シイエム・シイ
最終更新 2026年9月26日
取得総額32,800円、取得単価は1,312円です。年間配当は入金済み額ではなく、現在の株数と会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 製品の説明書づくりの専門会社。取扱説明書や整備書などのマニュアルを、企業から請け負って作ります。
- 1962年に名古屋で創業。図面などのマイクロフィルム化の受託から始まり、60年以上続いています。
- 作るだけでなく使える形に。製品や業務の情報をデータとして整え、翻訳や現場での活用まで手伝います。
- ナレッジが売上の6割。マニュアル・ナレッジ・その他の3つで、2025年9月期はナレッジが60.2%です。

事業はManuals&Knowledge事業の1つだけなので、利益の内訳は開示されていません。売上はナレッジ109.9億円、マニュアル65.1億円、その他7.6億円です。2025年9月期に事業分類の集計単位を見直していて、前の期の数字も組み替えられています。売上の26.7%がトヨタ自動車向けです(前の期は34.0%)。創業家の佐々香予子氏が発行済株式(自己株式を除く)の24.42%を持つ筆頭株主です。
出典:2025年9月期有価証券報告書2025年9月期決算短信。
ディフェンシブか、景気敏感か

当時の配当は2018年と2021年の株式分割の前の金額です。今の株数にそろえると、6.67円→10円→10円です。
出典:2011年9月期有価証券報告書。
強みと懸念点
- 車の整備書づくりの長い実績。1977年からトヨタの修理書を作ってきました。整備の現場で使う情報は間違いが許されず、何十年も任されてきた実績は、新しい会社がすぐには真似できない信用です。
- 作るだけで終わらない仕事。説明書を作るだけでなく、製品の情報をデータとして整え、翻訳や現場での活用まで手伝います。仕事の幅が広いぶん、同業2社の2倍ほどの利益率につながっているとみられます。
- 現金の厚い財務。大きな設備がいらない仕事で、これまで利益の2〜3割しか配当に回してこなかったため、現金が積み上がりました。総資産の半分近くが現預金で、借入金はわずかです。
- 増やす余地の大きい配当。会社の方針は「配当金額の継続的な増額をめざす」です。配っているのは利益の3割ほどなので余力が大きく、普通配当はここ3年で2倍近くになりました。
- トヨタへの依存。売上の4分の1以上がトヨタ向けです。説明書は新しい車が出るときに作るため、取引先の新車の時期がずれたり販売計画が変わったりすると、2025年9月期のように、その年の売上がそのまま減ります。
- 生成AIによる置き換え。説明書や技術情報をまとめる仕事は、生成AIが得意な分野と重なります。お客さんが自分でAIを使って作れるようになれば、外に頼む仕事が減るおそれがあります。会社も技術の変化についていけないことをリスクに挙げています。
- 不況の年の利益の落ち方。車の開発が止まると、説明書づくりの仕事も止まります。リーマン・ショックと震災のあと、営業利益は2年で半分以下になりました。数字の配当目標がないなかで、そういう年にも増配を続けられるか。
出典:2025年9月期有価証券報告書2025年9月期決算短信2011年9月期有価証券報告書。
いつも見ている8つの基準
配当はどう動いたか

配当・配当性向の10年表
| 9月期 | 1株配当 | うち記念 | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 14.17円 | — | 26.1% |
| 2017 | 14.17円 | — | 21.4% |
| 2018 | 18円 | — | 19.1% |
| 2019 | 20円 | — | 21.2% |
| 2020 | 25円 | 1円 | 25.9% |
| 2021 | 27円 | — | 22.7% |
| 2022 | 30円 | 3円 | 19.9% |
| 2023 | 38円 | — | 28.6% |
| 2024 | 44円 | — | 28.1% |
| 2025 | 52円 | — | 31.7% |
| 2026予想 | 57円 | 2円 | 33.5% |
1株配当は分割調整後、配当性向は決算短信の連結の値で記念配当を含みます。分割前の実額は、2016・2017年9月期が85円、2018〜2020年9月期が36円・40円・50円、2021年9月期が54円です。配当方針は「配当金額の継続的な増額をめざす」で、配当性向やDOEの数値目標は公表していません。
出典:2025年9月期有価証券報告書2020年9月期有価証券報告書2017年9月期有価証券報告書2025年9月期決算短信剰余金の配当(中間配当)および名古屋証券取引所プレミア市場変更記念配当の実施に関するお知らせ。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 9月期 | 9月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2016 | 467円 | 3.04% |
| 2017 | 675円 | 2.10% |
| 2018 | 1,255円 | 1.43% |
| 2019 | 1,008円 | 1.99% |
| 2020 | 978円 | 2.56% |
| 2021 | 1,340円 | 2.01% |
| 2022 | 1,182円 | 2.54% |
| 2023 | 1,418円 | 2.68% |
| 2024 | 1,190円 | 3.70% |
| 2025 | 1,712円 | 3.04% |
株価:東京証券取引所の各9月末終値(分割調整後)。過去利回りは各期配当(記念配当を含む)を9月末終値で割った計算値です。
業績と財務の10年





業績と財務の10年表
| 9月期 | 売上高 | 営業利益率 | EPS | 営業CF | 現金同等物 | 自己資本比率 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | 165億円 | 8.3% | 54.18円 | 11.8億円 | 58億円 | 76.2% | 6.9% |
| 2017 | 169億円 | 8.1% | 66.18円 | 17.8億円 | 72億円 | 72.9% | 8.0% |
| 2018 | 181億円 | 11.1% | 94.37円 | 21.0億円 | 77億円 | 74.7% | 10.5% |
| 2019 | 193億円 | 11.7% | 94.34円 | 17.2億円 | 88億円 | 75.1% | 9.7% |
| 2020 | 171億円 | 10.7% | 96.64円 | 13.4億円 | 93億円 | 77.9% | 9.2% |
| 2021 | 173億円 | 13.1% | 118.93円 | 19.2億円 | 99億円 | 75.4% | 10.4% |
| 2022 | 179億円 | 14.5% | 150.56円 | 17.9億円 | 114億円 | 77.0% | 12.0% |
| 2023 | 185億円 | 14.2% | 132.97円 | 30.6億円 | 135億円 | 76.5% | 9.7% |
| 2024 | 195億円 | 15.2% | 156.72円 | 21.0億円 | 118億円 | 78.1% | 10.5% |
| 2025 | 183億円 | 14.8% | 164.12円 | 23.1億円 | 131億円 | 79.5% | 10.2% |
2022年9月期から収益認識の新しい会計基準を使っています。EPSは2018年と2021年の株式分割を反映した今の株数基準です。2024年9月期の設備投資は24.4億円で、賃貸用不動産の建物7.5億円・土地6.9億円などです。2025年9月期の現金及び預金は131.2億円、借入金は短期・長期あわせて2.2億円です。
出典:2025年9月期有価証券報告書2024年9月期有価証券報告書2021年9月期有価証券報告書2020年9月期有価証券報告書2017年9月期有価証券報告書2025年9月期決算短信。
同業と比べる
取扱説明書などの制作を手がけるクレステックと、企業向けの翻訳を手がける翻訳センターを並べました。決算期はそれぞれ9月・6月・3月です。
| 直近の本決算 | シイエム・シイ 2185 | クレステック 7812 | 翻訳センター 2483 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 183億円 | 183億円 | 109億円 |
| 営業利益率 | 14.8% | 7.3% | 6.4% |
| ROE | 10.2% | 11.1% | 6.7% |
| 自己資本比率 | 79.5% | 48.0% | 80.0% |
| 配当性向 | 31.7% | 31.6% | 101.6% |
| 予想利回り | 2.84% | 4.54% | 6.14% |

クレステックは2026年6月期、翻訳センターは2026年3月期です(どちらも日本基準・連結)。翻訳センターは2026年5月に、配当性向35%の目標から「DOE6%以上・総還元性向100%以上」に方針を変え、配当を75円から140円に増やしました。クレステックの2026年6月期の配当104円には、記念配当などの区別の記載がなく、今期予想は96円です。予想利回りは2026年9月25日終値2,005円・2,116円・2,280円と、今期予想配当57円・96円・140円で計算しました。株探の「比較される銘柄」は広告会社などで事業が違うため使っていません。
出典:シイエム・シイ 2025年9月期決算短信クレステック 2026年6月期決算短信同 一部訂正翻訳センター 2026年3月期決算短信同 株主還元方針の変更に関するお知らせ、東京証券取引所(2026年9月25日終値)。
最新決算を確かめる

2026年9月期は、売上高200億円(前期比9.6%増)、営業利益30億円(同11.3%増)、純利益22億円(同2.3%増)を予想。本社ビルの改装と移転の費用が下期にずれ込んでいて、第3四半期までの営業利益は通期予想の8割近くに達しています。年間配当は57円(普通配当55円+記念配当2円)の予定です。次は11月の本決算で、通期の着地と、来期の配当予想を確かめます。
出典:2026年9月期第3四半期決算短信2026年9月期第2四半期(中間期)業績予想の修正に関するお知らせ2025年9月期決算短信。
決算とIRの記録
出典:2026年9月期第3四半期決算短信記念配当の実施に関するお知らせ中間期業績予想の修正に関するお知らせ2025年9月期決算短信自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ2025年9月期有価証券報告書2024年9月期有価証券報告書2020年9月期有価証券報告書。
2018年4月に1株→3株、2021年10月に1株→2株の株式分割があり、配当・EPS・株価はすべて今の株数にそろえています。記念配当は2020年9月期の1円(実額2円)、2022年9月期の3円、2026年9月期予想の2円で、グラフでは斜線で分けています。
過去の利回りは、各期配当と9月末終値から計算しました。金額と図の数字は読みやすさのため丸めています。