関する会計基準」を適用しており、それ以前の売上高は同じ基準に直されていません。EPSは2023年9月1日の株式分割に合わせ、2023年2月期までは有価証券報告書の記載値を3で割っています。
同じ仕事の会社と比べる
同じ2月期の専門店チェーン2社と並べました。靴の専門店で上場しているのはチヨダくらいで、3位のジーフットは2026年2月期に債務超過(自己資本比率△7.3%)・無配のため外しています。そこで売り方の近い衣料品チェーンのしまむらを1社足しました。3社とも日本基準の連結です。
| 直近の本決算 | エービーシー・マート 2670 | しまむら 8227 | チヨダ 8185 |
|---|---|---|---|
| 決算期 | 2026年2月 | 2026年2月 | 2026年2月 |
| 売上高 | 3,786億円 | 7,000億円 | 814億円 |
| 営業利益率 | 16.7% | 8.8% | 1.3% |
| ROE | 12.1% | 9.0% | 0.5% |
| 自己資本比率 | 87.5% | 88.1% | 70.3% |
| 配当性向 | 40.1% | 35.4% | 781.5% |
| 予想利回り | 2.98% | 2.51% | 5.45% |

予想利回りは2026年9月18日終値2,684.0円・3,185.0円・991円と、今期予想配当80円・80円・54円で計算しました。しまむらは2026年2月21日に1株を3株に分割しており、2026年2月期の実額215円に対して2027年2月期の予想80円は分割後の金額です。チヨダの配当性向781.5%は、営業利益10億90百万円に対して純利益が2億37百万円まで落ちた期の値で、2027年2月期の会社予想でも168.9%です。ROEと営業利益率は各社の決算短信の記載値です。
出典:エービーシー・マート 2026年2月期決算短信しまむら 2026年2月期決算短信チヨダ 2026年2月期決算短信、東京証券取引所(2026年9月18日終値)。
直近の決算と注意点
2027年2月期の第1四半期は、10年で最も大きい四半期になりました。
売上・営業利益・経常利益・純利益とも、四半期としては過去最高です。上期予想(売上高2,001億円・営業利益347億円)に対する営業利益の進み具合は58.5%。通期予想と配当予想80円に修正はありません。
そのあとの月次は、6月が全店で6.6%減となりました。前年6月が6.1%増と強かった反動です。7月は6.6%増、8月は6.5%増に戻り、上期(3〜8月)は全店で4.8%増、既存店で4.5%増になりました。中身を見ると客数は1.4%減で、客単価が6.3%上がっています。7月の熊本地震で休業していた5店舗のうち1店は9月2日に営業を再開しました。8月末の国内店舗数は1,116店です。
中間決算は2026年10月7日の予定です。
出典:2027年2月期第1四半期決算短信2027年2月期8月度概況について。月次の数字は「ABCマート事業」の国内ベースです。
決算とIRの記録
出典:2027年2月期8月度概況について2027年2月期第1四半期決算短信FOLDER事業譲受けに関するお知らせ支配株主等に関する事項について2026年2月期決算短信2026年2月期有価証券報告書2021年2月期有価証券報告書2012年2月期有価証券報告書。
2023年9月1日に1株を3株にする株式分割をしています。配当・EPS・株価の「分割調整後」は、この分割に合わせて過去の金額を直したものです。2024年2月期の配当は中間85円(分割前)と期末37円(分割後)が混ざっており、会社が記載した分割調整後の65.33円を使いました。
この10年に記念配当・特別配当はありません。2011年2月期の48円には上場10周年記念配当10円が含まれており、翌期の42円は普通配当どうしでは増配です。減配の有無は、この普通配当ベースで見ています。
過去の利回りは、各年の配当と2月末終値から計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。