積水ハウス
最終更新 2026年9月16日
年間配当は入金済み額ではなく、保有株数44株と会社予想配当145円から求めた相当額です。
どんな会社か
- 住宅メーカーの最大手。戸建住宅は8つある事業のひとつで、家を建てて売るだけの会社ではありません。
- 1960年に発足。プレハブ住宅の事業化を計画して積水ハウス産業として始まり、1963年にいまの社名になりました。
- 建てたあとの仕事が太い。賃貸住宅管理とリフォームで売上8,941億円、営業利益969億円。毎年入ってくる形の仕事です。
- 売上の3割が海外。国際(アメリカ中心)は売上1兆2,863億円で最大ですが、営業利益は391億円にとどまります。

事業ごとの営業利益率を見る
戸建住宅10.0%、賃貸・事業用建物15.7%、建築・土木7.4%、賃貸住宅管理9.8%、リフォーム15.0%、開発14.2%、国際3.0%。8事業の営業利益の合計は3,391億円で、全社費用と消去を差し引いた連結の営業利益3,414億円とは一致しません。2027年1月期からは、会社がセグメントの区分と全社費用の配分方法を変えています。
出典:2026年1月期有価証券報告書(沿革・事業の内容・セグメント情報)。
ディフェンシブか、景気敏感か

出典:2027年1月期第2四半期(中間期)決算短信2026年1月期有価証券報告書。2010年1月期の減配は当時の実額で、上の10年グラフには含めていません。2012年1月期に21円→20円と下がって見えるのは、前期の21円に創立50周年記念配当5円が含まれていたためで、普通配当では16円→20円の増配です。分類は管理シートに合わせています。
強みと懸念点
- 配当の下限を明文化。今後3年の配当の下限を、前の期の実績より上に決めました。決めた時点で増配が約束された形で、利益が多少ぶれても配当が下がる心配は小さくなりました。14期続く増配の上に置いた約束です。
- 建てたあとの仕事。家を建てたあとも、賃貸住宅の管理やリフォームの仕事が毎年入ってきます。新しい家が売れにくい年でも、この仕事は建てた家の数だけ続くので、稼ぎの底を支えています。
- もうけを株主に回す姿勢。利益のうち配当に回す割合は、住宅大手3社でいちばん高い水準です。さらに自社株を消して株数を減らし、1株あたりの取り分も増やしています。
- 海外事業の失速。売上でいちばん大きいアメリカの住宅事業は、利益率が国内の事業よりずっと低いままです。中間期の利益はほぼゼロになり、第1四半期は赤字でした。売上の3割を占める事業が稼げないままだと、会社全体の伸びが止まります。
- 買収で落ちた財務。アメリカの住宅会社を大きなお金で買ったため、会社の規模が一気に膨らみ、自前のお金の割合が大きく下がりました。会社自身も「財務健全性の回復」を計画の柱に置いていて、立て直すまでは使えるお金に限りがあります。
- 景気の底での減配実績。家は人生でいちばん高い買い物なので、景気が悪くなったり金利が上がったりすると、買う人がまず様子を見ます。リーマン・ショックのときは配当を半分以下に減らしました。今の配当の下限は、そこまでの局面を想定した約束なのか。
いつも見ている8つの基準
配当はどう増えたか

中期的な平均配当性向を40%以上とする従来の配当方針を継続し、利益成長による増配を目指すとともに、第7次中期経営計画期間の1株当たり年間配当金の下限を2025年度の配当実績(144円)を上回る145円とします
配当・配当性向の10年表
| 1月期 | 1株配当(円) | 配当性向(連結) |
|---|---|---|
| 2017 | 64 | 36.5% |
| 2018 | 77 | 39.9% |
| 2019 | 79 | 42.4% |
| 2020 | 81 | 39.4% |
| 2021 | 84 | 46.4% |
| 2022 | 90 | 39.6% |
| 2023 | 110 | 39.8% |
| 2024 | 123 | 39.8% |
| 2025 | 135 | 40.2% |
| 2026 | 144 | 40.2% |
| 2027予想 | 145 | 42.0% |
配当性向は1株配当÷1株利益(連結)で計算しました。株式分割はありません。
出典:2026年1月期有価証券報告書2021年1月期有価証券報告書(1株当たり配当額・配当政策)と2027年1月期第2四半期(中間期)決算短信(今期の配当予想)。
いまの利回りの位置

過去の期末利回りを数字で見る
| 1月期 | 1月末終値 | 期末利回り |
|---|---|---|
| 2017 | 1,828.5円 | 3.50% |
| 2018 | 1,998円 | 3.85% |
| 2019 | 1,626円 | 4.86% |
| 2020 | 2,361円 | 3.43% |
| 2021 | 2,019円 | 4.16% |
| 2022 | 2,314.5円 | 3.89% |
| 2023 | 2,451円 | 4.49% |
| 2024 | 3,347円 | 3.67% |
| 2025 | 3,583円 | 3.77% |
| 2026 | 3,438円 | 4.19% |
出典:各年の有価証券報告書(配当)と各年1月末の終値。各年の配当を1月末終値で割り、単純平均しました。現在の利回り・PER・PBRは、2026年9月15日終値3,342円、会社予想の配当145円・1株利益345.55円、2026年1月期の1株純資産3,300.57円で計算しています。
業績と財務




業績・財務の10年表
| 1月期 | 売上(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | EPS(円) | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017 | 20,269 | 1,842 | 9.1% | 175.48 | 11.28% | 50.5% |
| 2018 | 21,594 | 1,955 | 9.1% | 193.06 | 11.59% | 49.4% |
| 2019 | 21,603 | 1,892 | 8.8% | 186.53 | 10.82% | 49.02% |
| 2020 | 24,152 | 2,053 | 8.5% | 205.79 | 11.54% | 48.06% |
| 2021 | 24,469 | 1,865 | 7.6% | 181.18 | 9.53% | 50.52% |
| 2022 | 25,896 | 2,302 | 8.9% | 227.37 | 10.99% | 52.62% |
| 2023 | 29,288 | 2,615 | 8.9% | 276.58 | 11.88% | 54.29% |
| 2024 | 31,072 | 2,710 | 8.7% | 309.29 | 11.95% | 52.33% |
| 2025 | 40,586 | 3,314 | 8.2% | 335.95 | 11.71% | 40.8% |
| 2026 | 41,979 | 3,414 | 8.1% | 358.07 | 11.32% | 42.73% |
営業CFと期末の現金(億円)
| 1月期 | 営業CF | 現金同等物 |
|---|---|---|
| 2017 | 1,158 | 2,047 |
| 2018 | 1,654 | 3,247 |
| 2019 | 1,251 | 3,429 |
| 2020 | 3,638 | 5,833 |
| 2021 | 1,920 | 6,002 |
| 2022 | 1,180 | 5,152 |
| 2023 | 1,255 | 3,327 |
| 2024 | 157 | 2,929 |
| 2025 | 629 | 3,903 |
| 2026 | 2,163 | 4,349 |
長期数値の出典:2026年1月期有価証券報告書2021年1月期有価証券報告書(主要な経営指標等の推移・連結損益計算書)。売上・営業利益・現金は読みやすさのため億円に丸めています。ROEと自己資本比率は有価証券報告書の記載値です。
同じ仕事の会社と比べる
住宅大手3社を並べました。決算期がそろっていない点にご注意ください。
| 直近の本決算 | 積水ハウス 1928 | 大和ハウス工業 1925 | 住友林業 1911 |
|---|---|---|---|
| 決算期 | 2026年1月期 | 2026年3月期 | 2025年12月期 |
| 売上高 | 4兆1,979億円 | 5兆5,769億円 | 2兆2,676億円 |
| 営業利益率 | 8.1% | 11.0% | 7.4% |
| 自己資本比率 | 42.7% | 34.4% | 39.0% |
| ROE | 11.3% | 12.7% | 11.1% |
| 配当性向 | 40.2% | 30.9% | 30.4% |

出典:各社の直近の決算短信と有価証券報告書。積水ハウスは2026年1月期、大和ハウス工業は2026年3月期、住友林業は2025年12月期です。
直近の決算と注意点
2027年1月期の中間期は減収・営業増益でした。
伸びの中身は、都市再開発事業の営業利益が+437.7%、マンション事業が+83.8%です。リートへの物件売却と大型マンションの引渡しによるもので、毎期続く形ではありません。国際事業は第1四半期の42億円の営業赤字からは戻しましたが、10億円とほぼゼロです。通期予想は、売上高を4兆3,530億円→4兆2,600億円に下げ、純利益を2,180億円→2,240億円に上げました(営業利益3,500億円は据え置き)。配当予想145円は据え置きです。
出典:2027年1月期第2四半期(中間期)決算短信2027年1月期第1四半期決算短信。
決算とIRの記録
出典:2027年1月期第2四半期(中間期)決算短信2027年1月期第1四半期決算短信2026年1月期有価証券報告書。
業績・財務・配当性向は日本基準の連結で統一しました。売上・営業利益・現金は億円に丸めています。株式分割・併合はありません。
2012年1月期に配当が21円→20円と下がって見えるのは、前期の21円に創立50周年記念配当5円が含まれていたためで、減配ではありません。リーマン・ショック期の2010年1月期には24円→10円の減配があります。いずれも当時の実額で、10年グラフの範囲外です。