日東富士製粉
最終更新 2026年9月15日
取得総額64,520円、取得単価1,613円。保有数・取得額は2026年8月29日の口座記録で確認。年間配当は入金済み額ではなく、保有株数と現在の会社予想から求めた相当額です。
どんな会社か
- 小麦粉とミックス粉の会社。パン・麺・菓子などをつくる食品会社や飲食店へ、代理店を通じて販売しています。
- 1914年設立。松本米穀製粉として始まり、2006年に富士製粉と合併しました。
- 三菱商事の子会社。同社が議決権の67.2%を持っています。国内のほか、ベトナム・タイにも製造拠点があります。
- 売上の83.1%が製粉・食品。外食子会社の「さわやか」は、ケンタッキーフライドチキンなどの店舗を運営しています。
事業の内訳をくわしく見る
外食は売上の16.8%を占めますが、利益では5.7%です。利益の割合は、3事業のセグメント利益の合計37.78億円に対する割合です。運送会社の株式を一部売り、2025年11月から連結対象を外しました。2027年3月期第1四半期の報告は製粉・食品と外食の2事業です。販売代理店でもある三菱商事向けの売上は108.24億円で、全体の14.9%を占めます。これは最終消費者別の売上ではありません。
出典:2026年3月期有価証券報告書(沿革・関係会社・セグメント情報、87〜89ページ)。利益は社内取引の調整前。売上は社内取引を含まない外部顧客向けです。2027年3月期第1四半期決算短信
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2010年3月期有価証券報告書(主要指標・配当政策)。純利益は2009年3月期12.04億円・2010年3月期20.45億円、営業CFは2009年3月期1.57億円。2008年の年配当9円には特別配当2円、2010年の12円には記念配当5円を含みます(当時の実額、10年グラフには含めていません)。
強みと懸念点
- 毎日食べる粉の商売。パン・麺・お菓子の元になる小麦粉は、景気が悪くても食べる量が大きくは減りません。リーマン・ショックの年も赤字にならなかったのは、この商売の安定さからです。
- 借金に頼らない財務。以前は利益の3割ほどしか配当に回さず、残りを会社に積み上げてきました。そのため資産の8割近くが自前のお金で、利益が落ちている今も、この厚みが配当を支えています。
- 現金はきちんと増える。本業で入るお金は10年ずっとプラスで、利益が減ったここ数年も、手元の現金は増え続けています。帳簿の利益が落ちても、実際のお金は入ってきているので、配当の支払いは止まっていません。
- 明文の累進配当。2024年に「配当を前の年より減らさない」と決め、配当を一気に1.5倍に上げました。その後、利益が減っても配当は据え置いて守り、新しい計画でもこの約束を続けるとしています。
- 3期続く営業減益。工場の修繕費、物流費、人件費が上がり、小麦粉の値段に上乗せしきれていません。前の年の米不足で増えた小麦粉の需要も落ち着き、最新の四半期も減益です。
- 利益の7割超を配当に。配当を減らさないと決めたあとで利益が減ったため、配当は据え置きでも、利益に占める割合が一気に上がりました。利益が戻らないまま増配を続ければ、財務の厚みを削って払うことになります。
- 設備更新と配当の資金負担。古くなった工場の設備を入れ替える時期が来ています。会社自身が、しばらくは稼ぐお金より、設備と配当に使うお金のほうが多くなると説明しています。
- 中期目標の引き下げ。前の計画の利益目標に届かない見通しになり、新しい計画では目標そのものを下げました。稼ぐ力がすぐには戻らないと、会社自身が認めた形です。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

配当・配当性向の10年表
| 3月期 | 1株配当(円) | 配当性向(連結) |
|---|---|---|
| 2017 | 14.375 | 30.4% |
| 2018 | 19.25 | 30.2% |
| 2019 | 27.5 | 30.0% |
| 2020 | 27.75 | 30.0% |
| 2021 | 29 | 30.0% |
| 2022 | 40.875 | 40.1% |
| 2023 | 43.75 | 40.2% |
| 2024 | 46.75 | 40.2% |
| 2025 | 70 | 71.8% |
| 2026 | 70 | 76.8% |
| 2027予想 | 70 | 77.4% |
2016年10月に10株→1株の併合、2021年10月に1株→2株、2026年4月に1株→4株の分割があり、すべて現在の株数に換算しています。2026年の分割前の実額280円は、いまの70円と同じです(減配ではありません)。2022年は中間157円と期末85円を別々に換算しました。この10年に特別配当・記念配当の上乗せはありません。
出典:2024年5月の株主還元方針中期経営計画のローリング計画、2026年3月期決算短信および各年の決算短信(末尾の資料一覧)。2017年の併合をまたぐ配当は2018年短信の前期欄で確認。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 3月期 | 期末利回り |
|---|---|
| 2017 | 2.86% |
| 2018 | 3.21% |
| 2019 | 3.58% |
| 2020 | 3.84% |
| 2021 | 3.05% |
| 2022 | 3.62% |
| 2023 | 3.90% |
| 2024 | 3.52% |
| 2025 | 4.19% |
| 2026 | 3.88% |
出典:各年の決算短信(配当)と株探の月足(3月末終値・分割調整後)。各年の配当を3月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、9月14日終値1,881円、会社予想配当70円・EPS90.44円、2026年3月期BPS1,373.83円から計算。四半期末BPSを使うサイトとはPBRが異なります。
業績と財務





業績・財務の10年表
| 3月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 488.75 | 23.24 | 4.8% | 47.21 | 5.9% | 67.3% |
| 2018 | 495.61 | 28.98 | 5.8% | 63.77 | 7.5% | 68.3% |
| 2019 | 549.00 | 41.64 | 7.6% | 91.65 | 10.0% | 72.5% |
| 2020 | 575.44 | 45.68 | 7.9% | 92.39 | 9.5% | 74.3% |
| 2021 | 565.44 | 45.39 | 8.0% | 96.55 | 9.3% | 75.6% |
| 2022 | 593.40 | 44.04 | 7.4% | 101.89 | 9.1% | 74.6% |
| 2023 | 695.40 | 52.99 | 7.6% | 108.83 | 9.1% | 74.7% |
| 2024 | 725.98 | 52.37 | 7.2% | 116.38 | 8.9% | 77.2% |
| 2025 | 723.41 | 50.96 | 7.0% | 97.49 | 7.2% | 78.4% |
| 2026 | 727.77 | 38.16 | 5.2% | 91.15 | 6.7% | 78.5% |
お金の出入りと期末残高(億円)
| 3月期 | 営業CF | 投資CF | 営業+投資CF | 現金同等物 |
|---|---|---|---|---|
| 2017 | 31.57 | -11.49 | 20.08 | 84.74 |
| 2018 | 26.65 | -23.31 | 3.34 | 54.00 |
| 2019 | 35.68 | -16.74 | 18.94 | 53.24 |
| 2020 | 65.13 | -19.50 | 45.63 | 84.11 |
| 2021 | 36.67 | -2.07 | 34.60 | 105.43 |
| 2022 | 21.71 | -15.63 | 6.08 | 98.04 |
| 2023 | 22.44 | -28.21 | -5.77 | 78.85 |
| 2024 | 64.98 | -29.81 | 35.17 | 97.98 |
| 2025 | 50.55 | -21.85 | 28.70 | 104.32 |
| 2026 | 46.67 | -9.03 | 37.64 | 115.54 |
出典:2026年3月期決算短信2026年3月期有価証券報告書(連結財務諸表・キャッシュフロー・資金集中管理)。ROEは会社短信の平均自己資本を使った値。EPSは分割・併合調整後。2018年の自己資本比率は税効果会計変更後の比較値68.3%を採用。2025年3月期の純利益には、製品回収に伴う補償損失8.08億円が入っています。2026年3月期の財務CFは−25.91億円です。
同じ仕事の会社と比べる
同じ3月期・日本基準の製粉2社と並べます。ニップンと日清製粉グループは、家庭用食品や中食なども大きく、製粉だけの比較ではありません。
| 2026年3月期 | 日東富士 2003 | ニップン 2001 | 日清製粉G 2002 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 727.77 | 4,184.25 | 8,650.04 |
| 営業利益率 | 5.2% | 5.3% | 5.4% |
| ROE | 6.7% | 8.3% | 6.5% |
| 自己資本比率 | 78.5% | 59.2% | 61.1% |
| 配当性向 | 76.8% | 25.9% | 52.9% |
| 予想利回り | 3.72% | 2.26% | 3.13% |

同業の3年推移
| 会社・3月期 | 営業利益率 | ROE | 自己資本比率 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 日東富士・2024 | 7.2% | 8.9% | 77.2% | 40.2% |
| 日東富士・2025 | 7.0% | 7.2% | 78.4% | 71.8% |
| 日東富士・2026 | 5.2% | 6.7% | 78.5% | 76.8% |
| ニップン・2024 | 5.1% | 12.8% | 58.0% | 19.5% |
| ニップン・2025 | 5.2% | 10.6% | 60.7% | 20.8% |
| ニップン・2026 | 5.3% | 8.3% | 59.2% | 25.9% |
| 日清製粉G・2024 | 5.6% | 6.9% | 60.5% | 42.2% |
| 日清製粉G・2025 | 5.4% | 7.0% | 61.4% | 46.9% |
| 日清製粉G・2026 | 5.4% | 6.5% | 61.1% | 52.9% |
配当性向は、各社短信の実際の純利益を分母にした値で統一しました。ニップンは株式売却益などを除くと33.5%、日清製粉Gは特殊要因を除く会社基準では48.6%です。どちらと比べても日東富士の76.8%が高いことは変わりません。利回りは9月14日終値1,881円・3,010円・2,077円と、今期予想配当70円・68円・65円で計算しています。
出典:ニップン2026年短信同2024年短信同最新四半期短信日清製粉G2026年短信同2024年短信同最新四半期短信。2025年値は2026年短信の比較欄。株価はIRBANKの20012002で確認。
直近の決算と注意点
2027年3月期第1四半期は減収・減益でした。
前年の米不足で増えた小麦粉需要が落ち着き、製粉・食品事業は減収でした。物流費や人件費の増加も響いています。外食は売上5.8%増に対し利益43.0%減。食材費、人件費、賃借料などが負担になっています。
通期予想は売上730億円、営業利益42億円(+10.1%)、純利益33億円(−0.6%)で変更なし。予想EPS90.44円に対し配当70円、予想配当性向は77.4%です。
出典:2027年3月期第1四半期決算短信2026年3月期決算短信中期経営計画のローリング計画(目標と資金配分、8〜10ページ)。2028年度は2029年3月期。資金配分の図では、基礎収益CF35〜40億円とその他CF10〜12億円に対し、更新投資と配当が先行する構図を会社が示しています。
決算とIRの記録
出典:2027年3月期第1四半期決算短信中期経営計画のローリング計画2026年3月期決算短信株主還元方針の変更
業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一。配当とEPSは株式分割・併合を調整し、図は表示を丸めています。2017年と2022年の配当は中間・期末をそれぞれ調整しました。
過去の利回りは各年の配当を3月末終値(株探・分割調整後)で割った値、現在の予想利回りは9月14日終値と今期会社予想で計算。過去の平均は売買判断の基準ではありません。総還元性向は自社株買いなどを含む指標で、配当性向60%を約束する意味ではありません。