伊藤ハム米久ホールディングス
最終更新 2026年9月26日
取得総額41,576円、取得単価は3,780円です。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- ハム・ソーセージと食肉の大手。「アルトバイエルン」などのハム・ソーセージと、牛・豚・鶏の食肉を売っています。
- 2016年に2社が統合。伊藤ハムと米久が共同で持株会社をつくり、2026年3月期に統合10年を迎えました。
- 育てる・さばく・売るまで。国内の農場や処理場に加え、ニュージーランドのアンズコフーズで牛肉・羊肉を世界に売っています。
- 食肉と加工食品の2本柱。売上の6割強が食肉、4割弱がハム・ソーセージなどの加工食品です。

売上は外部顧客への売上高で、食肉6,728億円・加工食品3,986億円。セグメント利益(経常利益ベース)は226億円・94億円です。三菱商事が議決権の41.15%を持つ筆頭株主で、食肉の調達などで協業しています。
出典:2026年3月期有価証券報告書2026年3月期決算短信少数株主利益保護への対応について。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:伊藤ハム 2009年3月期有価証券報告書伊藤ハム 2011年3月期有価証券報告書。
強みと懸念点
- 減らさない配当の約束。普通配当は「前の年より減らさない」と約束し、株主のお金に対して一定の割合以上を配る目安も決めています。利益の薄い業界で利益が上下しても、配当は下がりにくい仕組みです。統合から10年、普通配当は一度も減っていません。
- 育てて売るまで一貫。家畜を育てる農場から、さばく処理場、ハムの工場、海外の食肉会社まで持っています。肉の相場が上がった年は、自分で育てた肉を高く売れるので、その分を利益に変えられます。
- 世界に売る牛肉と羊肉。ニュージーランドの子会社が、牛肉と羊肉を世界に売っています。国内の需要が縮んでも、世界の需要で稼げる柱で、前の期の大きな増益にも効きました。
- 三菱商事との協業。議決権の4割を持つ三菱商事は、世界中から食料を仕入れる商社です。海外から肉を買う量が多いこの会社にとって、仕入れの力を借りられるのは大きな支えです。
- 相場で揺れる薄い利益。肉の商売は仕入れ値の割合が大きく、もともと利益が薄い商売です。そのため肉の相場や、原材料・物流費が少し動くだけで、利益が大きく揺れます。2019年3月期は営業利益が3割減りました。
- 借入で進める大型買収。ニュージーランドの食肉会社を、手元の現金を大きく上回る約760億円で買う予定です。足りない分は借入に頼るため、借金が膨らみます。買った会社が稼ぐまでの間も、配当を増やし続けられるか。
- 食品事故の重さ。食べ物の会社は、一度の事故で製品を回収し、工場を止めることになります。統合前の伊藤ハムは工場の地下水の問題でそうなり、最終赤字と減配に追い込まれました。
- 縮むハム・ソーセージの数量。原材料や物流の値上がり分を値上げでまかなうと、今度は買われる量が減ります。ハム・ソーセージは販売数量が減り、前の期は減益でした。国内の需要が縮むなかで、値上げと数量を両立できるか。
出典:2026年3月期有価証券報告書2026年3月期決算短信連結子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ伊藤ハム 2009年3月期有価証券報告書。
いつも見ている8つの基準
配当はどう動いたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当 | うち記念 | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2017 | 85円 | — | 28.0% |
| 2018 | 85円 | — | 31.9% |
| 2019 | 85円 | — | 47.5% |
| 2020 | 85円 | — | 43.9% |
| 2021 | 105円 | — | 30.6% |
| 2022 | 115円 | — | 35.2% |
| 2023 | 120円 | — | 40.8% |
| 2024 | 125円 | — | 45.7% |
| 2025 | 145円 | — | 62.8% |
| 2026 | 320円 | 175円 | 89.8% |
| 2027予想 | 155円 | — | 47.5% |
配当性向は決算短信の連結の値で、記念配当を含みます。2026年3月期の普通配当だけの配当性向は40.7%です。伊藤ハム米久ホールディングスは2016年4月の設立で、2017年3月期が最初の決算です。
出典:2026年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書2026年3月期決算短信剰余金の配当(記念配当)に関するお知らせ剰余金の配当に関するお知らせ。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 3月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 5,190円 | 1.64% |
| 2018 | 4,625円 | 1.84% |
| 2019 | 3,445円 | 2.47% |
| 2020 | 3,185円 | 2.67% |
| 2021 | 3,645円 | 2.88% |
| 2022 | 3,245円 | 3.54% |
| 2023 | 3,500円 | 3.43% |
| 2024 | 4,010円 | 3.12% |
| 2025 | 4,185円 | 3.46% |
| 2026 | 5,740円 | 2.53% |
株価:東京証券取引所の各3月末終値(2023年3月以前は株式併合にあわせて5倍)。過去利回りは各期の普通配当を3月末終値で割った計算値です。2026年3月期は記念配当を含めると5.57%でした。
業績と財務の10年





業績と財務の10年表
| 3月期 | 売上高 | 営業利益率 | EPS | 営業CF | 現金同等物 | 自己資本比率 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 7,926億円 | 2.7% | 303.35円 | 211.9億円 | 528億円 | 56.9% | 8.8% |
| 2018 | 8,319億円 | 2.6% | 266.10円 | 55.2億円 | 293億円 | 58.1% | 7.3% |
| 2019 | 8,507億円 | 1.7% | 179.10円 | 151.1億円 | 346億円 | 56.6% | 4.8% |
| 2020 | 8,525億円 | 2.0% | 193.60円 | 318.5億円 | 418億円 | 58.5% | 5.1% |
| 2021 | 8,427億円 | 2.9% | 343.05円 | 408.6億円 | 507億円 | 62.7% | 8.5% |
| 2022 | 8,544億円 | 2.9% | 326.70円 | 184.7億円 | 477億円 | 63.4% | 7.5% |
| 2023 | 9,227億円 | 2.5% | 294.07円 | 39.5億円 | 224億円 | 61.5% | 6.4% |
| 2024 | 9,556億円 | 2.3% | 273.24円 | 293.9億円 | 229億円 | 61.5% | 5.6% |
| 2025 | 9,888億円 | 2.0% | 230.88円 | 100.2億円 | 206億円 | 61.1% | 4.6% |
| 2026 | 10,714億円 | 2.7% | 356.43円 | 136.6億円 | 176億円 | 56.2% | 7.0% |
2022年3月期から収益認識の新しい会計基準を使っていて、その年の売上は従来より約327億円小さく出ています。2026年3月期はアンズコフーズの決算期を12月から3月に変えたため、15か月分の業績が入り、経常利益で約11億円の上乗せがありました。EPSは2023年3月期以前を、株式併合にあわせて5倍した値です(2023年3月期は会社が併合後の株数で計算し直した値)。借入金は短期と長期の合計で、2025年3月期594億円、2026年3月期886億円です。
出典:2026年3月期有価証券報告書2022年3月期有価証券報告書2021年3月期有価証券報告書2017年3月期有価証券報告書2026年3月期決算短信2025年度通期決算説明資料。
同業と比べる
ハム・ソーセージと食肉を手がける上場会社から、業界最大手の日本ハムと、ハム・ソーセージのプリマハムを並べました。決算期は3社とも3月です。
| 直近の本決算 | 伊藤ハム米久HD 2296 | 日本ハム 2282 | プリマハム 2281 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆714億円 | 1兆4,574億円 | 4,756億円 |
| 営業利益率 | 2.7% | 4.0% | 1.9% |
| ROE | 7.0% | 6.6% | 3.8% |
| 自己資本比率 | 56.2% | 53.8% | 50.5% |
| 配当性向 | 89.8% | 44.3% | 87.6% |
| 予想利回り | 3.08% | 2.98% | 3.31% |

伊藤ハム米久の配当性向は記念配当を含む値で、普通配当だけなら40.7%です。プリマハムは減損損失で純利益が35%減り、配当性向が87.6%になりました。日本ハムは国際会計基準で、営業利益率は営業利益(576億円)から計算した値です(会社が重視する事業利益率は4.7%)。自己資本比率とROEの欄は、親会社所有者帰属持分比率と親会社所有者帰属持分当期利益率です。予想利回りは2026年9月25日終値5,040円・6,044円・2,415円と、今期予想配当155円・180円・80円で計算しました。日本ハムは2026年10月1日に1株を3株に分割するため、分割前の株価と配当で計算しています。
出典:伊藤ハム米久ホールディングス 2026年3月期決算短信日本ハム 2026年3月期決算短信日本ハム 株式分割に関するお知らせプリマハム 2026年3月期決算短信、東京証券取引所(2026年9月25日終値)。
最新決算を確かめる

2027年3月期は、売上高1兆400億円(前期比2.9%減)、営業利益270億円(同5.1%減)、純利益185億円(同8.5%減)を予想。前期に好調だった輸入鶏肉の反動と、決算期変更で多く入った分がなくなることを見込んでいます。年間配当は普通配当155円(前期より10円の増配)の予定です。ニュージーランドの食肉会社グリーンリーの買収(約760億円・8月末に取得予定)は、まだ業績予想に入っていません。次は11月の中間決算で、利益の進み具合と、買収の影響がどう示されるかを確かめます。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2027年3月期第1四半期決算説明資料2026年3月期決算短信連結子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ。
決算とIRの記録
出典:2027年3月期第1四半期決算短信連結子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ2026年3月期決算短信剰余金の配当(記念配当)に関するお知らせ2026年3月期有価証券報告書。
2023年10月1日に5株を1株にまとめる株式併合をしています。2023年3月期以前の1株配当・EPS・株価は、併合後の株数にそろえて5倍しています。記念配当は2026年3月期の175円で、グラフでは斜線で分けています。
過去の利回りは、各期の普通配当と3月末終値から計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。